< >
2015. 10. 11  
大塚さんがロルフィングと対照的なトレーニングを受けて感じたことをブログに書いていて、とても似た体験をしてきたものとして私もすこし書いてみたくなりました。

ある意味ロルフィングの方が特殊な教育かもしれません。その中でもとりわけ大塚さんと私が強く影響を受けたGiovanniは南アフリカで生まれたイタリア人で母国語が英語という環境で育ったせいもあるのか、自分のありかた、人との距離の取り方について常に自問自答しながら生きてきた人なんだろうと感じさせるものがあります。ロルフィングで強調するLess is more, hold the spaceというものは、彼の一挙一動から学んだのです。いつも笑ってふざけて、脱力とゆるみを誘って人を素に戻す。そのうちいつのまにか自分でも全く知らなかったもう一人の私が引き出されている。人を自由にすることにかけては名人です。彼自身はこんな野暮な種明かしをしないので、彼のどこがすごいのか、何がいいのか、長い間うまく説明できなかったし、いまでもよくわかっていません。

私がそれまで受けた教育の多くはそれとは逆でした。悪い部分を指摘し、それを矯正させる、というもの。良い悪いの判断基準は指導者が持っていて、そのメガネに叶わなければ否定される。指導者の方針に疑問を持ったりなにか批判的な考えを持ったりすることは許されない。だから当然自分がどうありたいかより、どうやったら気に入ってもらえるかというのを一生懸命追求することになる。もっともこれも、指導者に力があってはじめて機能するのですが。

私の個性とか、可能性とか、こういうものに価値があって、追求していいものだと初めて知ったのがロルフィングを通してでした。それまでは自分の悪いところを見つめ、苦手を克服するのが進化への道と思っていたから。自分のやり方があっていいなどということは思いもよらなかったので、正しいやり方というものを提示してくれず、解を示してくれない、教義のないクラスの進め方には最初は面食らいました。

でも放ったらかしにされているかといったらそうでもなくて、わからない、ついていけない、などと落ち込むとまず100パーセント、見つかる。いつ見てたんだろうと思うくらい。私だけでなく11人のクラスメートそれぞれが、個人的なプロセスに入ったと見えた時にはだいたいアシスタントがフォローに入って、授業は滞りなく進みながらも各自のプライベートな問題は平行して丁寧にケアされている。生徒11人に先生2人は贅沢に思えますが、それでも2人指導者がそれぞれ3人分くらいこなしていました。まるで千手千眼観音様に囲まれているようでした。

まあロルフィングトレーニングは特殊空間だとは思いますが、私はロルフィングトレーニング以降何千時間というトレーニングを通してだいたい同じ傾向の学びをしています。これらを通して私自身がセッションや講習会をリードする上で気をつけていることを列挙してみます。

指導者においてもっとも障害となる要素:

prejudice 思い込み・先入観

私の尊敬する先生たちはみな口を揃えてニュートラルでいることの大切さをいいます。これは人間がどれだけ思い込みにとらわれやすいかの反映。脳は常にパターンを求めるので、経験を重ねれば重ねるほど、過去のパターンをまたここに持って来たくなる。毎回毎回まっさらになるのは至難の技。そして、脳は常にストーリーを求めるので、自分の頭で納得しやすいストーリーを作り上げて、それを相手に当てはめます。相手を観察するのではなくて、自分のストーリーの投影をしています。

judgement 断定

なぜ腰痛になったんですか、と訊かれたら、「椎間板5/4のヘルニア」「腰椎4番すべり症」などと即答できるのが腕のいいドクターの証のようになっていて、とくにドイツ人には根が深い問題。自分で自分が信じられなくて、判断を権威に丸投げしてしまうのです。未熟な指導者はこれを利用します。相手を批判否定し小さくし、判断力を失わせ、そして判断を自分に求めるように持っていき、コントロール下に置く。相互依存関係に持って行きます。ジョヴァンニが質問を質問で返すのに対してイライラしている生徒を見ていたのは本当に勉強になりました。答えは本当は本人が持っている。それを、指導者のジャッジで制限してしまうのは生徒の可能性の扉を閉めてしまう。ホメオパシーでも、どんなオープンクエッションに持っていくかがコンサルタントの力量。・・でもこれは相当洗練された関係です。私たちは本当は禅でお馴染みなのですが、本来すごく高度。

私が受けた教育の中でたぶん一番嫌だったのが日本の義務教育で、prejudice+judgementをこれでもかというくらい浴び続けました。担任教授が当時の親友に電話をかけて「あいつは今後クラスの統率のためにいじめるから友達をやめるように」と言ってきた、とその後親友から泣きながら告白されて、頭が真っ白になったのを覚えています。今でも信じたくないです。クラスで一番をとっても、全国模試では学校の5本指にはいる結果をとっても、教師陣が申し合わせたように絶対にくれなかった主要教科の5。マヌケな言動が多くいわゆる優等生キャラでないので信用がなかったからというのが理由だったと今ならわかるのですが、自分の何がいけなくて努力が成績表に反映しないかさっぱりわかりませんでした。海外に出た途端ありえない成績をとって、成績表というのは事実の反映というより教師のprejudice+judgementの結集なんだなと知りました。

ちなみに夫は優等生タイプで、お互い人生でかすることのなかった人種なので、結婚して多くを学ばせていただいています。娘は残念ながら私以上に思い切った成績をとるタイプで、おかげさまで数回特別監視下に置かれ学校に呼び出されるといった珍しい体験をさせていただきました。

indifference 無関心

いわゆるネグレクトですが、無視ではなくて無関心。指導者から受けるもののなかで魂が一番傷つくのが無関心だと、私は自分の体験を通して感じています。ホメオパシーではこの無関心は病気のエンドステージに持ってきます。保護者から、指導者から、愛する人から、無関心をうけた体験をインナーチャイルドとして持っている人は、魂の救済に時間がかかっても自分を責めなくていい。

だから否定でも怒りでも、自分にエネルギーを注いでくれる指導者がいる人はまだ幸せです。もっとも辛いのは見放された魂。

私は人生においてこれらをされるのが本当に本当に嫌だったので、私とご縁を持つ方には決してしたくない。最初の2つは本当にすぐに陥る罠なのです。いつもいつも反省します。

スカイプで話し込んでいた娘とその友達の会話に割り込んで、こういう魂の世界のこと、これからの君たちの生き方みたいなものについて語り出したところ
しもやけ
え?
しもやけ
膝の上に隠し持っていたDSの鶏のキャラクターしもやけを呼び出す娘でした。
スポンサーサイト
2014. 10. 29  
先日世界一周旅行をしながらその合間にミュンヘンでロルフィングトレーニング中という大塚英文さんとフランクフルトでお会いしました。今年の1月にいらした佐藤耕祐さんもそうでしたが、世界一周とロルフィングトレーニングは相性がいいのですね。

彼と私を引き合わせたのが、私たちのフェイズ2の共通の教師だったGiovanniでした。3人ともヨガの教師というのが共通点です。大塚さんはフェイズ3はアメリカで受講される予定だったがいまこのままヨーロッパで受講するか検討中と伺って、思わずヨーロッパロルフィングを強く勧めてしまいました。

その大きな理由がGiovanniという教師に象徴されるヨーロッパロルフィングの性質。私は主要なトレーニングをほとんど彼から受けていて、とにかく彼の影響を強く受けています。

Giovanniは南アフリカ生まれのイタリア人でもと俳優、今はロンドンの超売れっ子ロルファーであり私たちの教師でありヨガの先生です。今はロルフィング協会だけでなく、大学でもムーブメントを教えています。彼は今は一線を退いたウベアゴダールから強い影響を受けています。

たとえば大塚さんがブログに書いてらっしゃる絵画史と身体はGiovanniの授業の一部だそうです。これは私のフェイズ2の時には言っていなかったと思いますが、いかにもGiovanniらしい一級の進化論。私は彼のこういうところがたまらなく好きなのですが、多くの人にはso whatかもしれません。

Giovanniは前職や現職が物語るようにパフォーマーで、エンターテイメント精神旺盛で、彼の授業は遊びいっぱいですごく楽しいのですが、こんな風に彼独特の審美眼でロルフィングをいろんなものに結びつけたり、セッション自体も自由度が高いので、しまいにどこに向かっているか見失うこともよくありました。私はもっともコアなトレーニングといわれるフェイズ2でGiovanniに習ったことは本当に運命だったと思っています。ひっこみじあんだった私が「なにやっても許される私」に大変身してしまい、今も私のセッションは変わり続ける有機体のようであるのは彼の影響が大きいと思っています。

彼はオープンエンディングの天才でもあります。10シリーズは彼の手に渡ると枠組みがまるでないかのような広がりを見せるし、実際10セッション目は「終わり」に見えない。もちろんダラダラその後も続くというのではなく、新たな旅立ちという意味合いが強いということです。一応ロルフィングは10セッションでいったん完結ですが、それは完璧を意味するのではなくて、その後も成長は続くし、私たちは変わり続ける、ということです。

Giovanniはこんなふうに自由ですが、シリアスに哲学や心理学、現代思想を学んできた人でもあります。授業はそのあたりのベースがないとついていけないところもあって、私はたまたまミシェルフーコーなどを読みあさっていた時期があったので従来の関心を刺激されて面白かったのですが、そうでない人にはピンと来ないし、メカニカルなことや実践的なことに対しての関心が強い人、権威に従いたい人、単純明快に解を示してほしい人にとっては彼ののらりくらりさは拷問になります。だいたい質問に決して直接の答えをまずくれない。彼の禅問答にはもう耐えられないとばかり、ある生徒がついにdiciplineというものはないのか!と逆上したのを思い出します。彼女はその後アメリカ人のトムマイヤーをこれぞ教師と絶賛していました。この件はアメリカとヨーロッパの違いを語る上で象徴的です。

Giovanniを一言でいうと、spaceを体現する人。spaceは空間といっても、間といっても、隙間といっても、いいかもしれない。彼は間が人を引き出すスイッチを押すということを本当に自覚しています。セッション中にわざと入れる間、クライアントとのボーダーのとりかた、質問を質問で返して、その人に自分でさぐる間を与えること、etc.

最初は私はGiovanniのその本質が解らなかったのです。観察しながら、いくら分析しても収まらない何かがひっかかっていて、それがスペースだったと解ったのはだいぶ最近のことでした。ちょうどその話を大塚さんにした後に、まさにその大塚さんがスペースについてブログに書いていたと知って、驚きました。joint/articulationは本当になるほどと思いました。

欧米ロルフィングの比較については大塚さんがすでにブログでまとめてくださいましたのでそちらをご参照ください。大塚さんは他にも、難しいところもあるロルフィングの性質を正確にわかりやすく書き起こしてくださっていて、ロルフィングにご興味がおありの方々には知恵と情報の宝庫だと思います。大塚さんにはぜひ引き続きフェイズ3までヨーロッパロルフィングの世界にどっぷり浸っていってもらいたいと思います。
2012. 09. 10  
昨日で研修も終わってフランクフルトに帰ってきました。ロルフィングトレーニングはいつも楽しいけれど、今回は特にリラックスして楽しめました。理由のひとつは内容が主に復習だったこと。もう一つは仲間に恵まれたこと。IMG_4062.jpg


中段左から2人目の女性が先生のパオラ。現在世界最高水準といわれるヨーロッパロルフィング協会の売りはファカルティの層の厚さによるものです。第一世代のPeter Schwind, Robert Schreib, Hubert Godardはそれぞれの専門分野で今も世界の第一線で活躍中、中堅のPaolaはこれらの天才それぞれから上手に吸収してきて、それを上手にまとめて次世代に引き継いでいて、ニュージェネレーションといわれるGiovanni Feliocioniはそれをかなり自由に発展させています。Paolaは強烈に個性的な人の多いロルファーの中にあっては至極バランスの取れた人で、カリスマ好きな人には物足りなく、新しいもの好きには古いなどと言われますが、私は教師としては彼女は随一で、彼女から習うのはもっとも間違いがないと思っています。果てしなく広がるロルフィングの定義をいつも基本に照らしてくれて、天才たちの難しい理論やテクニックをさらっときれいにまとめて教えてくれるので本当に助かる。そして、やっぱり人間性。母のような包容力とおもしろいジョークでほっとさせてくれる一方で、頭は理路整然、クラスのダイナミズムを本当に上手にまとめる。このあたり、彼女はむしろ男性的な人なんだなと思います。彼女は指が柔らかくて、彼女が触ると人間の体がパン生地のように見えてしまう。ソフトタッチなのにしっかり支えてもらえるので安心して身を委ねられます。

中段左に立つ女性が今回パオラのアシスタントだったフエンサンタ(スペイン語で聖なる泉という意味)。メディカルドクターなのに全然鼻ツンツンでない(むしろ同じ医者を笑いものにしてる)すっごく面白くてラブリーなスペイン女性。彼女はスペイン初のファカルティを目指して今回が初のアシスタント役でした。落ち着いている時の思考は理路整然だけど、焦るとすぐとぶ。いっぱいいっぱいになるとすぐ周りが見えなくなってしまうところには、私は密かに自分と似たものを感じていました。ついつま先で飛ぶように歩いてしまったり、お茶を持って立っている私に突進してきてお茶をかぶっている様子をみて、そっかあ、着地できないときの私は傍から見るときっとこうなんだ、と大いに学びました。でも彼女の緊張していることを素直に表現してパオラに助けを求めている様子は、雲の上の先生たちより私たちに近いものを感じて、安心できたし応援できました。初心者だから焦ってます!と最初に素直に言ってしまえば、下手に背伸びしてしくじる率も減るし、言ったからといって別に信頼を落とすことにもならないんだ、とわかったのは大きい。彼女の知識より、彼女の姿勢に多く学びました。残念だったのはスケジュールの都合で彼女と組んだり彼女のデモを見るチャンスがなかったこと。彼女のスタイルにはすごく興味があったので。

前列中央の男性がスペイン人のアルバート。メカに強いところと飛ばすジョークは33歳だけど見た目は明らかに+10歳で、もと理学療法士だったこともあり、とにかく腕がいい。解剖上正確かつとても繊細なセンサーを持っていて、ソフトタッチと男性的力技を使い分けて七変化します。私は最後に彼とセッションを交換したのですが、久々に全身が鳥肌のたつ開放感を味わいました。ものすごくおすすめなロルファー!!!!!

後列中央がクロアチア系ドイツ人のボリス。クロアチアに行ってまず驚いたのがあの国は美男美女が多いことで、彼も例に漏れずレオナルド・ディカプリオに似た深い青い眼がチャーミングで、地元老婦人に絶大な人気です。歩く解剖学書の彼からは、訓練時代からよくお世話になりました。彼から学んだのはタッチ。彼は超・過敏肌なので、ちょっと触っただけでもすぐ腫れ上がって血がにじむ。訓練時代彼は解剖学的位置が分からず焦ってウロウロ探し回る私を教えながら、私の作った爪痕やミミズ腫れで連日満身創痍でした。よくあんな目に会いながら私と組みたがったと思う。。。あれがあって今の私があります。本当に感謝です。デュッセルドルフ在住なので、近くにお住まいの方はご紹介します。タイプはアルバートに似ています。超繊細な男性なので思いやりがあって、安心してかかれます。

ボリスの右横がイギリス人ヴィヴィアン。ヨガと気功の先生でもあって、最も仲のいいロルファー。別名トラウマ女王。彼女の超過敏さ、繊細さからは本当に多くを学びました。なにせ、寝ている彼女に触るとき、こちらの座る姿勢がちょっとでもいい加減だとすぐ指摘される。足の裏全体がきちんと着地しているかがタッチを通してわかるので、私が無意識につまさきを立てていたり呼吸が坐骨まで届いてない時には指摘されて驚きました。今でこそ彼女から教わってわかるようになりましたが、視力を使わないで人の姿勢や精神状態を当てるので、最初は魔女だと思いました。身体中が地雷だらけでちょっと急所にいくと爆発をくり返すので、訓練中は居残って彼女に付き添っていたこともしばしば。彼女のところにはかなりシリアスなクライアントさんが多く訪れるのですが、彼女がすぐれたヒーラーだということをみなさんどこかで察しているのでしょう。思えばこの2人に鍛えてもらったからこそ今の私があるんだなと思います。

プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

・・・・・・・・
ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

・・・・・・・・

内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

・・・・・・・・

・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式ロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com


・・・・・・・・・
2017年夏 東京セッション
6月27日(火)〜7月9日(日)


2017年 直傳靈氣講習会(東京):

前期6月30日(金)18:00〜21:00
  7月1日(土) 9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
後期7月2日(日)9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
      

直傳靈氣交流会(フランクフルト)




直傳靈氣交流会(東京)


参加お申し込みを受け付けております。
.................

Profile:

Takami Kamata

Certified Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

rolfertakami@gmail.com


........

カテゴリ
Q&A (1)
検索フォーム
カウンター
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
読者登録する


提供:PINGOO!
QRコード
QR