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2015. 11. 22  
上原ひろみさんのトリオプロジェクトが新曲を掲げたヨーロッパツアーを行っていて、最終日の昨日がケルンフィルハーモニー。チャンスとばかり行ってきました。

2200人を収容するという設備も音響もすばらしく整ったこのホールでの公演に、チケットは発売後すぐ完売。3年前は完売ではなかったそうなので、この3年での彼らの名声がどれだけドイツ国民に浸透してきたかを垣間見ることになりました。ジャズでこれだけの会場を満席にするってすごいことみたいです。

フランクフルトとは全然違う洗練された大都市の洗練されたホール。見渡すとカクテルドレスに身を包んだガールフレンドの横で目を泳がす男性や、オペラの鑑賞に参りましたみたいな優雅さでシャンパンを傾ける老夫婦が目に入る。確かに日本人比率は他のプログラムよりは多いはずだけれど、予想していた客層と全然違う。年配富裕層が目立つ。ノリノリロック調の若者を勝手にイメージしてたのですが。なんだか来るところ間違えたかと思って席に着くまで落ち着きませんでした。

さて演奏は・・
この世のものとは思えないエネルギー。すごい集中力。
生身の人間の生のパフォーマンスでここまで完璧にできるんだとびっくりしました。

当たり前ですが、音楽もコネクトなのですね。youtubeでも上原ひろみさんとアンソニージャクソンのアイコンタクトは印象的ですが、彼らの目線が直接見えないところにいても、彼らが人間同士のチューニングを合わせているのが感じられる。演奏が始まると二人はまるで一人の人間みたいに見えました。

上原ひろみさんてすっごく笑顔が可愛くて色が白くて陶器のように肌がきれい。なんだかアグレッシブな楽曲の印象と違って、のんびりした話し方をする、ふわっとした佇まいの人。演奏になると、この人天才なんだなとつくづく感じます。もう常人の努力で到達できる線とは別のところから始まってる。演奏だけじゃなくて、楽曲全部一人で作っているというところがすでに常人でない。

このヨーロッパツアーのスケジュールがそもそも壮絶。まったく休みなく移動、準備、演奏、というサイクルでヨーロッパを横断し、しかも間にレコーディングを入れていたそうなのです。ものすごい距離の移動、休む間もなく準備、本番、というのを繰り返し、このエネルギーの凝縮した完璧な演奏を続ける。一回たりともレベル落ちない。少なくとも最後の2日は睡眠時間2、3時間。それなのにテンパる様子もなく全然疲れた様子もなく、まるで日常の続きみたいにふわっとしたあたりまえの佇まいで観客を楽しませ、合間にはスタッフや観客への心遣いで八面六臂。音楽やる人ってエネルギー回すから若いなとはよく感じるのですが、彼女は真性超人だと思いました。

サイモンフィリップスはすごく小柄な人だったのでびっくりしました。私はジャズドラマーのスタンダードを知らないのでロックとジャズの区別がつかず、サイモンのドラムは私にはロックに聞こえてしまうのですがそんなことはどうでもよくて、TOTOが大好きだったのでどこかそこを彷彿させる器用なドラムは最高に爽快でした。変拍子をあんなにノリノリに持っていけるのは上原ひろみとのコンビならではなのかも。願わくは本当はおとなしく座っていないで立って動きたかった。前方の紳士達の薄毛の頭がリズムに合わせて揺れているのを見て、あなたたちも同じ気持ちなのね〜と感じました。最後ご本人と握手できてめちゃめちゃ嬉しかったです。

ところでベースっていうのはあんなに細かく音を刻めるものなのですね。ベースとピアノが猛烈なスピードで一緒に音を刻むのを初めて見ました。というかベースがピアノみたいってどういうこと。アンソニージャクソンのベースというのはピアノもドラムも兼ねてるのか。

私はトリオの中心に座るアンソニージャクソンの正面にあたる位置に座っていたのですが、彼は舞台での安藤洋子さんによく似てると感じました。場をホールドしている。一種監督みたい。洋子さんは、「この私をどうアピールするか」ではなくて、いつも他の人がどう動いているかにばかり関心がある。アンソニーも自分を見てもらいたいということはたぶんこれっぽちも考えていなくて、ただ淡々とほかの人のために正確に音を刻むことだけに全身全霊を捧げているんだろうなと。ベースだけソロがなかったのが残念でした。神様と言われる域に達すると欲がなくなるのかも。というかそういう欲がないから神様になるのか。

演奏が終わった後、会場は総立ちで盛大な拍手。私も涙が溢れました。日本人すごい〜!と日の丸振りたい気分だった。舞台の片付けに入っても観客が諦めずに呼び出しの拍手を続けていたのが印象的でした。普段よくしつけられているドイツ人だけに、発散が許される場(サッカーとか休暇とかコンサート)で彼らの素の姿をみるのは大好きです。昨日のコンサートは聴衆本当に喜んでいた。ドイツでも次回のコンサートはますますチケットの入手が難しくなるかもしれません。
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2015. 11. 10  
「落ち込むには才能がいる」と言われて、自分の甘さを感じていたところでした。落ち込むにはエネルギーを使うので、なかなか落ち込みの原因と真正面に向き合って落ち込むことはできない。

私がやっていたのは、きちんと落ち込まず、自分のつくったストーリーの中に逃げ込んでいたことでした。いつも居心地のいいそのストーリーの中に逃げ込んで、もたらされた問題ときちんと向き合っていない。

失敗は数え切れないくらいしてきた。
戻りたい過去はひとつもない。
でも、この失敗の宝庫から私は何を学んできたのかしら。

安藤洋子さんが、失敗しない人には魅力がない、と言っていました。
彼女もウィリアムフォーサイスに言われたそうです。
失敗した、と言えるのは、やったからだ、と。
俺をみろ、いつも失敗してるじゃないかと。
確かに、彼は常に実験的なことばかりして、常に失敗してきました。
やらない人は失敗できない。説得力があります。

そうしたら、また飛び込んできたのが
糸井氏の「ゼロになって、ちゃんともがく」というコピー。
いただいたリンクを見て、見事さに笑ってしまった。

断捨離も断食もどうしてもできない私。
ちゃんとゼロになることもなく、
ちゃんともがかないうちに浮上している。

宮沢りえx糸井重里「試練という栄養。」シリーズ、とても面白かったです。

宮沢りえの、褒められるとどうしても疑っちゃう、という言葉に、偉いと思いました。私は即刻有頂天になります。

舞台に立つ人って、褒められると次の公演はきまってよくないのだそうです。だから舞台人は常に「褒められる」というノイズを越えていかなきゃいけない。それが劣等感でも疑いでもいいけれど、この姿勢は大事なんだそうです。これ、舞台人だけじゃなくて、自分の仕事にも当てはまると思いました。こういう厳しさを自分に対して持ち続けていられるか。

宮沢りえを久しぶりに見たら、凄みと存在感にびっくりしました。

わたし、試練はごほうびだと思ってるんです。
苦しみとか悲しみを知っている人のほうが、
豊かな気がするんです。


その言葉をそのまま体現している。

でも、ダウンはします。はさらに面白かったです。

ダウンはします。
「ダウンしていない!」ってやってると、
あとでクラクラッとくるから。
「ダウンしましたー!」というときは、
ちゃんとダウンして、
それで手当をして、
それから立ち直ろうじゃないか。
というところがあります。

まあでも、結局、
自分を動かすものは自分でしかないし、
自分を立たせるものも自分しかないんでしょうね。


糸井氏って引き出すのがうまいんだなと思いました。宮沢りえの強さとか芯は誰もが感じるものだけど、それを本人がこういう風に話せるように持って行くのはさすが。

それにしても宮沢りえは舞台に立つ時には毎回オーディションというのは驚きました。宮沢りえ印で仕事が降ってくるわけではない?大きな代役を2日で仕上げて大喝采をあびたエピソードとか、華々しい受賞歴の陰にはそんなに生々しい努力があったのかと。クリントイーストウッドが未だに映画製作するに際して売り込みのプレゼンテーションをする話といい、一線で活躍する人たちの、陰のすごく基本的なところでの努力を垣間見るのは、しみじみ思うところがあります。
2015. 11. 09  
英語学習法を私に聞くという全く気の毒な方がいらっしゃいました。英語が喋れない、英語が聞き取れない、という悩みです。この私が英語学習法について語る!面白かったので彼女への回答を以下に転載します。

・・・・・・・・

喋れないんじゃなくて、喋りたくないんだと思います。
私の場合ドイツ語で言えば、ドイツ語がうまく喋れないからこの人にバカだと思われるのが嫌で、しゃべりたくないのです。絶対にドイツ語でしか会話できない人に対してはめちゃめちゃなドイツ語を堂々と話して、なんとかなってます。変なプライドを捨てて、欲を捨てて、誰に対しても捨て身になればいい。捨て身になれず英語に逃げ込むから10年たってもこれです。

外国語学習法の基礎は語彙だそうです。
それには本を音読するんですって。
わからない単語をいちいち調べずにただ音読する。
ある日いきなり意味がわかってくるのだそうです。
耳から入れるのがいちばん、と達人はいつもいいます。

いまの仕事の環境で分かることは、どういうかより何を言うか、が大事みたい。クライアントさんたちは一生懸命この変な日本人を理解しようと集中してくれます。なぜかというと、私の話すことはものすごく彼らにとっては大事な情報だからです。
日本人は一言が本質をついているのを西洋人は知っているのです。
内容があれば流暢でなくても聞いてくれる。

友達と私たち語学の才能ないわよね〜と話していたことを思い出しました。彼女はドイツ語の語彙はさっぱりないけど、何言ってるか想像で全部わかってしまうという特技があります。そして、大事な場面では頭の固いドイツ人にむかって英語で凄みをかけると、相手が折れてしまうのだそうです。確かに彼女は存在そのものに凄みがある。もう、その存在で向き合うだけで、喋らないで相手と勝負つけられる。お堅いドイツ人の役人に対して有効なのだからすごい。

聞ける、ことも同じですか?
ニュースでも立ち話でも、何について話しているのはなんとなく分かるけど、結局何なのか結論が分からないのが常で、質問してもコレなので結局答えをつかむことができない。
この結局なんだか分からない、っていうのがイヤなのですー。
理由を根掘り葉掘り聞きたい性格が満たされないのがたぶんストレスなんじゃないか、って気がしてきて、そんな性質が自分にあったのかとちょっと驚くのですが。
質問は結構相手が組んでくれて聞きたい質問に到達することができるのですが、せっかくの答えが聞き取れない(涙)。
そしてなぜ!英語で聞く読むをすると頭に残らないのですか?!
聞いてる時は一文一文何言ってるかちゃんと分かる時もあるのに、全部の話を聞き終わった時には頭にほとんど残っていない。。。
ぜんぜん身にならない。
しゃべれる練習をするとおのずと聞けてくる、のかしら。
しゃべれなくてもいいから聞けるといいのだけど。
日本語でもなんだかだんだんしゃべるのがおっくうになってきて、しゃべれば後悔するし、根本的に”英語しゃべりたい”ってのが間違っている気がしています。


なんだかその聞く、ていうのは、腑に落ちる、に聞こえる。
あなたの聞き取り能力の問題というより、知りたいことに対して、腑に落ちる回答をしてくれる人がいないから鬱憤溜まってるんじゃない?

それを置くとまずやっぱり語彙の問題。
ドイツ語だと私も全くもって似た状況です。
ドイツ語はフランス語や英語ほどリエゾンがないから聞き取りやすいはずなのに、聞き取れないのは語彙がないからだと思ってます。

あとは耳の問題。
相手になんども言い直してもらってもドイツ語の発音の違いが聞き取れないし、自分で再現できない。
判別できない音を言われても、どうにもならないのよね〜


英語でいうと、
完全に聞き取れる人と何言ってるかわからない人がいます。
興味がバシーっとあう人間だと
100パーセント聞き取れて
何も考えなくても反射的に返してます。

何言ってるかわからない人は、
最近私だけの問題じゃない気がしてきました。
相手がそもそも何が言いたいかわかってない時もある。
英語が母国語じゃない人がたどたどしくいう方がうんと入ってくるのは、言いたいことがはっきりしてるからかも。

本質を言おうとするとどんどん詩になり、最後は沈黙になります。
英語は何でもかんでも説明しようとする文化だから、
うっとおしいのかも。
ちょっとだまれ、と思う人います。うるさい。
一流の人って、なんとも言えない静かさがあるって
聞きました。
私もどちらかというと何かをうまく表現する人を認めるというより
その人が背負っているもの、
言葉に出さない部分を読み取ってる気がします。
吉本隆明は終始、しゃべりが苦手と言っていました。
講演きくとなるほどこの人喋るの苦手だとわかります。
それでいいんじゃないかなぁ。
糸井氏の沈黙の発見は本当に面白かった。

英語はとにかく直線的にきれいにまとめる練習をします。
余白や矛盾に価値を認めない。
だから表層的で奥行きがない。
英語の量産の記事なんて読むと、
だから?so whatの世界です。

アメリカの表層的な量産文化に合わせる必要ないんじゃない?アメリカはスタンダードじゃない。いろいろ見えてくると、気の毒な教育だと思えるところもある。

「人に言わないで発している言葉」が、
   人間のいちばん幹となる部分で、
   いちばん重要なところ -吉本隆明


これを最近、しみじみ、まじまじ、感じる機会がありました。

本当は私たちいつもやっています。どれだけ矛盾なくきれいにまとまってるかなんかで人は動かされるんじゃない、そこに魂が入っているかどうかを見ている。そのものになっている人の言葉は強いです。原稿を読んでいるだけ、借り物の言葉を言っているだけの人は、上滑っているのですぐわかる。声だけでもその人がどういう人かわかってしまうのは、そういうところにあるのだと思います。

きちんと言葉に向き合ったら、最後には自分のあり方そのものがむき出しになる。その先にあるものは沈黙しかないな、と思います。
プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

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<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
+49(0)6171 279 0088

・・・・・・・・・
2017年冬 東京セッション
12月27日(水)〜1月3日(水)


2017年 直傳靈氣講習会(フランクフルト):

前期10月20日(金)14:30〜18:30
  10月21日(土)9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
後期10月20日(日)9:30〜16:00
        
      
直傳靈氣交流会(フランクフルト)
10月23日(月)16:00〜18:00

ホメオパシーについて語る会
10月18日(水)14:00-17:00
内容
ホメオパシーとの付き合い方:
ーファーストエイド
ーミニコンサルテーション
Abby Takarabe, Peggy Bideホメオパスを
聖地スワジランド、オーストラリアから
講師にお招きします。

参加費用:
50ユーロ

直傳靈氣交流会(東京)


参加お申し込みを受け付けております。
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Profile:

Takami Kamata

Certified Advanced Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

rolfertakami@gmail.com


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