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2015. 01. 31  
以前ここでご紹介したBさんですが、その後MRIの検査結果で頸椎6番と7番の間にヘルニアが発見され、画像をみたドクターがこれはひどいと診断(ゆえに彼女はどん底)、次のEMG(筋電計)の検査結果では異常なしと出て、神経学者は保存療法を勧めました。翌日の神経外科の診断では、ヘルニアは自然に消えるのを待つしかなく、治療で動かすことは出来ない、麻痺をおこしているのは頸椎7番神経であり、彼ができる処置は(麻酔注射による)ペインリリースのみだ、ということでした。

ドクター全員がそれぞれが違う見立てをして混乱している上に、ヘルニアと聞いても頸椎6番突出と聞いても「ああ、そう、良かったわね」と続ける私にBさんは、ロルフィングはヘルニアなど何でもないという態度だけど、医師によって必要だと言われる手術でさえも余分だと言うの、と噴出しました。

私は、ドクターにチャレンジするつもりは全くない、手術を決定するのは医師でもロルファーでもなくあなたよ、と答えました。

ヘルニアと聞いたとたんに死刑宣告と受け止める人は本当に多いのです。大げさに聞こえますが、神経性の痛みや痺れのある人が最も怖れる言葉がヘルニアではないでしょうか。クッションの役割をしていたディスクは摩耗したらもう再生しないから、あとはこの悲鳴をあげている神経は刻一刻とクッションを失い、今後一生涯この拷問がつづく、と。

ディスクは確かに再生しません。膝の靭帯や半月板も、一度壊したら再生しません。だからディスクや靭帯の損傷=手術、というのが今までの当たり前の治療でした。でも、こういう手術の術後がどのようであるかは知られる通りです。また、根本治療に踏み込まず対処治療をした結果、そのときは痛みがとれたとしても何年かたってまた痛みだしたり、あるいは手術後別の部位がダメージをうけるということも今ではよく知られてきて、最近では保存療法をすすめるドクターも増えてきました。

人間の身体の中は宇宙です。ある部分が機能を失ったとしても、本来は別の働きをする別の部位たちが相談してその機能を引き継ぎ、ホメオスタシスを維持します。私たちは部位単位で動いているのではなくて、システムで機能するからです。失った部分は弱いところ、とは思わなくていい。今後は他の部分からより注目されてよりサポートを受けられる部分、と気持ちを切り替えることも出来る。

同じ理由で、私は部分的な筋トレを勧めません。怪我後や手術後のリハビリではパターンが変化しているので話は違いますが、そうでない場合はいまの弱さを作り上げた自分のパターンを見直すのが先。それを作り上げた今の生活でそのパターンを見直さない限り、さらなる不均衡が加わってシステムをもっと複雑にすることもありうるから。

あれから経過し、今のBさんを苦しめているのは橈骨神経と正中神経の同時麻痺。幸い痛みはありません。

橈骨神経は、手の平を前にしてストップ、というしぐさをするときの動作を司ります。正中神経はこれが麻痺するといわゆる手根管症候群ですが、手を内側に巻き込むしぐさをするときの動作を司ります。つまり、この2つはアンタゴニスト(拮抗関係にある)。ある大事なものに対し、それをノーと押しのけようとする力、それをぎゅっとつかみとろうとする力がせめぎあって、どうにもならなくなってしまったら。
そこでフリーズ、シャットダウン。

橈骨神経麻痺と正中神経麻痺が同時に起こるというのは、そういう心理状況が絡んでいるともいえるわけです。


イギリスのある作家が「人間はどうしても理由を求めるのだ」と言っていましたが、これは私たちの深い業だと感じます。ここには2つの落とし穴が合って、一つがwhyによる堂々巡り、もう一つが理由を自分以外の外側に求めること。

whyにこだわって見えてくるのは、過去の経験を元にして創り上げる予測です。それは「私の経験により、私が納得できる」という理由で選んだストーリーなので、事実とは違います。

さらに理由は自分のなかにあるのだけれど、それはもっとも向き合いたくない、蓋をしたまま通り過ぎたい部分なので、見えない、見えない、と「我を忘れて」外に探し求めに行きます。着ているパジャマを探しまわってるようなもの。

症状には理由がある。これは事実です。でも私たちはwhyで自分のストーリーに逃げ込むことに慣れていて、中庸で自分を見つめたり、うららかにhowに向かう意識にはなかなか行けない。

いま起こっていることはすべて、いままでのループから抜け出し、こういう気づきを導きだす為に頂いていることです。


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Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

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Takami Kamata

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