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2013. 07. 27  
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」読了。

やっぱり、村上春樹はストーリーテラーとして、一級だなあ、と素直に感動しました。いつからかいろんなことを深読みする年齢になって、舞台裏に関心がいって、素直にストーリーそのものを楽しめなくなって久しい。でも久しぶりに彼の小説を読んで、ああやっぱりこの人うまい、一流の小説家だ、と思いました。

一度読んだあとに、2度、3度読んでも、毎回新しい発見があるような本。どのページにもその作家のエネルギーが充満している本。自由に展開しているようで、細部に至るまでその作家がその世界に破れがないよう、細心の注意を払っているのが分かる本。私の好きな小説、てこういうものです。小説書くとき、その世界にのめり込みすぎていると独りよがりで、離れすぎていると評論家のようになってしまう。ある意味指揮者みたいな感覚が必要なんだろうと思う。書くの難しいと思います。

シェイクスピアや夏目漱石(などはもう完全に神の御技の領域なので、私が何かをいうなどおこがましいけれどあえていえば)、太宰治とか、荻野アンナとか、ストーリーテラーとしての職人技に、うまいなあ〜〜〜、と思う人はたくさんいます。技を超えたところにいるのが、例えばガルシアマルケスの「百年の孤独」とかエミリーブロンテの「嵐が丘」。これはもう「降りている」としかいえない感じの世界。

ものかきって、その人のエネルギーを言葉で保持している。現代アメリカの人気作家などは、こうやれば大衆が喜ぶ、というのを熟知したストーリー展開で、ダビンチコードの著者などは、ああいう内容をどうしてあんなにハリウッドにできるんだろうと思うくらい、その計算が随所に透けて見えてうんざりします。彼らにとって言葉はあくまでもメディアで、言霊の存在すら知らないのではとさえ思う。私はあいまいな日本語を使いこなせる日本人でよかったとつくづく思います。もっとも村上春樹って、どこか英語に近い文体ですが。訳されてもあまり彼の世界が壊されないので、外人に受けるのかもしれない。ご本人英語が堪能なので、そこまで意図してるかもしれない。源氏物語などは、絶対英訳できない。(英訳されたの知っていますが、原文のエネルギーはやっぱりなかった。)日本の和歌や俳句も、やっぱり難しい。

話それましたが、村上春樹って、物書きという職人として、やっぱりすごい。あるメソッドの創始者が人間的に優れている必要は必ずしもなくて、村上春樹は村上ワールドの創始者として、これを貫けばいい。私はノルウェーの森を読んで、彼はこれ以上先にはいけない人だと勝手に見限って興味を失っていましたが、多崎つくるに、ノルウェーの森の「僕」の先を見た気がする。他者と関わって傷つくのを怖がる、現代のネット世代の若者に対する応援歌かもしれない。村上春樹がこんなに素直に主人公に弱さとかベタな感情を語らせるのって新鮮で、彼のつくるくんに対する愛にあふれたまなざしまで感じたりして、驚きました。今までは、肥大した自意識が鼻について仕方ない「僕」と、登場人物が何人いようとモノローグにしか聞こえない会話、そして凝った構成が、村上ワールドと思っていたけれど。今回構成はむしろすごくシンプルで、でも小説の大家らしい見所もたくさんあって、むしろ質のいい古典小説を読んだみたい。残念ながら今回も、「恋愛」が描かれる前に話が終わってしまったけれど・・。

「色彩を持たず空っぽ」 で自分に自信がない主人公の多崎つくるくん。これでもか、というくらい、大事な人に「切り捨てられ、置き去りに」されて、傷ついたその傷口からいまでも血が滴っているのを、決して他者に知らせず自分でも封印してきた彼。この封印は私がノルウェーの森を読んで、主人公の「僕」に感じたことで、村上春樹自身に感じた事でした。ご本人は絶対否定するでしょうが。偶然昨日のブログに書いてしまっていました。

傷口は、封印では癒せない。

まだ血が滴って、膿んでいるのを、むりやりガーゼを引きちぎって、尚更ひどくさせよと言っているのではありません。そこを弄くり回し、苦しみを何度も苦しむのがトラウマの負のスパイラル。これをやれと言っているのでは断固、ない。でも必要な時間を経た後、この傷は治癒させてやらないといけない。封印し、存在を否定していては、その傷から学べない。経験しきれない。

私が関心のあるのはここで、心の傷を癒すプロセスを手伝いたい、それを安全に、システマティックに、プロフェッショナルに、ということでたどり着いたのが、クラシカルホメオパシーであり、ロルフィングであり、ホメオパシーであり、Somatic Experiencingだったわけです。

つくるくんが自分のなかの封印に気づいたくだり:

ーそうしているうちに、身体の中心近くに冷たく硬いものがー年間を通して溶ける事のない厳しい凍土の芯のようなものがーあることにふと気づいた。それが胸の痛みと息苦しさを生み出しているのだ。自分の中にそんなものが存在する事を、それまで彼は知らなかった。
 でもそれは正しい胸の痛みであり、正しい息苦しさだった。それは彼がしっかり感じなくてはならないものなのだ。その冷ややかな芯を、自分はこれから少しずつ溶かして行かなくてはならない。しかしそれが彼のやらなくてはならないことだった。


ここです。ここに、あります。ここからが始まり。村上春樹がこういうことをベタに書く人とは思っていなかったので、ここを読んで村上春樹に対する見方が180度変わりました。応援したい、と思いました。つくるくんに対するまなざしで、ぜひこれからも世界中の読者にむかってこのあたりを正しく掘り下げて行っていただきたいと思いました。

ところで、村上春樹の小説にたいてい出てくる「死」。どこかイコンのようで、ノルウェーの森の「直子」を連想する「シロ」の死因が悪霊、ということで、たまたま吉本ばななが、悪霊の存在を断言していたことが気になっていたのと合わせて、この偶然にびっくり。村上春樹と吉本ばななに、是非悪霊対談していただきたいです。私はいつも情報に疎いので、もうどこかで行われているのかもしれませんが。
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2013. 07. 26  
日本みやげの3冊の本。気軽に読み始めた吉本ばななの「健康って」を読んで、あまりにも私の関心ばかりを見事に集めた本だったので、衝撃のあまり取り落としそうになって、2晩で一気読み。

一冊の本にされている。これが全部、ひとくくりになっている。ちょっと強引にまとめあげた感はあるけれど、一人の人間の興味が、ここまで私の関心と合致しているこの事実が衝撃で、発行が2年前だったことになおさらショックを受けた。これらがすでに一冊にまとめられている事、全然知らなかった。。

日々嫌になるくらい「健康」「人間」「治癒」について自問している私が、何故この本をスルーしてきたのか不思議。この本で紹介されているクラシカルホメオパス、しかも私が極めたいと勉強中のサンカランのセンセーションメソッドでセッションしている勢籏(せはた)孝代さんに、ばななさん親子が通っているらしい、ということが分かりびっくり。日本にはカウンセリングを受ける文化が浸透していないし、ホメオパシーカウンセリングは本当はかなりの知識と修練の必要な技術なのですが、国を挙げて何かと科学的裏付けのないインチキと目の敵にされているのを残念に思っていたところでした。

勢籏さんのインタビューは本当に本当に楽しかった。ホメオパシーの神髄をさらっと語ってくれている。私も常々感じるセッションの内輪話も。もっともっと彼女のインタビュー聞きたい。これだけで一冊の本にしていただきたいくらい。途中いきなりアドリブでセッションを思わせる切り込みが出て来て、そうそう、と手に汗握りました。あの辺りをもっともっと収録してほしかった〜。日本語でできるし、いつかお世話になりたいと思いました。

「妄想から病気の原因を探る」というタイトル。確かにセンセーションメソッドはそういうアプローチです。私だったらもう一つ「身体感覚から病気の原因を探る」と付け加えますが。

クラシカルホメオパシーは、プラクティカルホメオパシーでは非現実的だと否定しているケントの処方を基礎にし、すべての症状を総括する根本原因を探り当てることを目的にします。その人に最も寄り添う近似値を探るために、いまの症状とは全く一見関係ないかに見える部分を深く掘り下げて、無意識の根本要素を浮き彫りにします。ケンティアンは心ばかり偏重しすぎると言われていますが、そして確かにそうだなとも思いますが、顕在意識に封じられた潜在意識の引き起こす悪さは計り知れない。抑圧社会に生きる日本人は、本人も無意識の心の問題を抱えている人は限りなく多いです。

ところでばななさんの、「病気と悪霊」についての見解。私たちは誰もが正負の両方を内側に持っている生き物だから、それぞれがネガティブな想念とかアポトーシスの要素を持っていますが、悪霊というとなにか自分とは別のものに悪さをされるというイメージを持ってしまう。ネガティブなものは言いようによっては悪霊と言い換えられるでしょうが、これが自分以外のものが自分を侵す、というと、ややこしい世界になる気がします。自分の中の悪霊を見つめる作業がむしろ大事かなと思えます。低次元の霊界にはあまり関わらないほうがいい。

大内雅弘氏の、「健康は病を含むダイナミズムを持つ」
これ、最近わたしがやっと実感で分かって来た事です。実は私、病気を、いけないものとして捉えていました。いけないことで、治さなきゃいけない事。だから、病気になるのはどこかが間違っているのだから、どこかに責められるべきもの、正さなければならないものがある、という考え方。

すごく尊敬している野口整体の野口晴哉氏の「病む事そのものが力で、そのプロセス全部が健康」というのが、なるほどと思いつつも実感として感じられずにいました。

食養も宗教も、中庸をめざすものだから、健康に関しても、調子がすごくよかったり悪かったりするその振り子の振り幅が大きいのはいけない、とどこかで決めつけていた。でも、それは実は大きな間違いで、健康にはダイナミズムが必要、つまりこの振り子の振り幅があってもいいんだ、季節ごとに大風邪引いたり、定期的にぎっくりになったり頭痛になったり蕁麻疹がでるのをデトックスと楽しむのと同じように、大病や難病、不治の病と言われるものでも、この振り幅に含まれていて、これも健康のダイナミズムのひとつなのだ、とわかったのは大きな変化でした。

大病、特に若年の癌などは、闘病する本人はまず自分を責めてしまう。癌はそもそも霊的には自己否定を意味します。自分を虐めてしまうエネルギーが根底にあって、根底にこのエネルギーがあると生命力がどんどん低下するので、ある臓器がそのエネルギーを一手に引き受けて犠牲となっているという構図。だから、癌と闘う、という一般の治療方針は根本が違っていて、最初にやるべきなのは自己肯定。癌も含めた自分を受け入れてあげることがなにより大事なのです。

癌になる人はどこかで自分を認めていないところがあって、発病しても、自分の身体をいたわるより他の人へ迷惑を欠ける事を気にしてしまったり、申し訳なく思ったりして、やっぱりここでも自分肯定がぐーっと下位に押しやられてしまいます。

なんでこんな事を持ち出したかというと、癌になったら、癌になった事を責めるのでなく、この大きな振り幅を全部ひっくるめてこれが健康だと、だから健康に癌を生きる、という道があると知ったからです。若年のがん患者は、本人より周りが辛いのが申し訳ないと言います。病気そのものは、気づきのプロセスとして楽しむ事もできる。寿命をどう終えるかは自分の選択のひとつで、寿命を、癌で終えよう決めている人もいる。癌を悪いものと捉えると、そこで癌を健康に生きる事が出来なくなってしまう。大病、不治の病、これも健康のダイナミズムの一つ、と捉えると、全然気持ちが変わってくる。

31歳で乳がん発症から壮絶な闘病生活を送って来られたるなさんの「奇跡を生きる」という闘病記には光があふれていて、この魂の成熟度に頭が下がりました。彼女などは、健康に病を生きる、お手本として、選ばれた人としか思えない。すごい手記だと思いました。。並の精神力では全くない。本当に考えさせられました。

安田隆氏の「とりあえず口を開ける」
これは身体や心のさまざまな問題を、実際に顎関節を緩めて咬筋を緩めて解決する(?)というもの。努力をせず、頑張った人のものを頂く(他力本願でお任せする)というメタファーがあるようです。この咬筋と顎関節は、ロルフィングをやっていてどれだけ影響力がある箇所か実感しているので、面白いなと思いました。

吉本ばななさんの旦那さんである田畑さんについてのインタビューは言わずもがな。ロルフィングのことについてたくさん話してらっしゃるので、是非お読みください。
ロルフィングの根本方針
・全体論的に見る
・サポートを充実させる
・空間的な広がりの調和をとる
・適応性を引き出す
・完結する

これ、ちゃんと守れてるか??改めて突きつけられるとぎくり。額に入れて貼っておかないといけない・・・。

2013. 07. 25  
ここ2年、7月は絶句する月となっていて、リハビリに時間がかかります。今年は恐ろしいほど核心に触れる出会いや言葉を立て続けに受け取っていて、あまりにも色々な人から同じメッセージを受け取るので動揺して落ち込んで感謝して・・まだ、プロセス中です。

今回の日本への一時帰国は特殊だったせいで、買い物に全然行けず、2つの巨大スーツケースの半分がガラガラで帰ってくるという前代未聞の体験でしたが、そんな中でもプレゼントやリクエストで手に入った本が三冊。
吉本ばなな著「健康って」
友人からのプレゼントで
姜尚中著「心」
村上春樹「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」


「村上春樹を読むと精神状態が悪くなる」という友人(笑)が、20年ぶりに禁断を破って買ってしまったという村上春樹。最近は医学書と専門書ばかり読んでいる私にとって、村上春樹は麻薬で、読むとデカダンに陥って現実が嫌になる、キケンな本。一見クールでカッコ良くみえる「僕」は、私から見たら生身の人間と現実に向き合う事を諦めて逃げているとしか見えなくてムカムカするので嫌いなのですが、なにせ感性の宝庫だし、筆力に持ってかれてつい手に取ると一気読みしてしまう。要するに理性ではノーなのですが、心では好きなのだと思います。

手に取って帯を見たら、「ある日ふと思い立って、どんな展開があるのか・・何も分からないまま書き続けた」という本人のインタビューの言葉をみておやっと思いました。この人、こういう書き方する人とは全然思っていなかったので。友人が「昔フタをして見ないようにしてきた過去とちゃんと向き合わなければ新たな一歩は永遠に踏み出せない・・というお話」と紹介してくれて、たまげた。え、この人がこんな素直な事するなんて。この人はいろんなことを封印している人だと思って来たので、興味が出て来てしまった。今夏休み中ですこし余裕があるのでサボって来たホメオパシーを集中して再開しようと思って来たのに、ちょっとまた逸れそう。。たぶん明日は村上春樹の日。




2013. 07. 20  
ちょっと日本を離れていると、別の視点で観察できるようになるのですが、今回日本に行って感じた印象。・・暑い。身の危険を感じる暑さ。もはや日本は亜熱帯。コンクリートと冷房でますます暑くなる都会には陽炎が立っていて、ここに立つだけで寿命が刻一刻と縮んでいる気になる。太陽風の影響もあるようですが、これは普通の暑さじゃない。この酷暑のなかできちんとメークをしてきちんとしたスーツを着て日中働く気になるだけで、既に世界的に凄い事だと思います。

一方残念なのがスマホの影響力。これはスマホが出る前から予測はされていたのですが、改めてその破壊力を目の当たりにして、暗澹とした気持ちになりました。取り込まれ過ぎ。電化製品が断然遅れているドイツと較べるからよけい感じますが、国中がメカ優勢で電磁波にコントロールされてるみたい。以前よく聞いた駅のアナウンス:「車内での携帯電話のご使用は、他のお客様のご迷惑になるのでお控えください。」が、いまは「ホームを歩きながらの携帯電話のご使用は、危険ですのでお控えください。」に変わっていて驚きました。何でも混んだホームで画面に目が釘付けのままフラフラ歩いて線路に落ちる人が多いのだとか。普通外国だと駅って悪い輩がウロウロする最も危ない場所。とてもそんな隙だらけのことできる所じゃない。今年は見かけなかったのだけれど以前は車内でお化粧が一つの文化になっていたし、流行は変われど日本では駅も電車も公共機関とみなしていない人が多いのがありありで、日本は安全なんだ〜、と妙に感動しました。

スマホの影響力その2:人と向き合う事が減って、会話が減っている。電車に乗っても、会話があまり聞こえない。車内で電話をかける人がほとんどいないだけなく、連れ立っている人々がなんとそれぞれ自分の携帯でメールやらゲームをしていて、目の前にいる仲間やら恋人とほとんど話をしていない。(これ、車内だけでなくて、至る所がそうだった・・・)え〜〜、あなたたち、なんで会ってるの!?と思わず口出ししそうになりました。

スマホの影響力その3:気配り、配慮が減っている。電車の降り口に足を踏ん張ったまま画面のタッチパネルと格闘して人の流れの邪魔になっているのに意地でもどかない若い女性。私が電車に乗り込むときにちょっとその人に触れてしまったらその倍の力で押し返され、その悪意にちょっとムッとしてどんな顔してるんだこいつ、と顔を覗き込んだら敵意むき出しでにらみ返された。その目には完璧なメーク。見ると割と混んでいると思った彼女の後ろはがらーんとスペースが空いている。こういう日本人、以前はあまりいなかった気がするのだけれど・・。

スマホは電磁波だけでなく、マインドコントロールが怖い、と久しく言われてきましたが、確かにこれは魂抜かれる。思考停止、個人主義を超えて自閉症化。明らかに1年前と較べて急激に人々が変わった気がします。スマホ、要注意だと思います・・。

もっとも道徳指導員と化した車掌さんのアナウンスとか、飛び込み防止用のフェンスの存在とか、列の最後の人を電車に押し込むのが専門の駅係員の存在とか、外人が絶対迷うように出来ている駅構造ゆえ困った外人に道を聞かれ、あまりの複雑な説明に舞い上がり期待に添うことができず落ち込んで英会話教室に通いはじめる善良な市民の存在とか、駅で人を観察するだけで日本社会の縮図が見えるような。外国人に日本を紹介するにあたって、駅の様子を描写すると本当にみんな一様にものすごく驚いてくれます。。

2013. 07. 06  
とても不思議な事に、この一週間セッション7(頭蓋骨ワーク)が立て続けに続いて、9割がセッション7、という変わった一週間でした。途中でこの「偶然」に気づいたころ、このスペースに異変が。(・・ここには書けません。)

同じセッション7といっても、クライアントさんが100人いたら100人に別の事をします。毎回その方に繋がるまでは何をするか、何が起こるか全く予想できません。もちろん最初のコンサルティングでクラニオワークに必要なデータは頂いているし、体軸のテストや骨盤のチェック、顎関節のチェックはしますが、事前のデータやテストの査定による予測が必ずしも実際のワークと結びつかないのです。つくづく解剖学の知識に頼ってはいけない、と痛感します。これからSEトレーニングで長くお世話になるPedro Pradoも、30年のキャリアを持ってしても毎回クライアントさんを前に「さあ、これはなんだ」と思うそうで、この言葉の含みには深く頷くところがあります。

この一週間、クラニオワークを集中的に行って改めて感じたのが、鼻のワークの重要性。鼻のワークでは手技としては脳の中枢神経に最も近いところまでアクセスする、ロルフィングの売りでもありますが、人が過敏に反応する場所でもあるので、ロルファーによってはオプションにする人もいます。でも私からするとこれを省くのは本当にもったいない。私こそ、顎関節症の手術、鼻の手術、抜歯を含む2回の矯正、と頭蓋骨のトラウマをたくさんもっていて、鼻のワークに抵抗を感じる人間の一人です。

鼻のワークについてこの一週間かなり色々思うところがあって、いつかまとめて書く事もあるかな、と思っていたところ、一ヶ月前にセッション7を受けたTさんからこのタイミングで体験談をいただきました。ご本人の了承を頂いてシェアさせていただきます。

今更ながらのロルフィング7回目の日記。

6月10日に、約1か月振りにロルフィングを受けてきました。

本当は、6回目のセッション1週間後に予約を入れていたのですが、あまりにも心身共に不安定になっちゃって(今までの私をばっさり否定されちゃったもんだから 笑)、一旦予約を取り消しました。

その後、仕事やら色々忙しくなり、ロルファーさんとの都合が合わず気が付いたら1か月弱空いてしまいました。

そして、もっと早く予約を入れ直すことも出来たのだけれど、ずっと踏ん切りがつかず、先延ばしにしてました。

7回目のセッションは、口の中、そして鼻の中を触るから!!!

口の中はともかく、鼻って。。。

鼻の穴の中を他人様に指を突っ込まれるなんて、思っても見なかったし(笑)

そして私、小学校低学年の頃、毎日鼻血を出す子でした。

酷い時は、1日に数回、突然つーっと鼻血が出て来るの。

そして1度出たら止まらなくなる。

先生が心配して、学年が1つ上だった兄のクラスに連絡し、一緒に帰宅させる事もありました。

そして耳鼻科へ連れて行かれ、バーナーを突っ込まれ、焼かれた過去があります。

勿論麻酔なし、強烈な痛みでした。

それ以来、何が何でも鼻は人に触られたくない部分!

(こうやって書いてみると、私はトラウマや急所、いっぱいあるな 笑)

そんなこんなで重い腰を上げて、ロルファーさんに予約の連絡を入れたところ、

ちょうどタイミング良く、私が希望していた日の希望していた時間に

キャンセルが出たと言うではないの!!!!

もうこれは何かに導かれているに違いない!と一人盛り上がってしまいました(笑)

ロルファーさんには、セッション直前に正直に怖いという気持ちをお話しして、

納得したうえでセッションを受ける事が出来ました。

ゆっくりとゆっくりと、じわじわとロルファーさんの小指が奥へと入ってくるのだけれど、

こんなところまで?という位、未知の領域へとずんずん進んでいきます。

そして自分の鼻の穴はまっすぐではなく、くねくね曲がっている事も初めて知りました。

流石にこれ以上はいけないだろうって思っていたら、

稲妻のような、何とも言えない衝撃が眉間の辺りに走りました。

ずっと人目につかない森の奥に隠して、封印していた扉を開けられたような感覚。

そして、何故か泣きだす私。

理由は分からないのだけれど、とにかくわーっとこみ上げてくる感じ?

「やっと、やっと見つけてくれたー!!!」って言えば良いのかな?

心と頭(眉間)が繋がった感じ。

今回は、スピリチュアル的な感想になっちゃったけれど、

きっと何かあったんでしょうね、私の身体の中で。

でも、個人的にはスピリチュアルって言葉、あまり好きじゃないし、

摩訶不思議、オカルト的?に捉えられたくないから、使いたくない単語なんだけど、

他に適切な言葉が見つからなかったので、あえてスピリチュアルって言葉を使いました。


私もスピリチュアルという言葉にはとても慎重で、ロルフィングを神秘という聖域に持って行かないように気をつけている一人ですが、Tさんの体験談には、スピリチュアルなニュアンスより、正確さを感じました。

心と頭(眉間)が繋がる。」

これは解剖学的に言っても、ロルフィングのセッション7の意図そのものなのです。

ロルフィングのセッション7でとても大事なのが蝶形骨の開放。

頭蓋骨の中心に位置して大脳の前頭部をのせる蝶形骨は、筋膜でダイレクトに横隔膜に繋がって、連動しています。(以前もここに書きました。)ロルフィングでは重力ラインを水平に横切る骨盤、横隔膜、蝶形骨などの連動をことのほか重用視するのですが、セッション7では、蝶形骨の開放によって、蝶形骨の上に乗る脳(頭)と横隔膜の上に乗る心臓(心)を繋げます。頭セッション4から始まったコアセッションの総仕上げとして、蝶形骨→横隔膜→骨盤、と繋げます。

蝶形骨の上に乗る脳(頭)と、横隔膜の上に乗る心臓(心)は、自由であれば本来連動して動くものです。呼吸による横隔膜の上下が、同じように蝶形骨を上下させる。(蝶形骨と骨盤は、脳脊髄液によるまた別のリズム、エネルギーの世界ではまた別の振動で連動しています。)

これ、ものすごく大事な事なのです。蝶形骨と横隔膜が連動するという事実。蝶形骨が骨盤と連動するという事実。

蝶形骨の制限というのは、耳鳴りや偏頭痛といった症状に関わるだけでなく、自閉症や自律神経失調症と呼ばれる数々の疾患に関わっている事が明らかにされています。また、私も最初は繋がりに驚いたのですが、腰痛や座骨神経痛にも深く関わっている。これはいずれ項を改めてクラニオセイクラルかStephen PorgesのPolyvagal theoryの項で書こうかと思っています。

蝶形骨の緊張は筒状になった筋膜を通じて、気道、食道を通過して横隔膜に達し、横隔膜を緊張させます。横隔膜が緊張すると呼吸が浅くなって副交感神経優位になり、身体の力がどうしても抜けない、疲れがとれない、眠りが浅い、などの状態になるだけでなく、横隔膜そのものは肝臓、腎臓、肺、心臓、膵臓(5行では脾にあたる)に隣接しているので、要するに中医学でいう5行すべてに影響する。5行の臓器が横隔膜の上下にすべて集まっているのは示唆的です。中医学は要するに気学で、根底にはどうやって流れを取り戻し、生命力を蘇らせるか、ということを追求しています。

この5行すべての流れを滞らせる横隔膜の制限、そしてそれに関わる蝶形骨の制限がいかに重大か、お分かりになるでしょうか。

また中医学では、5臓にそれぞれ怒・喜・思・悲・恐という感情を当てはめています。要するに、蝶形骨が制限されると横隔膜の動きが制限され、感情の動きも制限される。現代人が頭(脳)と心(心臓)を切り離し、自分の感情を理性で抑えようとしたり、自分の内部感覚(内臓感覚)から切り離されているのは、このディスコネクションが大きく関係していると思わずにいられません。

古代、人は第三の目で「見て」、眉間で呼吸していたといいます。眉間にあるとされる第三の目は、解剖学的には松果体を指します。インスピレーションが降りる場所で、誤解を怖れずにいうと、霊界と繋がる場所。現代の私たちのほとんどが「進化」の過程で閉じてしまった場所。

私はセッション7では蝶形骨を通してこの松果体へアクセスしているのです。ロルフィングのハイライトと言うのは、この含みがあるからです。

鼻のワークからだいぶ話が大きくなりましたが、ロルフィングではこのワークで鋤骨(じょこつ)→篩骨→蝶形骨→後頭骨と調整していくのです。このアプローチはとてもユニークで、やはり至近距離からのアクセスは・・・体験者の方々のおっしゃる通りです。

今週、かなり深刻な偏頭痛に悩まれる方、長年の腰痛に悩まれる方などのセッション7を通して、セッション7がどれだけ重要かを改めて再確認しました。一見関係ないように見える数々の疾患のキーになるセッション7。セッション7は(私の場合)6分の5が口腔内と鼻のワークですが、今週ある方には30分右の鼻だけ、という歴代記録。関係者にはびっくりの時間配分ですが、これがどうしてもこの方には必要でした。そしてそれがやはり、キーでした。前の回までどうしても動かなかったシステムがするっと全部ほどけるのに立ち会う瞬間は、本当に感動的。

頭蓋骨の宇宙は畏怖無しに語れません・・。
2013. 07. 06  
セッション10


10シリーズの完結であり統合です。Idaが繰り返し言っていたように、ロルフィングはリハビリと違って身体の修復ではなく、統合であり、自分の可能性を最大限に生ききるための再教育です。ここでは10シリーズを通して共同作業してきたクライアントがロルフィングから卒業し、独り立ちして今後生きていけるように、ロルファーは足場を整えます。基本的には新たなインプットはもう行わず、いままでの課題と可能性をおさらいし、すべての関節が自分の持ち場で機能しあえるように、足首、骨盤、肩、頭部のガードル部分を明確にします。これによってバラバラだったパーツが統合され、身体は一つの有機体としてダイナミックに動き始めるのです。私はセッション10にはエネルギーワークを多めに入れるのですが、この時最終回にしてブレイクスルーが起こる方も多い、とても面白いセッションです。身体は単なる臓器や骨の寄せ集めではありません。これらの有機体がひとつに動き始めるスイッチが必要です。本当に人間が変わるのは魂が目覚める時なのです。この尊い経験の引き金の一助になれれば、私はロルファーとして冥利につきます。

2013. 07. 06  
オプション


たとえば痛みの度合い、過去に受けたダメージの度合いにより、セッション3と6をそれぞれ二回に分けて行なったり、4と5、あるいは7と8の間に全身の緊張を取り除くためのセッションを加えるなど、個々のニーズに応じてセッションは数回追加されます。

オプションはこのようなティシューワークの追加もありますが、痛みの強い場合などに動き方の改善を指導するロルフムーブメント、システムがオーバーロードになった場合、インテンシブなティシューワークに変えてエネルギーワークに変えたり、一度全身の完全なリラックスとリセットを意図したオイルセッションを加える事もあります。また10シリーズ終了後、維持とさらなる改善を意図したロルフムーブメントを数回追加することをお勧めする事もあります。

脊柱側湾症をお持ちの方、座骨神経痛や腰痛を抱える方は、7回目の後のレインドロップテクニックは大変お勧めです。

オプションについては、回を重ねるごとに自ずと見えてくるものなので、事前に合計何回になる、と申し上げる事は出来ません。またオプションを加えた方がいいと思われた場合は必ずその都度理由を明確に説明させていただきます。
何れにしても、基本は10回であり、ほとんどの方は10シリーズで卒業していただいています。

→セッション10へ
2013. 07. 06  
セッション8,9


ここからが3回にわたって行われる統合のセッションです。クラシカルロルフィングでは8と9を上半身と下半身に分け、最初に選んだ半身がもう片方に影響を及ぼすのを見るといったり、8は肩と骨盤のガードルを水平にするのを目的とし、9は右肩ー左足、左肩ー右足にかけての対角線を整えるのだといったりしていましたが、現代ロルフィングではこの枠組みはかなり薄らぎ、個々のニーズに応じた創造的なセッションになっています。一つ共通するのは、8以降は構造より機能に視点が移ることです。7までは「何が妨げているか」にフォーカスを当てていたのが、8からは「どこに可能性があるか」を見ていくことになります。本来の自分の動きを妨げていたものを7回に分けて取り払ったあと、今後いまの状態でどこまで伸びていけるか、その可能性をさぐっていくのです。セッションにはロルフムーブメントが多く入ってきます。

→オプションへ
2013. 07. 06  
セッション7


コアセッションの最後です。ここでは主に首から上(頭蓋骨)をワークします。これまでのすべてのセッションが、この7セッションに向けての準備だと言えるほど重要なセッションです。

鞭打ち、寝違え、頚椎ヘルニア、顎関節症、偏頭痛、眼精疲労、めまい、耳鳴り、といった、頭蓋骨に関わる症状だけでなく、腰痛、自律神経失調症、慢性疲労や自閉症に至るまでが、頭蓋骨の制限と関わりのある事が分かってきています。

このセッションでは頭蓋骨の調整を、外側だけでなく内側からも行います。つまりクラニオセイクラルといって脳脊髄液の流れを整える外側からのやさしいタッチだけでなく、口腔内や鼻の中のワークもあるわけで、とくに鼻のワークはロルフィングにユニークなアプローチです。

セッション7については色々な感想を頂きますが、今回

心と頭(眉間)が繋がる。」

という感想を頂いて(体験談がこちら)、ロルフィングのセッション7の特徴をよく言い表していると思いました。

これは解剖学的に言っても、ロルフィングのセッション7の意図そのものなのです。

ロルフィングのセッション7でとても大事なのが蝶形骨の開放。

頭蓋骨の中心に位置して大脳の前頭部をのせる蝶形骨は、筋膜でダイレクトに横隔膜に繋がって、連動しています。(以前もここに書きました。)ロルフィングでは重力ラインを水平に横切る骨盤、横隔膜、蝶形骨などの連動をことのほか重用視するのですが、セッション7では、蝶形骨の開放によって、蝶形骨の上に乗る脳(頭)と横隔膜の上に乗る心臓(心)を繋げます。頭セッション4から始まったコアセッションの総仕上げとして、蝶形骨→横隔膜→骨盤、と繋げます。

蝶形骨の上に乗る脳(頭)と、横隔膜の上に乗る心臓(心)は、自由であれば本来連動して動くものです。呼吸による横隔膜の上下が、同じように蝶形骨を上下させる。(蝶形骨と骨盤は、脳脊髄液によるまた別のリズムで連動しています。)

これ、ものすごく大事な事なのです。蝶形骨と横隔膜が連動するという事実。蝶形骨が呼吸とともに動く、という事実。

蝶形骨の制限というのは、耳鳴りや偏頭痛といった症状に関わるだけでなく、自閉症や自律神経失調症と呼ばれる数々の疾患に関わっている事が明らかにされています。また、私も最初は繋がりに驚いたのですが、腰痛や座骨神経痛にも深く関わっている。これはいずれ項を改めてクラニオセイクラルかStephen PorgesのPolyvagal theoryの項で書こうかと思っています。

蝶形骨の緊張は筒状になった筋膜を通じて、気道、食道を通過して横隔膜に達し、横隔膜を緊張させます。横隔膜が緊張すると呼吸が浅くなって副交感神経優位になり、身体の力がどうしても抜けない、疲れがとれない、眠りが浅い、などの状態になるだけでなく、横隔膜そのものは肝臓、腎臓、肺、心臓、膵臓(5行では脾にあたる)に隣接しているので、要するに中医学でいう5行すべてに影響する。5行の臓器が横隔膜の上下にすべて集まっているのは示唆的です。中医学は要するに気学で、根底にはどうやって流れを取り戻し、生命力を蘇らせるか、ということを追求しています。

この5行すべての流れを滞らせる横隔膜の制限、そしてそれに関わる蝶形骨の制限がいかに重大か、お分かりになるでしょうか。

また中医学では、5臓にそれぞれ怒・喜・思・悲・恐という感情を当てはめています。要するに、蝶形骨が制限されると横隔膜の動きが制限され、感情の動きも制限される。現代人が頭(脳)と心(心臓)を切り離し、自分の感情を理性で抑えようとしたり、自分の内部感覚(内臓感覚)から切り離されているのは、このディスコネクションが大きく関係していると思わずにいられません。

古代、人は第三の目で「見て」、眉間で呼吸していたといいます。眉間にあるとされる第三の目は、解剖学的には松果体を指します。インスピレーションが降りる場所で、誤解を怖れずにいうと、霊界と繋がる場所。現代の私たちのほとんどが「進化」の過程で閉じてしまった場所。

私はセッション7では蝶形骨を通してこの松果体へアクセスしているのです。ロルフィングのハイライトと言うのは、この含みがあるからです。

鼻のワークからだいぶ話が大きくなりましたが、ロルフィングではこのワークで鋤骨(じょこつ)→篩骨→蝶形骨→後頭骨と調整していくのです。このアプローチはとてもユニークで、やはり至近距離からのアクセスは・・・体験者の方々のおっしゃる通りです。

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2013. 07. 06  
セッション6


セッション4から始まった骨盤セッションの仕上げであり、踵から背中の上までの身体の背面を広く扱う大きなセッションです。ここでは身体のダイナミックなサポートシステムの要である仙骨にフォーカスします。
sacrum.jpg
仙骨とそれを挟む腸骨の境目にあたる仙腸関節は、他の様式では治療の要になる部分です。仙腸関節は主動作筋を持たないため、上半身と下半身からくる歪みの最終的な到達点になり、交通渋滞を起こしやすい場所です。受身でしかない特徴に加え、よちよち歩きを始めて以来、尻もちをつく動作でさんざん痛めつけてきたゆえ、仙骨の先端尾骨には誰にでも多かれ少なかれ問題があります。この尾骨は上に続いていく背骨の末端であり、ここの角度はうねりとなってもう一つの末端頚椎に必ず影響を及ぼします。頚椎の問題が尾骨にワークしないと解決しない理由はここから来ています。ロルフィングでは、仙腸関節の角度を正すというより、本来チェーンのように一つ一つ動くこのダイナミックな背骨がその本来の滑らかさを取り戻し、仙骨が呼吸と共に動く、つまり仙骨が呼吸するようになるよう、働きかけます。

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2013. 07. 06  
セッション5


ここでは腸腰筋(大腰筋、小腰筋、腸骨筋の総称)と横隔膜が自由に動くようになることで、呼吸と歩き方に秩序を戻すことを目指します。メインとなるのは腸腰筋と腹膜で、内臓間の癒着をとってスペースを作り、呼吸のたびに隣り合う内臓がなめらかに滑り合って動くようにすること、歩く時に腰と脚をつなぐ腸腰筋が自由に伸び縮みし、腰から歩くことができるようにすることが目的です。
腸腰筋
Idaはロルフィングで最も大事なことは腰方形筋、胸椎12番、大腰筋に十分な長さを与えることだと言っていました。また、大腰筋があるべきところにあれば、身体はすべての動作に置いて伸長するとも言っていました。

例えば前屈。身体の柔軟性をあげようとむやみにがんばっているのは腸腰筋を縮めている状態です。身体の前面と後面をつなぐこの腸腰筋を縮めることによって腹筋も背筋も縮み、この状態で頑張る(固定させる)と腰筋と同じ胸椎12番に付着する横隔膜の脚も動かなくなります。要するに呼吸も浅くなります。身体はCの字に丸まり、脚はくの字に屈曲し、頑張っているのに結局どこも伸びていない状態です。

前屈の時に、お腹がふわふわで、お腹と背中をつなぐこの腸腰筋が伸び続けるようになること。背屈のときも、この腸腰筋が最初に伸びて、その後もずっと伸びつづけるようになること。これが腸腰筋に十分な長さが与えられ、どの動作でも伸長する、という意味です。

大腰筋が長さを取り戻し、自由に動くようになると、横隔膜も動き出し、呼吸が深くなります。また歩くときに脚を大腿直筋で頑張って引っ張り上げる必要がなくなり、足を降り出した時に「伸びる」フェイズが加わります。脚に振り子のような動作が加わることによって脚は長くなり、歩幅が広くなります。腰が振れることにより、胸が広がり、手が振れるようになります。

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2013. 07. 06  
セッション4


コアセッション(身体の中心部へのワーク)のオープニングです。ここでは内転筋郡と骨盤底へのワークがメインになります。Idaはセッション4のゴールは身体の中心を伸ばすことだと言っていました。骨盤底に付着する内転筋郡は骨盤底筋郡との癒着をおこしやすく、これが骨盤にめり込んだようになると脚の内側は短くなり、骨盤底筋郡は弛緩します。年と共にO脚になり、尿失禁や性器脱(子宮脱や膀胱瘤)に悩む女性、出産後の骨盤のずれに悩む女性には、非常に大きなセッションになります。内転筋と骨盤底の関係が整うと、骨盤は水平に向い、踵、骨盤底、首へと繋がる脊柱のラインが伸びることにつながります。頚椎のトラブルは仙骨なしには解決しませんが、仙骨ワークへの準備としてこの第4セッションは大きな意味があります。
骨盤底筋群&内転筋
このセッション4はセクシュアリティの開放と大きく関係し、また肝臓・腎臓の経絡とも一致するので、このセッション後は時に抑圧されていた性的エネルギーや、激しい感情、特に怒りの感情が噴出することもあります。この場合は単純に身体に埋め込まれた未放出のエネルギーの開放をとらえ、なるべく静かな時間を確保してこの開放を楽しんでください。

→セッション5へ
2013. 07. 06  
セッション3


表層セッションの完結で、コアセッションへの橋渡しです。ここでは横向きで施術を行い、前に属する部分を前に、後ろに属する部分を後ろに振り分け、「オレオのクリーム部分を膨らます」ことを目的にします。セッション2で実現した足と頭による天地のパリントニシティ(2方向性)に今後は前後のパリントニシティを加えることになります。

前後のパリントニシティに必須なのが肩甲骨の動きに拮抗する菱形筋(左)と前鋸筋(右)のバランス
rhomboid&serratus

そして腰方形筋が自由であることです。
quadratus rhomborum
Idaは身体で一つだけ触れるとしたら肋骨12番だと言っていたほどこの部分は全体のバランスに影響を与える重要な部分で、それはここに横隔膜とこの腰方形筋とが付着しているからです。この腰方形筋はあらゆる腰痛にかならず関わっている深層筋です。ここはまたLDHつまり胸骨と椎骨の分かれ目(胸郭と腰部の分かれ目)で背中のカーブが反対側に変わる点です。こうしてセッション3では胸と腰で分けた天地のパリントニシティ、それに前後のパリントニシティを加え、4方向に伸びるテンセグリティを目覚めさせます。また深層筋である腰方形筋に最後にアプローチすることで、このセッションは表層とコアの橋渡しとなります。

→セッション4へ
2013. 07. 06  
セッション2


立ち方、歩き方のパターンを開放し、足が地面からのサポートを受けられるようにするセッションです。足の裏から膝へのワークが中心です。Idaはかかとが仙骨と後頭骨を支えると言っていたように、かかとと腰、首には大きな相関関係があり、頚椎ヘルニア、椎間板ヘルニアの方へは、このセッションは大きなものになります。踵の骨と脛骨のジョイントに角度があると、これは釘を地面をまっすぐ打ち立てていないことになり、この土台に乗った身体は腰や首をいくら治療しても、重力の影響をうけて生活し続ける限り根治にはつながりません。逆に土台となる足が地面をしっかり捉え、安定すると、骨盤帯の緊張が自然にとれてきて、その影響はいずれ首につながり、首が自然に伸び上がることになります。足が地面を捉えることによって身体が上に伸び上がるという2方向性(パリントニシティ)は、ロルファーの造語ですが、これはテンセグリティと共にロルフィングの非常に重要な概念です。

→セッション3へ
2013. 07. 06  
セッション1


表層セッションのオープニング。ここでは呼吸を楽にすることがテーマです。呼吸は吸う・吐くのどちらが楽なパターンか、呼吸するときにどこが動き、どこが制限を受けているか、動きの発火点はどこか、といったことを観察しながら、癒着部分を開放していきます。鎖骨、肩甲骨、上腕骨の位置関係を整えると一瞬にして呼吸が深まることで驚かれる方も多いセッションです。また左右で違っていた胸の位置がこの後揃う方も多いです。骨盤から胸郭を引き上げ、また骨盤も胸郭からの制約から自由になります。呼吸のリズムには吸って吐くだけでなく、それがぞれの間に静止の時間があります。その静止の瞬間が重力と折り合いをつける瞬間であり、呼吸のリズムに重力が介在するスペースを与えるのがこのセッションの目的です。

呼吸が生命維持に最も大切だというのは、誰もが知っていることです。水、食料、太陽、どれが欠けてもそれなりの期間生きながらえる私たちは、酸素がなければ3分で死んでしまいます。呼吸はこの酸素を体内に取り込む行為。どれだけ大切か、改めて考えてみるいい機会です。ロルフィングがこの、呼吸を深める、ということを第一セッションに持ってきたのは、本当に理にかなっていると思います。私も、全セッションを通じてこれはいつも優先順位第一にしています。最後には必ずここに自然に帰るものです。

ヨガでは人が一生の間に呼吸する回数は決まっていて、それを使い切る時が寿命だといいます。人の呼吸は一分間に10〜12回、一生では平均寿命でざっと5億回くらいになるといわれています。この一回の呼吸で肺に取り込まれる空気中の酸素は21パーセントほど。実は空気中の酸素含有率はこんなに少ない。肺は人間の身体の中で最も大きな臓器ですが、この肺も実は全部使い切れていなくて、%肺活量(予測肺活量に対する実測肺活量)の基準値が80パーセント。

産まれた瞬間からカウントダウンが始まる呼吸回数のなかで、私たちの生命維持に最重要な酸素をいかに効率よく身体に取り込むか。健康に生きる秘訣はここにありますが、無意識に行っている呼吸という行為のなかに、かなり無駄があることがお分かりかと思います。ここで誤解していただきたくないのが、これが肺活量の多さのことを言っているのではないということです。(肺活量が多い=長寿、ではない。)息の量ではなくて、肺を何パーセント使えているか、ということが大事なのです。

一回の呼吸で、効率を最大限にして取り込みたい貴重な酸素を、本来使えるはずなのに眠っている肺が無駄に取り逃がしている。このロスの改善は、大きい。セッション後、朝の目覚めがエネルギーに満ちて爽快なものになった、睡眠時間がうんと少なくて済むようになった、という声をよく聞きます。もっと寝てたい方には言い訳を奪われお気の毒ですが、エネルギーの充電は睡眠時間とは比例していません。効率です。酸素の摂取量が改善されると、全身の流れが息を吹き返します。

注)医療現場で、喘息など呼吸器疾患のある方に行うサチュレーション(動脈血酸素飽和度=SaO2)や動脈血酸素分圧(PaO2)などの検査値は、上記の数値とは違います。SaO2やPaO2の検査値は、動脈血の中のヘモグロビンがどれだけ酸素と結びつけるかを計るもので、健康な人は97%以上ですが、気管支などに炎症があるとこの値がぐっと下がり、いわゆる酸欠になります。喘息の発作などはこれに当たります。この数値を上げるのには、炎症の改善が先決で、別の治療が必要になります。ロルフィングの施術における筋膜リリーステクニックによる呼吸の改善は、呼吸動作の改善です。
→セッション2へ
プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式ロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

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<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com


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2017年冬 東京セッション
12月27日(水)〜1月3日(水)


2017年 直傳靈氣講習会(東京):

前期12月29日(金)18:00〜21:00
  12月30日(土) 9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
後期12月31日(日)9:30〜16:00
        
      

直傳靈氣交流会(フランクフルト)




直傳靈氣交流会(東京)


参加お申し込みを受け付けております。
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Profile:

Takami Kamata

Certified Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

rolfertakami@gmail.com


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