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2014. 10. 10  
コミットメントのさらなる続き。

コミットメントは「誰が、何に、」という主体とベクトルがないと成り立たないのですが、日本人がこれに抵抗を感じるのには、そもそもその主体とベクトルが他の国と違うからという気がしています。

武道で大事なのは受け身。相手の影のようになる、という感覚。これは主体を完全に消して、私から相手に向かうというベクトルも消す、ということ。私たちの国民性でいうと、この無心の境地をめざすという感覚のほうがたぶんつかみやすいし、美意識にも添う気がしています。

逆に外国人は主体(エゴ)から出発するので、コミットする、というのは当たり前の感覚。「私がOOをする」というのが彼らの日常だし人生のゴールだから。彼らはだから武道で受け身、といわれると、自分が人生かけてやってきた方向と真逆なのでショックを受ける。達成主義の人生に疲れたり違和感をもったガイジンが、日本のこのゆるさにあこがれ、さらにこの先にある深さに魅力を感じるのも当然だと思います。

コミットメントで勝負を迫られるといったら、まず恋愛関係。

私⇆あなたというベクトルの均衡をめぐって押しあり引きありの駆け引きを繰り広げ、その駆け引きの中で自分のコミット力を試す絶好のチャンスを与えられるのが恋愛。こういうとベクトルを上手に操れる人(恋の駆け引きの上手な人)が恋愛力のある人みたいに思われるかもしれませんが、私は違うと感じています。

恋愛力とは、どれだけ捨て身になって「私→あなた」にドォーっとエネルギーを注げるか、だと思います。モテるかどうかは別。「あなた→私」に過敏で、受け身な人は恋愛力なし。「私〜>あなた」のようなもったいぶった人も、ない。「あなた↑私」が見えなくて、「私⇒あなた」にのめり込むのがストーカー。

これに関しては、ガイジンに学ぶこと大いにあります。ガイジンは主体的です。そして直截です。恋愛上手といわれるフランス人は、主体的で、直截で、捨て身です。言語にもよく現れてる。

以前から不思議に思っていたのですが、英語とドイツ語(ほかは知らない)に「ふられた」という表現がないのです。いや表現は存在するのですが、私は彼らがそれを使うのをきいたことがない。じゃあ彼らは恋人にフラれたときどういうかというと

(S)he left me. (主体=彼(女)→私、というベクトル)

ベクトルはよく省略しますがそれでも

(S)he's gone. (主体=彼(女))

日本語だと、

振られた。(主体なし、ベクトルなし)

邦題で昔「ふられた気持ち」と訳されたRighteous Brothers(Hall&Oatesのほうがたぶん有名?)の
「You've lost that lovin' feelin'」は、直訳すると本当は
「君はもう愛する気持ちを失った」


歌詞の内容だって、(私が)ふられたという、受け身で諦観の気持ちを歌ってるのでは全く、ない。最初から最後まで主体は彼女で、彼女のさめていく様子にジタバタと往生際悪く、お願いだ、お願いだ、戻ってくれ、愛をくれぇぇ、と叫んでいるというのが実際です。曲はすごく好きだけど、こんなに幼稚にすがられたら彼女はその後間違いなく完全に去ったと思います。(でも恋愛力は◎、コミット力は

私は海外に出て一番にうけた洗礼が、「君はどうしたいの」でした。これには本当に困った。議論でも、論文でも、そういう考え方ありますね、こういうのもありますね、どっちも一理ありますね、みたいなことをすぐ言いたくなってしまう。ディベートはもっとも苦手でした。どっちにもつけない。つきたくない。まあまあ仲良くやろうよ、おとしどころ見つけようよ、と言いたくなる。

アメリカの次に来たドイツでロルフィングのトレーニングを受けたとき、やっぱり直面したのが「君はどうしたいの」だった気がします。

私はどうしたいの
何から自由になりたいの
そしてどこに行きたいの

ということをずーっと問われた。身体と向かい合うことによって。「私はOOする」という姿勢には責任が発生する。受け身なら楽なのに。ここに根源的な抵抗があって、それが身体からどうしても開放できない硬い芯になっていたのを認めるのはかなり辛かった。

私は本当はこんなにものをはっきり言う人間ではなかったのです。むしろ私が主体になってしまったらいけない、あなたあっての私、のほうが関係がうまく行くし居心地がいい、とずっと思ってやってきました。ロルフィングトレーニングに出会うまでは。

ロルフィングの1日のトレーニングを終えていつものようにレストランで食事をして帰ろうと思ったとき、一緒に歩いていた友達が、私も一緒に行っていい?と聞いてきました。私は正直もう一人になりたかったのですが、もちろん、と元気に承諾しました。私の前に座った彼女、「帰ってほしかったら帰ってって言って、すぐ帰るから」そんなこと本人目の前にいえる訳ないだろーと思って、やっぱり「とんでもない」と続ける私。

今だから解るようになりましたが、ここで目の前の本人に向かって、私もう疲れてるの、一人になりたいの、帰って、て言うことは失礼でも何でもなかったのですね。断ったら関係がまずくなるなんていうのは勝手な思い込みで、断ってもあっそう、じゃあ、明日ね!と何事もなかったように関係が続くものだったのです。誘ったときに疲れてるとかだるいとかいう漠然とした理由で断られたらもう、自分の全存在を否定されたような気になる、というのはーかつて私がそうだったのですがー日本人の不自由さです。

自分の当然にチャレンジをうけつづけて、一皮二皮と剥され、気が付いたらこんなに気の強い主張ばかりする女になりました。どこまでが生来でどこからが訓練かもうわからなくなりつつありますが、でも振り返ると主体とベクトルのない受け身の漂いは辛かった。向かう先は無なのだけど、無を自覚するには無じゃないものをいちど体験しないと解らない、というのが最近の実感。(この主体性なく漂うのをチェーホフは「かわいい女」と呼びました。これを聞いて素直に喜ぶ人は本当に「かわいい」。)

おせっかいだと解ってます。でも、かつての私と似た不自由さのなかにいる人が気になって仕方ないのです。日本人は精神性が高くて、人間の目指すところに本来近いところにいる。でも受け身が裏目に出て、「漠然とした何か」を追求することは「許されない」と、あきらめて押さえつけている人が多いと感じるのです。もっと追求していい、そして表現していい。「私が、何に」ということを。これが日本人の身体と対話していて日々感じること。
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Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
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2017年冬 東京セッション
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講師にお招きします。

参加費用:
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10月23日(月)
13:00−16:00

講師:大塚英文さん
受講料:60ユーロ


参加お申し込みを受け付けております。
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Takami Kamata

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