< >
2012. 04. 24  
弟子入りを希望する人から日野先生へあてた質問への、日野先生の回答。

質問は、
何年か前に試合中怪我をして以来、どうしても身体が怪我を怖がって前のような動きを取り戻せない。トラウマになった痛みがいつも繰り返しぶり返し、それを越えられない。メンタル面で強さを取り戻す訓練をずっと重ねてきて、それに対しては自信がついてきたが
まだ精神と肉体が別の音楽を奏でているように統合できない。
こういう状態で弟子入りできるでしょうか、というものでした。

先生の回答は思いがけないものでした。

彼は大きな間違いをしています。
それは「強い」という価値観、あるいは、概念の使い方の間違いです。
身体そのものは常に強いものです。
それは生命力という力、種の保存、存続という本能が働いているからです。
しかし、「人」というのは勝手な「強い」という概念を持ちます。
それは人と対立することで、そして、相手を制圧することでその強さを確認する、
自分の強さを自らが認める、という幼い自意識のものです。
その勝手な強いが、誤った方向に進めるのです。
つまり、身体とのバランスを失う、現在の彼の状態です。
武道は決して人と対立しません。
対立しないようにどうすれば良いのか、そこが稽古なのです。
とはいうものの、幼い自意識は誰にでもあり、また防衛本能も誰にでもあります。
それが働いた時に、相手との対立が生じるのです。
そこを取ってしまう、というのが武道の稽古です。
ですから、瞑想も何も必要ではなく、真摯に幼い自意識や単純な防衛本能と向き合うということが武道の稽古です。テッコンドウや空手、柔道と呼ばれる競技は、それを著しく壊しています。それらはスポーツであり競技ですから、もとから人と競うことを前提としています。
武道は自らを成長させることが目的です。
ですので、彼のワークショップ参加は、全く問題はありません。武道は決して相手を投げ飛ばして、突き飛ばして喜ぶもの、強さを評価するものではありませんから。


びっくりしました。
武道は人と対立しない。。
彼もそうですが、私も、ほかの多くの人も間違った方向で一生懸命頑張っていると思わざるを得ません。

強さ、というものは人と競って図るものでない。人と競って確かめたい強さは幼い自意識の現れ。

私も愕然としましたが、この返答を受け取った本人はさらに愕然としたようで、絶句しています。これは核心をついているから洗礼をうけるだろうな、とは思いましたが。男性はとてもデリケートです。。。

私がなによりはっとしたのは、身体は本来強いものだという一言。
そのとおりだと思います。いつからこんなに不安や恐れにとらわれるようになったのだろう。持って生まれた本来の生きる力が、いつからこんなに退化してしまったのだろう、と改めて思います。

ホメオパシーを私が真実だと思うのは、創始者ハーネマンが、人間には本来生きる力がある、病気になるのは病原菌や病因物質があるからでなくて、そういうものに感応する感受性があるからだ(そういうものを惹きつける内側の弱さがあるからだ)と喝破しているからです。人間は本来強い。病気の原因は外でなくて内にある。古くから疫病、伝染病、昨今ではインフルエンザに花粉症、(そして極論で今後の放射性物質汚染)に至るまで、私たちは何かが流行るとそれを恐れてその病因物質を排除しようとするけれど、それらが悪いのではない。それに感応する自分の弱さがいけない、ということになります。同じ状況下でも、助かる人と助からない人になぜ分かれるのかを考えると、納得いくでしょう。医者嫌いの日野先生は、同じことを言っておられる。一方当然のことを、当然と思えない私たち。日野先生語録には毎回本当に食らっています。


スポンサーサイト
2012. 04. 19  
熊でなく日野先生ご本人から、自分のプリムーブメント(予備運動)をどう消して、逆に相手のプリムーブメントをどう読んでいるかの回答をいただきました。あまりにも圧倒的な叡智です。予想できたのはほんの一部で、大部分は私の小さな頭の想像の及ぶ範囲を完全に超える内容でした。日野先生のご了承のもと、この秘伝を公開させていただきます。以下ブルーの部分が日野先生のご回答。(五光のさす色にしたかったのですが見当たらず青で失礼)
注)後にこれは秘伝でも奥義でもなく当たり前のことだったとわかりました。。

1 予備運動をどうやって消しているのですか?無意識に出てしまう筋反射や重心の移動を意識的に押さえるだけでないのだと思います。無意識を意識に変えて、さらにそれを再度無意識にやるというとんでもない作業に思えてしまうのですが。

鎌田様始め多くの人、いや大方の人、そして色々な身体理論は、「自分が動く」という観点から全てを見ています。
だから、予備動作という問題が付きまとうのです。
つまり、何か対象のものがあり、それに対して「自分が」動く、単純には100メートル競走の如く、ヨーイ、ドンという形になります。
しかし、人の動作を観察すると、欲求そのもので働いた時は、動いたになり予備動作は起こっていません。
例えば、喉が渇いた、と身体が欲した時、何の躊躇も無く身体は冷蔵庫の方へ、あるいは、飲み物の方に向かって動作を起こしています。
また、武道では自分勝手にヨーイドンで動けば、直ちに相手に知られて迎え撃ち、返り打ちに会います。
だから、ここでのポイントは「相手に動かされる」なのです。
主役が自己ではなく、他者なのです。
だから、予備動作が起こることはありません。
しかし、もちろん、これの完成系は大変難しいものです。
人は意識を使ってしまうし、準備をしてしまうからです。
ここが修行であり、稽古なのです。
それは精神の修行といっても差し支えありません。
そして、相手の意識の変化を完全に感じ取る、自分の意識にそれを映し出すという稽古もあります。
その事で、つまり、相手の意識の変化に動かされるということになるのです。


自分から動く、から、相手に動かされる、へのベクトルの180度転換。びっくりしました。私は「自己」ありきの西洋人から色々習ってきてしまったのでこういう不自由な解釈をしていたのかと思います。

自己ありき、は考え方としは決して間違ってはいません。ただ、その自己をどう処理するのかが、西洋には無いのです。自己をどう成長させるのか、成長させるとはどういうことか、というような事には一切ふれずに、未成長の自己の上に知識を乗せていくというのが、日本以外の文化です。日本でも、特に「道」と名の付くものは、その自己に徹底的に拘り、そこに直接働きかけるということをしていきます。簡単に言えば「自己否定」です。その事で、表面に現れる言葉であれ、行動であれを自動的に成長させるということになります。

注)この自己否定についてはさらにうんと長くなるので別の項にさせていただきます。

自分から向かうのでない、予備運動のない動きには
先生のおっしゃる 思わず、の動きや
とっさの反射的な動きがあると思いますが

無意識の癖 はどうでしょう。

無意識の癖というのはやっかいですが、無意識で行う日常的行為を、意識的に行うというトレーニングをすることで修正させていけば良いだけです。

私は無意識の癖については予備運動が見えると思っていたのですが、それは私が人の癖のパターンを把握して、その人の意識の変化を見ていたのかもしれません。

きっとそうでしょうね。
そして、相手の意識の変化を完全に感じ取る、自分の意識にそれを映し出すという稽古もあります。その事で、つまり、相手の意識の変化に動かされるということになるのです。


これはフォーサイスカンパニーとやっていることですか?バレンシアWSでもやりますか?

というよりも、これは武道の稽古の定番なのです。
それをすることで、自分自身が意識的に動いたのか、動かされたのかに気付いていけるのです。
武道の全ての動きはこれで成り立っており、それが武道の稽古と呼ぶのであって、
それが無い稽古は武道とは呼ばないと、私は定義付けています。




2 相手の予備運動を見抜くとき(本気の付きとフェイントを見分ける時)先生は相手の何を見ているのでしょうか。

これは、ズバリ相手の意識の変化です。
フェイントの時は意識はわずかしか動きません。
本気で来る時は、意識が変化します。
そこの反応です。
しかし、武道では相手のフェイントも利用して攻め込みます。
その意味でも、フェイントは通用しないのです。

もちろん、これらは体験の科学のようなものですから、理解できても使用する事が出来ません。その意味でも実際の稽古が必要なのです。


意識の変化は相手の目に映りますか?それとも先生は別のところを見ていますか?

まず、目に映ります。
ですから、最初は目の変化を知るところから始めます。
それが熟練してくると、場に何かしらの変化があり、こちらの身体に影響が出て動いてしまっているになります。
もちろん、ここは結構長い道のりです。


注)やはりケビンフランクの解釈は浅かった。相手のプリムーブメントの見抜き方、というのは無意識の筋反射や重心の移動を見分ける哺乳類特有の能力などではなく、相手の意識の変化を見抜く力だったのです。YouTubeでは先生は相手の目からそれを読み取っているように見えたのでそう伺ったら、それはその後場に現れる、自分が動くのでなく、相手に動かされる、という、武道の基本で奥義で、そして私にとっては全く未知の世界の説明になりました。話がここに及ぶと毎回私はスタック状態です。ここはこれ以上聞いても無駄。体験しないと絶対につかめない。

また意識というのは相手の自我ですか?それとも魂、エネルギー、そういったものですか?・・おそらくこういう質問自体が西洋かぶれなんでしょうね。。西洋人にはあうんの呼吸、間、気配を消す、などという感覚は理解できないですものね。私もついつい西洋に毒されています。。

ここでいう意識の変化というのは、「今、攻撃してやろう」というような、欲であり、意思であり、思い等の集合体です。

これを武禅の合宿でやるのですよね。

もちろんやります。
ここで難しいのは、「思う」ということと、「意思」ということの分別です。
もちろん、自分自身のことです。
簡単に言いますと、「私に向って下さい」というと「あなたに向っていると『思う』」になるのか、本当に「あなたに向うのか」の違いです。大方の人は、「思う」になってしまって、本当には向いません。だから、「あなたは私の前にはいない」という言葉になるのです。こういった究極の否定は、残念ながら西洋人に対しては出来ません。そんな考え方植えつけられていないので、すぐに壊れてしまうからです。だから、論理武装するのです。

ついでに論理武装というところで言うと、西洋人の論理武装は単に重箱の隅を突っついているにすぎず、大局的な論理にはなっていないのが殆どです。
例えば、

> また意識というのは相手の自我ですか?それとも魂、エネルギー、そういったものですか

というように、簡単に魂であるとかエネルギーという言葉を使いますでしょう。それは全く合理的ではありません。意識とは何か、は、未だ人類が解決していない言葉ですし、魂というのも、エネルギーというのも、正体不明です。つまり、論理を組み立てようとした時、その正体不明のものも、正体不明でないものと同等に扱うことは出来ません。それは論理の飛躍だからです。意識も魂もエネルギーも否定するものではありませんが、その言葉を用いる前にもっともっと具体的なことを積み重ね、解決していかなければなりません。


注)ここはガツンとやられるだろうなと半分予測していました(笑)。実体のない言葉をいい加減に使って議論した気になるのが西洋流で、私もわかっていない時には西洋人並みにこういうことを並べ立ててフリをする癖がついていますが、全くこのとおりです(笑)。

私は日本人の方が西洋人よりも遥かに論理的だと思っています。それは根底に自己否定が出来る民族、というのがあるからです。つまり、護らなければならないものは、最終的には無いという思想が根ざしているからです。

注)これ以降は、私が常々格闘しつつ敗退を繰り返す禅への領域。もう自分の底の浅さは丸見えです。どうせわかっていないのだからフリをすることもやめて、正直に、このわからなさ加減をさらけ出して、いずれこの続きを公開させていただきます。

これらは膨大な日野身体理論のほんの一部です。これでわかるのは、この理論を頭でわかった気になるのと修得するのは全く別だということで、これは今後寝ても覚めても24時間稽古が必要だろうということです。おそらく先生のおっしゃることを肌で感じて合点するのは来世の課題になるでしょう。「自己否定」を心理学用語と解釈してしまうとまた勘違いしてあさっての方向に迷い込むはず。いつも私が途方にくれる無あるいは空の境地のことを言っているのだと思います。ちなみに神風に代表される決死の姿勢をいうなら、それは得意でいつもやっています。武道に関して全くのど素人の私が礼もわきまえずこういう質問をしまくり、黒帯の方々の間にひとり混ざって道場破りをするのもその一つ。
2012. 04. 14  
そういえばフェンシングする熊にはフェイントが通じない、という、ハインリヒ・フォン・クライストの「マリオネット劇場」という本があります。

クライストは熊とフェンシングする羽目になって大きな発見をしました。つまり熊にはプリムーブメントがない。そしてこちらの仕掛けるフェイントに全く反応しない。それでいながらこちらの本気の動きには必ず即座に反応して剣はみごとにかわされ、全く太刀打ちできなかった、というものです。熊は彼と視線をまっすぐ交わし、そこに映るもの何もかもを見透かしたかのように、本気の突き以外では微動だにしなかった、と書いています。

日野晃という人は熊なのか。
理性に裏付けられた動き。ものすごい感性と客観性。でもそれらすべてを本能であるような動きに変えられる人。そしてもしかしたら相手の目にうつる魂のゆらぎを読み取って攻撃をかわしているのかもしれない。

ロルフムーブメントで最も大切なコンセプトの一つがプリムーブメント(動きの前の動き)=予備運動=の観察。これはロルフィング用語でトニックファンクションと呼ぶ身体に内在する重力への反応で、ある動きをするときにトニックマッスル(安定筋)=重力と折り合うための筋肉=がどういう反応を見せるかを観察するというものです。

ロルファーのケビンフランクによる解釈では、熊はクライストのプリムーブメントを読んだ、つまりフェイントの時は重心は後ろに残ったままだけど、本気の動きの時には、ほんのわずかだけど無意識な重心の移動があるのを熊は見抜いた、それは哺乳類に共通するフリと本気を見分ける能力だとします。でもこれはプリムーブメントを持たない人間には応用できない。。。もしかして熊は重心の移動でなくて、魂がそこに、その動きにあるのかどうかを見ていたのかもしれない。

クライストは本の中で、フリというのは魂、あるいは駆動力(vis motrix)が重心からはずれた動きのことだと言っています。重心のわずかな移動であるプリムーブメントのことを言ってるんじゃない、魂のゆらぎがそこにあるかどうかを言ってるのじゃないか、日野先生とフォーサイスカンパニーのあの正面向かい合わせの稽古でやっていたあのコネクトについて言ってるんじゃないかと思えてなりません。魂がいま、ここにあるかどうか。むしろこういうシンプルなことなんじゃないかと。

ところでクライストのマリオネット論は、ロルフィングの追求するものと共に日野身体理論に通じるものがある気がします。

どんなあやつり人形が理想かという質問に対し、微細なレベルで均整がとれていて、可動性があり軽やかなこと。そして重力と調和した配置であることと言っています。

まさにロルフィングのゴールです。。

クライストの面白いところは、操り人形の動きのほうがダンサーより優れていると言っているところ。人は意識してしまうと、わざとらしい、無様な動きになる。人形は思考する心がない分その動きは優美で軽やかで、自己形成を望むダンサーは人形から学ぶべきところがたくさんあると言っているところです。

ロルフィングと日野身体理論の共生のキーがここにある気がします。




2012. 04. 14  
マスメディアに頼るのをやめて以来、読む文章は慎重に選んでいます。活字中毒なのでこれはかなり厳しい訓練ですが、おかげでいろいろなことが前よりクリアに見えるようになった気がします。

私が必ず目を通しているのがやはりこの人船井幸雄。ピンとくる人やものがあったら、この人のサイトでチェックすると、大抵おもしろいくらいひっかかります。この人に紹介されていればとりあえずインチキじゃなさそうだ、と安心できる。日本人や日本の現状は嘆かわしい、というのが大方の心ある人の論調の中にあって、この人のサイトは希望の持てる話が多くて励みになります。本来は、ここに紹介されているような人たちに頑張ってもらわないといけない。日本人は怪しいものにすぐ引っかかる割には真実を語る人を疑う。マスメディアの狙い通りです。いつも凄いなと関心します。

今の時事問題は地球レベルの話です。キーはコネクト。他者を愛する。そして自分も愛するという心。おもしろいのは、最近何かのキーワードについて思いを巡らせていると、本当にものすごいタイミングでそのキーがあちこちから現れるのです。偶然はない、必然だ、というメッセージがどんどん加速と程度を増してきている。メッセージは最近本当に真剣で危機感に溢れています。

4月9日の「船井幸雄の今知らせたいこと」に直感力の養い方が書いてあります。
船井幸雄の今知らせたいこと
面白いのは船井幸雄は直感→知識とはせず、知識→知恵→直感の順序で知的能力を養えと言っているところ。なるほどと思います。知識と知恵をつける訓練をせずに直感に頼るのはただのアホ。知恵で終わったら単なる頭でっかち。私はアホに振れやすいので気をつけないといけない。。。
2012. 04. 12  
胸椎に思いを馳せる毎日。
ロルフィングでは実は骨のアラインメントに重点を置かない。これらはカイロプラクティカーにおまかせしています。ロルフィングにとって背骨はテントのスペーサーであって、支柱ではない。テントの帆布を支えているのはいつも互いに擦れあって動き合う内部組織だから。ロルフィングにとって、支えとして頼るのは内部の結合組織の一つ筋膜です。筋膜同士の引っ張り合い(テンセグリティ)は長年見逃されてきた大きな盲点です。

それでも単なるスペーサーであるこの背骨の様相による影響は計り知れない。

骨のずれはどこから来るか。なぜ起こるか。
整体の専門家に聞いたらそれぞれがそれぞれの最もな理由を言うはずです。ロルファーとしての私は、日常の反復運動や思いグセがある部分の筋膜の癒着を引き起こし、それが骨を引っ張って動かすと答える。骨が自分で歩いてずれるのではなく、骨のズレは引っ張られた結果であり原因は別にあると。だから整骨で骨は瞬時にもとに戻るけど、ひっぱっている要素が残る限り、3歩あるいたら元に戻るなどということが起こると。
(ところでなんで思いグセが筋膜の癒着を引き起こすのか、ということについては別の章で。)

ロルフィングでは胸椎のズレへのアプローチははもちろんダイレクトに背骨の調整もしますが、別の部分からの影響を考慮します。そちらがむしろ大事。

胸椎のずれはどこからおこるか。
どうも私はこの部分にはメンタルなものがとても絡んでいると思えてなりません。実際そうなんでしょう。この道20年30年のロルファーたちが、身体の歪みや痛みは感情からくると言っているのだし。だから解放する準備が出来ていた人は変化が早いけれど、メンタルなブロッケージを手放せない(手放したくない)人はすこし時間がかかる。

私たちには感情があります。これは誇るべきもので、排除しようなどと思わないほうがいい。ちょっと視点を変えてみます。睡眠という行為。

重力を重視して、日中立ち動いている間の重力との折り合いのゲートになる足首の調整に早期に乗り出すのがロルフィング的アプローチ。セッション2でこれに切り込みます。でも実は人間一日24時間のうち足首からの影響を受けているのはその3分の1もないはず。一日8時間も立ち歩いていない。そのほかの座っている場合の坐骨の様相に注目した骨盤調整で、座っている時間での重力との折り合いを補うのが足首を整えたあとのコアにあたる骨盤セッション。セッション6でここに到達します。

だけど、ロルフィングで盲点になっているところがあるとしたら睡眠かもしれない。一日の3分の1は寝ているのだから、これを日常の重要な動作に加えたほうがいいよなあ、といつも思ってきました。
重力の影響を受けて過ごす日中、感情をコントロールする日中のリセットを睡眠中にできれば、すごく大きなブレークスルーになるはずです。

以前から気になっていた西式健康法。コアになる金魚運動、毛管運動、合掌合蹠運動、背腹運動に加え、かまぼこ型の木枕を使って硬い平床で寝て背骨の調整をするというもの。
渡辺医院(東京)
西式甲田健康法(大阪)
NPO法人日本食養協会

健康のためには死んでもいいというくらいの気力を持って臨まないととても実践できそうにない内容に尻込みする人も多い元祖健康法です。断食については脇に置いておいて、まず睡眠について。

かまぼこ型の桐枕は、薬指の長さがサイズ選びの基準になります。それを首の後ろに当てて、一晩硬い床にずっと仰向けのまま寝るというもの。これは辛いだろうなあ、と今までずっと尻込みしてきましたが、でも頚椎~胸椎にかけての本人の意向(なぜそうなったか、なぜそうしていたいか)を無視した待ったなしの調整により、ある意味無意識下のメンタルブロッケージで解放ができない部分に切り込みを入れられるかもしれない。。。。

ロルフィング後、枕が合わなくなって相談を受けることが多かったのです。大抵枕がいらなくなるか、うんと低くしたくなる。ロルフィング後今までの枕で寝違えのようになって頭痛になったと、よく相談を受けます。

この枕をあてて、寝返り禁止、完全に仰向けで寝続ける(笑)
背骨は前後から見るとまっすぐ、横から見るとS字のカーブを描く形が正解ですが、これがいろんな原因で(遺伝、食生活、女性性と男性性の葛藤、歯科矯正etc)変則な形になります。本来前後にあるはずのS字カーブが左右に出てしまい、横から見るとまっすぐ、前後から見るとカーブがS字または逆S字になる側湾症。Sの出っ張り部分が極端に出てしまい(要するに猫背)うつ伏せ寝が拷問に思える後湾症、未亡人の瘤と呼ばれる、頚椎7番に出っ張りのあるタイプや、あるいはS字が消えて逆C字型になったりさらにはカーブがほとんどなくなってしまったような背骨もあります。前後にきれいなS字を描いている人はむしろ稀です。重度の側湾はやめたほうがいいでしょうが、普通の側湾症、狭窄症の調整はこれでいけるかもしれない。これに睡眠中足を3箇所ぎゅっと縛って股関節を整える磯谷式を加えたら?
磯谷式力学療法
ミイラも黙る最強エス。
注意しなければいけないのは、この枕を当てたばっかりにその後3年間半身がしびれたりすることもあるそうなので、身体のプロは気をつけなければならないということ。さもありなんと思います。ある意味とても乱暴な療法なので。究極の脊柱調整のためには長期のエスも厭わない覚悟ができた方向けです・・(そもそも3年もそれで耐え続け、それでも良くなっていると信じ続ける気力があれば、なんでも治るはず)

まずは自分で人体実験。実験結果報告お楽しみに。
2012. 04. 07  
胸椎5番に興味があります。心臓のツボにあたるここには本当に多くの人がパンドラの箱をしまいこんでいる。
良くまだ研究してないけれど、日野身体理論でも胸骨操作は要なようで、彼がここをどう料理してこの裏側にある胸椎5番を目覚めさせるのかは、私が彼から得たい一つのキーになると思っています。

胸椎5番の意識化と開放は本当に難しい。
実は一流ダンサーでさえ、ここにパンドラの箱を抱えているのを知って、とてもほっとしたのだけど。なんだあなたも発展途上なのね、と。日野先生だって、24時間365日体も意識も自由なわけじゃない。彼も痛みや疲れを感じるようだし。

フェンシングする熊は胸骨を意識していない。日野先生は胸骨を意識して無意識に動かす。
人間てめんどくさい生き物だと思う。感情の記憶があるから、ほかの動物のように本能だけで動けない。

頭を軸に途方もなく速くくるくる回ってしまうブレークダンサーに、やっぱり頚椎から鎖骨、肩甲骨、胸椎5番につながるものすごいストレスからどれだけ速く回復させられるかも今の課題です。常に怪我と故障と隣り合わせのダンサーに、でも体の大事をとってダンスをやめろとは絶対言いたくない。彼にとってダンスは人生だから。意識的な繊細な動作によるキーをなんとかみつけて、できるだけ長く思い切り踊って欲しい。どうも胸椎5番の開放へのキーが日野身体理論にある気がします。



2012. 04. 07  
日野晃が予備運動、ロルファーのいうプリムーブメントについて書いている部分をみて愕然としました

「日本人以外のダンサーには全員予備運動があって動きが始まるから、いくら動きが早くても早くは見えない。」


ええーっ。プリムーブメントのない動き!?私はロルファーとして人間が自由に動くための指導をするために、人間のプリムーブメントを見る練習を重ねてきました。予備運動のない動きをする人間、それを指導できる人間というのに出会ったのは生まれて初めてで、完全にショートしました。前提がちがっている。愕然としてYouTubeで彼の動きを探しました。たしかにプリムーブメント、ない。何度見ても察知できない。


武道では気配を消すことが大事だそうです。気配を出すと相手に察せられ殺されるから。一瞬で勝負がつくのは、そして倒された人が何が起こったのがまるでわからないのは、彼がプリムーブメントを消しているから。

実は彼のブログで確認する前に、私もこれについて衝撃の体験をしていました。これがプリムーブメントを消してるからだということはブログで確認して納得したのでした。

彼の腕を触らせてもらいました。触ればわかるから、と。するとトカゲがしっぽを切り離して逃げるみたいに、一瞬にして腕が彼から切り離された。いえ本人はそこにいるのだけど、意識で腕を切り離したように感じられた。えっなにこれ。こんな動きをする人はデータにない。根源的なショックを受けているのがバレたのかどうだかわからないけれど、本人も周りも当然のようにケラケラ笑っているだけでした。

実はこの日野晃という人を見て触って密かに感じていたのは、この方ロルフィング必要ない、ということでした。(ロルフィング紹介する場でこういう正直なことを言っていいのか。。。)ましてやロルフムーブメントなんていわずもがな。Idaがかつて、大勢の人をロルフィングして、「一人だけロルフィングが必要なかった人がいる。それはフレッドアステアだ。」といったことを思い出しました。身体のすべてのパーツ全部を自由自在に自分の意識下で動かせる人。(さらに彼は意識的に無意識に動かせる)

彼は小学生以来の腰痛ヘルニア持ちで、何年か前に右膝外側側副靭帯を損傷しているらしい(らしい、というのは彼医者嫌いで治療を受けていないので私の推察)。にもかかわらず彼の動きには制限がまるでなく、構造上も怪我の影響がまるでない。なにもかもが自由。

私はなにかいままで自分がとぼけた勉強をしてきた気がして愕然としています。こんな人いるのか。いていいのか・・

今言えるのは、私はこの夏予定していた某有名な先生のムーブメントのワークショップをキャンセルし、なんとかしてこの夏日野晃に弟子入りすることを最優先にするということです。書いてしまって退路を断っておきつつ、日野先生に絶対夏にワークショップ開いてくれと脅しをかけます。夏までに日野先生の著書を全部読破して、このショートし切った回路を全部質問で埋めておく。どうせこの人生で学びきれるレベルのことではなさそうなので、体得しようなどとは思っていないけれど、片鱗だけでもつかめればと思っています。世界中に1600人いるロルファーにもいずれ紹介しないといけない。私たちトボけたことやってる場合じゃないと。ちなみに同僚にこの衝撃体験を知らせたら、彼もびっくりして是非弟子入りしたいと申しております。

この日野晃という武道家から習得しきった人は何もかも必要なくなります。。。丸太を足に突き刺して大量出血しても川でちょっと洗ってひと針も縫わずサラシ巻いて治す。ぎっくり腰の発作がでてもサラシ巻いて絶対普通に動き続ける。それで治す。実は彼病気も直してしまうんですが、それが私が密かに訓練してきたことと酷似していてびっくりしたのですが、また別の章で。

ロルフィング紹介するブログだったのよね、これ。。。


2012. 04. 06  
やっぱり今日も日野晃とフォーサイスカンパニーのお話。

フォーサイスカンパニーのダンサーが特別に見えたのは、彼らが追求しているものが、たんなる身体能力の発展でなくて、魂や霊力の鍛錬だということがわかったから。そしてこの人たちが特別な愛情を持って師としているのが日野晃だから。彼らは何回も人生をやらないと到達できないような霊性に到達してしまっているような彼にそれを見出し、彼を通してそれを真摯に追求している。彼らの練習風景を見て美しいと感じたのは、そこに流れるのが求道の精神だったから。

このフォーサイスカンパニーと日野晃を結びつけたのが、日本人として初めてこのカンパニーに大抜擢された安藤洋子さん。彼女は最初自分がここに招かれた時、場違いに感じたそうですが、ウィリアムフォーサイスの意図は、彼女をこのカンパニーに染めるというより、むしろ真逆だったようです。そしてその意図は見事に成功しているように見えます。彼女は日野晃の通訳をしながらほかのダンサーをリードしている。

安藤洋子さん。小柄なのに彼女の存在感は際立っています。目が綺麗で強くて、凛としている。彼女はいわゆるバレリーナに代表されるようなダンサーの身のこなしとまるでちがって、袴を履いたら様になりそうな歩き方(笑)。ご本人も「道」のつくものに進みたかったとおっしゃるように、武道家日野晃と安藤洋子、なるほど、という組み合わせです。

昨日の日野晃のブログに、私も見学していた正面向かい合わせの稽古についてが書かれています:

胸骨操作で全身を目覚めさせ、その後「センター」という呼び名が定着した正面向かい合いだ。
とにかく徹底的に向かい合う。
外国の人達は、一件得意そうだが、実は芯に弱い部分があるから苦手なのだ。
だから、防御の言葉がたくみだ。
それを否応なく取り払う。
正面向かい合えた時の静けさ、美しさを体感してしまえば、防御のクセを無くしたくなるのだ。
2時間も続ければ、全員ダウン。
疲労困憊というところだ。
それでも、若手は食いついて来るから面白い。
しかし、この正面向かい合いは、センターという技術だと捉えているが技術では無い。
技術だとしても精神と同調した技術だ。
だから、自分の芯に触れていかなければ、クリアなセンターにはならない。
自分の芯に触れていく、ということは精神が開かれていくということだ。
だから、好き嫌いを超えて多くの人と関われるようになるのだ。


外国人は芯に弱いところがあるから防御の言葉が巧みだ、というところには深く頷きました。生になること、剥き出しになることに多くの外国人はおそらく恐怖があって、言葉で防御する。彼らの中にいるとそれをすごく実感します。かくいう私もそういう理論武装のトレーニングをせっせと積んでいる・・。

人と正面に向かい合えた時の美しさと静けさを体感してしまえば、防御の癖をなくしたくなる。そしてそれには自分の芯をまず見つめて開くことが前提。。。ってこれ、人間関係そのものじゃない、と思います。恋愛だともっとあからさま。自分のコアをおそるおそるのぞく。そこに偽りや迷いがあると、まずそこでつまずく。自分の芯ととことんむきあってそこにあるものを確認したら今度はそれを思い切って開いて相手に向ける。真正面から向かい合う、ていうのは、逃げ道を断っての丸腰。凄い練習だなーと思います。逃げと拒絶を許さない濃い世界。私も是非だれかとやってみたい。
2012. 04. 06  
衝撃の一日でした。
コンテンポラリーダンスにおいて世界をリードするフォーサイスカンパニーが毎年招聘している、世界的に活躍する武道家日野晃によるワークショップを、ラッキーなことに見学させていただきました。

このフォーサイスカンパニー、一度公演を見て、わけがわからないけれど妙に深く惹かれるものがあって、きちんと言葉にできないけれど魂がゆさぶられる、私の琴線にひっかかるものを感じつつやっぱりわけがわからず、今日このワークショップを覗いて、彼らがなぜこんなに魅力的なのかわかりました。

彼らの追求しているものがコネクトだということがわかったから。
それがまさに、日々私が別の形で追求しているものだったから。

私は武道もダンスもからきし門外漢なので、わざとダンスや武道の知識をいれず、
私が素人として感じたことそのままを書きます。

このカンパニーのダンサーは世界でトップレベルのダンサーとしての実力をもっていながら、私から見たら見せ場をあまり用意してもらえない。ダンサーならソロを踊るところはもっとも息を飲んで見つめてもらいたいだろうに、途中で観客が席を立ったり、別のダンサーや仕掛けに気を取られるように、意図的に仕組まれてる。ダンサーには残酷。観客には欲求不満。でも、これが全体としてみると、全員がひとつの有機体の細胞としてくまなく機能してるのです。最初はかく乱されるけれど、この人たちは何か別のものを見せようとしているとじきわかってくるのです。ダンサーたちも自分の踊りの技術を見せたがるというより意識が別のところにあるようで、注目されないことに慣れているようでもあって、おそらく「俺様」的な人が多いであろう(すみません)ダンサーたちに何故それができるんだろうと不可解だったのですが、彼らの目指すところがこのコネクトなんだとわかって腑に落ちました。彼らが私たちに見せているのは身体というよりその身体を借りた魂の部分だったから。そして私たちの魂はつながり合っている、という大事なテーマを体現していたから。

このダンサーたちが圧倒的だと思ったのが、一人一人が即興も含めた別々の動きをしながら、一つの有機体に見えること。一つの有機体で同じ心臓の鼓動と同じ呼吸のリズムで動いているみたいに見える。今日も練習をみながら,見えないはずの位置に立っている人と同じ呼吸で動くのに驚きました。そして何より驚いたのが、少なくとも私のいた1時間、彼らは休みを取らずにずっと集中しつづけていたこと!一瞬の隙をつかれないように集中し続けるのが武道だとしたら、そんなの何分も持つわけないと思い込んでいた私には衝撃!!!!

そして、おそらくこの彼らのパフォーマンスの土台になっているのがこの日野晃という人なのです。何も知らず、著書もまったく読まず、丸腰でお会いして、お話させていただいて、完全に殺られたというか、なんといえばいいのか、私の一日は終わってしまいました。やることいっぱいあって1時間も無駄にできないはずだったのに、もう頭は完全に伸びきってしまい神経はショート状態、でも細胞部分が覚醒して、夜中の2時なのに眠れません。

私がこの人生で求め続けているもの、いろんな人から習って自分でも探っていること、そのキーワードが、この人一人からポンポン出てくる。いえ、言葉で出てくるんじゃなくて、身体が、魂が、動きが、語る。すごかった。。
私が師と崇める人何人か分を一人でやってしまっている。

真実を知りたい、自分を、人をまるごと抱え理解して、そして私たちは一つなんだということを伝えていきたい、となどと大それたことを思って来たけれど、私の理解なんてぜ~~~~~んぶ頭でっかちで知識と空想の域を出てないんじゃないかと思ってしまいました。この人には本当に見えている。そして体現している。

自我(小我)との折り合い。武道の体現するもの、そしておそらくフォーサイスカンパニーも追求しているもの。そして、小さな私も必死で格闘しているもの。今年のスケジュールはいっぱいいいっぱいで、オーバーキャパというイエローサインがチカチカしてますが、でも一方でこれは必然という気も。。なにせ、ロルフィングが今までの私を統合するものだと思ったのに、さらにそれとヒーラーとしての私を統合するものがここにあるから。日野先生、近々弟子入りさせていただきます。。拝


日野武道研究所

The William Forsythe Company
connected.jpg
プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

・・・・・・・・
ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

・・・・・・・・

内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

・・・・・・・・

・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
+49(0)6171 279 0088

・・・・・・・・・
2017年冬 東京セッション
12月27日(水)〜1月3日(水)


2017年 直傳靈氣講習会(フランクフルト):

前期10月20日(金)14:30〜18:30
  10月21日(土)9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
後期10月20日(日)9:30〜16:00
        
      
直傳靈氣交流会(フランクフルト)
10月23日(月)16:00〜18:00

ホメオパシーについて語る会
10月18日(水)14:00-17:00
内容
ホメオパシーとの付き合い方:
ーファーストエイド
ーミニコンサルテーション
Abby Takarabe, Peggy Bideホメオパスを
聖地スワジランド、オーストラリアから
講師にお招きします。

参加費用:
50ユーロ

タロット講座

10月23日(月)
13:00−16:00

講師:大塚英文さん
受講料:60ユーロ


参加お申し込みを受け付けております。
.................

Profile:

Takami Kamata

Certified Advanced Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

rolfertakami@gmail.com


........

カテゴリ
Q&A (1)
検索フォーム
カウンター
カレンダー
03 | 2012/04 | 05
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -
読者登録する


提供:PINGOO!
QRコード
QR