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2014. 05. 05  
今回のトレーニングでナイーブなギター弾きのクラスメートが昼休みに聴いていたErik Mongrain。トレーニングでもう芯まで疲れきって外部刺激をもう一切受け付けたくなくなっていた私の耳が砂漠の砂が水を吸い込むようにひきつけられたのがEon's illusionでした。ギターの音色がこんなにいいと知らなかった。教えてもらったリンクをダウンロードしてBGMにかけながら続きを書きます。他にもこんなコレクションがあります:


今回のトレーニングに向かった時点では、今現在の、そしてこれからのクライアントさんのため、という施術者としての意識しかありませんでした。差し迫るニーズのため。このトレーニングは録音が許されていないうえ、旅行を続ける主人と娘にカメラを譲ったのでカメラもなくもう丸腰。スライドは字で埋め尽くされ、そのスライドの文字を追っていては、読む時間を与えてくれずにスライドとは違う言葉で込み入った深い概念をスラスラ言ってしまうペドロの言葉が頭に入らない。理解はあと、言葉だけ書き写しておこうとしても書くのが追いつかない。ぱーっとしゃべってどんどん次の画面に変えてしまうペドロの講義はイギリス人でさえ追いつかなくて、私ももう一切諦めて全身を耳にして、しゃべっている内容をその場で理解することに集中しました。

内容もトラウマ形成のいきさつについてはまるでどれもこれもが自分のことを言われているようで平然とはしていられなくて、まるでみんなで息を詰めて25メートル潜水やっているような感じでした。誰かがたまりかねて質問すると、それに続く質問の嵐。どんなに込み入った質問にも手早く賢い答えをくれるペドロへの質問はどんどんエスカレートして、時間はますます押してますます講義の口調は早まる。一定時間を超えると、ショートしつつある私たちに、はいストレッチ〜。だったらもうちょっとゆっくりやってくれてもいいのに・・とは思えない。とにかく一言でも多くこの人の口を通して吸収したい、細胞に刻み付けたい、という思いの方が強くて。座りっぱなしなのに、休憩時間のたびにビスケットを2、3枚立て続けに口に突っ込み、また全身耳になる。思い返すとずっと振り切れてました。今回ほど、しょっちゅうあるティータイム休憩の存在がありがたかったことはない。(こんなに急いでやっても間に合わない内容を通訳つきでやる国ではどうやってるんだろう・・)

午前中の講義はこんな感じで、午後は生徒同士のセッション交換でした。50人もいる参加者同士のセッションは、前回がどこかおままごとのようだったのが、今回はそれぞれ板について、思わず本気セッションになってしまっているのがあちこちで見受けられました。初日のバッチリメークが日に日に薄くなり(どうせ崩れるから)、最後はもうだれだったか解らないくらい素顔になってしまう人や、最初の外交モードからどんどん内向していった人、最初から最後まで人と関わるのを避けていた人、ず〜っと淡々と平静で居続けた人・・。こんなに短期間で人の内面が浮き彫りになっていく過程を見ているのは本当に楽しかった。

私はというと、今回はずっと施術者モードで淡々平静でいるかとおもいきや、やっぱりそうは問屋が卸しませんでした。本気の施術者をやった直後に本気のクライアント。ここまでいちいち正直にやらなくても・・・と理性の私は諭し、でも今はこれができるチャンス、と本能の私はダイブを選ぶ。

初日の生徒間の交換セッションで、のっけからスーパーバイザーから指摘された顎。これが運命のゲートを開きました。私は多くのヨギーと同様、身体がぐにゃぐにゃに見えてその実とれない芯がある。顎、というのは言われてみればトラウマ以外の何ものでもないのに、それがその芯だと言われるまで気づいていませんでした。

幼少の頃から自分が何をしているのか全然わかっていない歯科医たちに散々付け焼刃なことをされつづけ、失敗治療がこじれ事態は複雑化し、そうこうしているうちにもはや処置不能、というところまで行ってしまったのが今の私です。最新の機材にプランなく飛びついて増改築を繰り返した結果、見るに耐えないありさまになってしまった家のようだ、とある歯科医に言われたことがあります。実際私の歯の治療には家が一件たつほどの投資をしてきました。その直截な表現で見せられた現実に、身体中が萎えた瞬間をいまでも覚えています。今でも、最後に王手をかけたはずの治療の後遺症に時限爆弾をかかえている。これが、トラウマじゃなくて何・・。

トラウマと深い悲しみはよく混同されるのですが、2001年に発表されたWilliam SteeleとMelvyn Raiderのチャートはものすごく明確にこの違いを表現しています。ピーターがTrauma from Children’s Eyesの中で引用していたのを私もまとめてみました:

トラウマ対照表

この対照表を見ると、私の顎は明確にトラウマとわかります。

私の表情を見てまもなく私の顎のトラウマを見事にあてたスーパーバイザーにブラックボックスを開けられてしまい、そこから先は、組む人組む人が、その部分をどんどん掘り下げて行ってくれました。まるでセッションでくりひろげられる一瞬一瞬が、私の深層意識と無意識へのミッシングリンクを暴いていく感じ。私こんなことしてる、こんなことしゃべってる、と、やっぱり理性の私は変だと思い押しとどめようとして、本能の私がそれを構わずどんどんやってしまう、という、一種の分裂状態が続きました。多くの人は混乱と表現していたけれど、私は2人の自分のせめぎ合いのように感じていました。

トラウマ化した顎がゲートが開き、そこを手がかりに、また大きな変容の旅をして来ました。トレーニング後に実際の施術者から本物セッションを2度、受けました。一人がジゼル、もう一人がアンキ。ペドロの奥さんのパオラから今回は受けられなかったのですが、変わってセッションをしてくれたジゼルのくれたものは計り知れなかった。今この時に、彼女からこの言葉を貰ったのは運命だ、と思えました。帰り道、泣きながらそれを繰り返した。それほど、ジゼルからの言葉は大きかった。

ジゼルはこの業界では知らない人のいないアナトミートレインのトーマスマイヤーの元奥さんです。二人ともロルファーで、ジゼルは助産師でもあります。今はジゼルはSE施術者としての活動の方が主で、トムはアナトミートレインのワークショップの活動が主で、2人とも残念ながらもうロルファーを前面には押し出していません。

ジゼルは64歳になって顔にシワは増えたけれど、フリルのスカートとブーツをを着たり、ウエストをバッチリ絞った服を着てもサマになってしまう、奇麗で素敵な女性です。有名人の妻の座を捨てて娘さんとイギリスに戻った当時は、シングルマザーとして生活していくため、助産師、ロルファー、掃除婦、3つの仕事をかけもちして、がむしゃらに働いたそうです。見かけの女っぽさとは違い本質はものすごく男性的で、実際本当は男に生まれたかったと思っていた彼女の言葉:
「私は男にできることは何でもできる、そして男にできないこともできた。それは子供を産むこと。」
今は超一流大学に進学した娘さんを誇りに思いながら、自分の選んだ仕事も誇りに思って世界中を飛び回っている彼女は、私の憧れでもあります.

その彼女にセッションを受けながら、ついつい話が身の上相談みたいになってしまい、そうするとジゼルは、ここは女と女の話になるけど、と膝を寄せて先輩女性としての智慧を授けてくれました。SEセッションいうより、人生相談に乗ってもらったような感じでした。理性(エゴ)の私はこだわり、ハート(何か大きな存在)の導く私は、実はなんにも心配をしていない。でも、この状況で何とかなると思ってるなどと口に出してしまうと正気を疑われるので、心配しているフリをしている・・こんな私を全部彼女はお見通しでした。

ー私、なんとかサバイブできるかもしれない。
ーあなたはもうサバイブしたのよ。これからは、生きるのよ。

これは、嬉しかった。本当に。

私は、これからは生きるんだ!

人からもらった言葉で、これほどリアルに身体に突き刺さる言葉は経験したことがなかった。あのときあのタイミングで言われたのは、まるで天啓をもらったようでした。ここからは新しい人生が始まったよ、と偉大なる存在に言ってもらったような。この一言で、周りの景色がガラッと別のものになったような。

これからは、私は生きていいんだ!

その感覚は本当に、今までに味わったことがなかった。自転車に乗って道路を走りながら、私は選んでこの道を走っている、スーパーで何かを手に取ったときには、私は自分で選んでこれを手にして、私は選んでこれを食べる、ひとつひとつ確かめて、その手触りをとてつもなく愛おしく思う作業をしばらく続けました。私はいまここで生きることを選ぶ、それをしていいんだ!と、何度も何度も、びっくりしながら確かめました。これだけ好き勝手やっていながら、いつも私にはどこか罪の意識があって、どこかいつも冷たくて硬い芯がそれを許して来なかった。どこかいつも我慢してきた。それを知ったびっくり。それを無意識に体現していたのが私の顎。

たぶん、ここまで自分勝手な私の勝手な我慢は、原罪の感覚なんじゃないか、というのが、今回のトレーニングで浮かび上がって来たことで、最後にアンキから受けたセッションで、それを彼女から直接言われて知りました。ここは今でもピンときていないのですが、あのときは私の身体が全身鳥肌だって、身体は間違いなく反応した。それがイエスだかノーだかはわからないけれど、なにか大きな反応があったということは間違いありません。

注)ちなみにSEセッションでは、こういう「診断」はしないし、思考回路に影響を与えるようなことは一切言いません。これは彼女と私の間のオフレコの話です。

まだきれいに話をつじつま合わせないようにしたいと思っています。ピースが少しづつ自ら集まってくるのを淡々と待つ作業をしていたいから。

アンキのことをすこし話します。彼女はシンガポールに住む韓国人で、私は彼女に初めて出会った瞬間に、私あなたのことが好き!と飛びつきました。彼女は何も考えずにこういう告白をしてしまうのを許す雰囲気を持っているのです。私より年下なのに、なんだかお母さんとよびたくなる雰囲気。彼女が生徒ではなく、監督者として来ていると間もなく知って、すぐにセッションをお願いしました。他の人たちは、実力が解るまで、とわりと慎重だったのですが、私はもう何より彼女のセッションを受けたかった。

結果。彼女を前にすると私はもうどうしようもなく泣いてしまうのでした。どうしてこんなに泣くのか、何を言って何をしているのか解らない、もう完全に理性の部分がとんだ反応を、身体がしてしまうのでした。自分が口に出し、することを、後から追いかけている感じでした。彼女からセッションを受けただれもがこういう反応をしたわけではないので、たぶん彼女と私の間のエネルギーが化学反応を起こしたようなものかと感じていますが。

あとでアンキが、私たち前世で兄弟だったかもね、とふと言いました。そうだかどうだかはわかりませんが、彼女は何か私を深く知るキーパーソンであることは間違いないと思っています。

今回のSEでは、前回以上に、関わった人たちそれぞれとの絆を感じました。私がいろんな人たちにひとつひとつ扉を開けられていったのと同じように、私も関わった人たちそれぞれが扉を開くのを手伝いました。これは前回よりうんと確かに手応えを感じた。セッションがおままごとじゃなくなって、つい真剣になってしまったのもそこ。横から口をはさむスーパーバイザーに、思わず、自分が何してるかよくわかってるわよ、邪魔しないで黙ってて、て言いそうになったほど・・。

今考えるとこんな態度はなんて傲慢、なんて危険、とわかるのですが、セッションをする時に相手に繋がると、なにかのスイッチが入るのです。当事者同士は解っているのです。そこが解り合える人だと、繋がった瞬間にセッションは勝手に動き出す。それがわからない人からのアドバイスはノイズにしかならない。SEが爬虫類脳にアクセスするものであることからも解るように、この動物的嗅覚は大事にしたいと思っています。

SE施術者としては、大脳新皮質で計算しながらセッションを誘導します。でも、目の前の人の爬虫類脳と大脳辺縁系を扱っている以上、自分がそこを閉じてちゃいけない。大脳新皮質だけでやっている人がつまづいているのは、そこがどうしてもつながらないからだと感じています。だれもがピンと来ることではないこのあたりのことをもうず〜っと書き続けてきたのも、私はこのミッシングリンクの大事さを痛感して来たから。





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プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

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参加お申し込みを受け付けております。
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Takami Kamata

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