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2012. 04. 19  
熊でなく日野先生ご本人から、自分のプリムーブメント(予備運動)をどう消して、逆に相手のプリムーブメントをどう読んでいるかの回答をいただきました。あまりにも圧倒的な叡智です。予想できたのはほんの一部で、大部分は私の小さな頭の想像の及ぶ範囲を完全に超える内容でした。日野先生のご了承のもと、この秘伝を公開させていただきます。以下ブルーの部分が日野先生のご回答。(五光のさす色にしたかったのですが見当たらず青で失礼)
注)後にこれは秘伝でも奥義でもなく当たり前のことだったとわかりました。。

1 予備運動をどうやって消しているのですか?無意識に出てしまう筋反射や重心の移動を意識的に押さえるだけでないのだと思います。無意識を意識に変えて、さらにそれを再度無意識にやるというとんでもない作業に思えてしまうのですが。

鎌田様始め多くの人、いや大方の人、そして色々な身体理論は、「自分が動く」という観点から全てを見ています。
だから、予備動作という問題が付きまとうのです。
つまり、何か対象のものがあり、それに対して「自分が」動く、単純には100メートル競走の如く、ヨーイ、ドンという形になります。
しかし、人の動作を観察すると、欲求そのもので働いた時は、動いたになり予備動作は起こっていません。
例えば、喉が渇いた、と身体が欲した時、何の躊躇も無く身体は冷蔵庫の方へ、あるいは、飲み物の方に向かって動作を起こしています。
また、武道では自分勝手にヨーイドンで動けば、直ちに相手に知られて迎え撃ち、返り打ちに会います。
だから、ここでのポイントは「相手に動かされる」なのです。
主役が自己ではなく、他者なのです。
だから、予備動作が起こることはありません。
しかし、もちろん、これの完成系は大変難しいものです。
人は意識を使ってしまうし、準備をしてしまうからです。
ここが修行であり、稽古なのです。
それは精神の修行といっても差し支えありません。
そして、相手の意識の変化を完全に感じ取る、自分の意識にそれを映し出すという稽古もあります。
その事で、つまり、相手の意識の変化に動かされるということになるのです。


自分から動く、から、相手に動かされる、へのベクトルの180度転換。びっくりしました。私は「自己」ありきの西洋人から色々習ってきてしまったのでこういう不自由な解釈をしていたのかと思います。

自己ありき、は考え方としは決して間違ってはいません。ただ、その自己をどう処理するのかが、西洋には無いのです。自己をどう成長させるのか、成長させるとはどういうことか、というような事には一切ふれずに、未成長の自己の上に知識を乗せていくというのが、日本以外の文化です。日本でも、特に「道」と名の付くものは、その自己に徹底的に拘り、そこに直接働きかけるということをしていきます。簡単に言えば「自己否定」です。その事で、表面に現れる言葉であれ、行動であれを自動的に成長させるということになります。

注)この自己否定についてはさらにうんと長くなるので別の項にさせていただきます。

自分から向かうのでない、予備運動のない動きには
先生のおっしゃる 思わず、の動きや
とっさの反射的な動きがあると思いますが

無意識の癖 はどうでしょう。

無意識の癖というのはやっかいですが、無意識で行う日常的行為を、意識的に行うというトレーニングをすることで修正させていけば良いだけです。

私は無意識の癖については予備運動が見えると思っていたのですが、それは私が人の癖のパターンを把握して、その人の意識の変化を見ていたのかもしれません。

きっとそうでしょうね。
そして、相手の意識の変化を完全に感じ取る、自分の意識にそれを映し出すという稽古もあります。その事で、つまり、相手の意識の変化に動かされるということになるのです。


これはフォーサイスカンパニーとやっていることですか?バレンシアWSでもやりますか?

というよりも、これは武道の稽古の定番なのです。
それをすることで、自分自身が意識的に動いたのか、動かされたのかに気付いていけるのです。
武道の全ての動きはこれで成り立っており、それが武道の稽古と呼ぶのであって、
それが無い稽古は武道とは呼ばないと、私は定義付けています。




2 相手の予備運動を見抜くとき(本気の付きとフェイントを見分ける時)先生は相手の何を見ているのでしょうか。

これは、ズバリ相手の意識の変化です。
フェイントの時は意識はわずかしか動きません。
本気で来る時は、意識が変化します。
そこの反応です。
しかし、武道では相手のフェイントも利用して攻め込みます。
その意味でも、フェイントは通用しないのです。

もちろん、これらは体験の科学のようなものですから、理解できても使用する事が出来ません。その意味でも実際の稽古が必要なのです。


意識の変化は相手の目に映りますか?それとも先生は別のところを見ていますか?

まず、目に映ります。
ですから、最初は目の変化を知るところから始めます。
それが熟練してくると、場に何かしらの変化があり、こちらの身体に影響が出て動いてしまっているになります。
もちろん、ここは結構長い道のりです。


注)やはりケビンフランクの解釈は浅かった。相手のプリムーブメントの見抜き方、というのは無意識の筋反射や重心の移動を見分ける哺乳類特有の能力などではなく、相手の意識の変化を見抜く力だったのです。YouTubeでは先生は相手の目からそれを読み取っているように見えたのでそう伺ったら、それはその後場に現れる、自分が動くのでなく、相手に動かされる、という、武道の基本で奥義で、そして私にとっては全く未知の世界の説明になりました。話がここに及ぶと毎回私はスタック状態です。ここはこれ以上聞いても無駄。体験しないと絶対につかめない。

また意識というのは相手の自我ですか?それとも魂、エネルギー、そういったものですか?・・おそらくこういう質問自体が西洋かぶれなんでしょうね。。西洋人にはあうんの呼吸、間、気配を消す、などという感覚は理解できないですものね。私もついつい西洋に毒されています。。

ここでいう意識の変化というのは、「今、攻撃してやろう」というような、欲であり、意思であり、思い等の集合体です。

これを武禅の合宿でやるのですよね。

もちろんやります。
ここで難しいのは、「思う」ということと、「意思」ということの分別です。
もちろん、自分自身のことです。
簡単に言いますと、「私に向って下さい」というと「あなたに向っていると『思う』」になるのか、本当に「あなたに向うのか」の違いです。大方の人は、「思う」になってしまって、本当には向いません。だから、「あなたは私の前にはいない」という言葉になるのです。こういった究極の否定は、残念ながら西洋人に対しては出来ません。そんな考え方植えつけられていないので、すぐに壊れてしまうからです。だから、論理武装するのです。

ついでに論理武装というところで言うと、西洋人の論理武装は単に重箱の隅を突っついているにすぎず、大局的な論理にはなっていないのが殆どです。
例えば、

> また意識というのは相手の自我ですか?それとも魂、エネルギー、そういったものですか

というように、簡単に魂であるとかエネルギーという言葉を使いますでしょう。それは全く合理的ではありません。意識とは何か、は、未だ人類が解決していない言葉ですし、魂というのも、エネルギーというのも、正体不明です。つまり、論理を組み立てようとした時、その正体不明のものも、正体不明でないものと同等に扱うことは出来ません。それは論理の飛躍だからです。意識も魂もエネルギーも否定するものではありませんが、その言葉を用いる前にもっともっと具体的なことを積み重ね、解決していかなければなりません。


注)ここはガツンとやられるだろうなと半分予測していました(笑)。実体のない言葉をいい加減に使って議論した気になるのが西洋流で、私もわかっていない時には西洋人並みにこういうことを並べ立ててフリをする癖がついていますが、全くこのとおりです(笑)。

私は日本人の方が西洋人よりも遥かに論理的だと思っています。それは根底に自己否定が出来る民族、というのがあるからです。つまり、護らなければならないものは、最終的には無いという思想が根ざしているからです。

注)これ以降は、私が常々格闘しつつ敗退を繰り返す禅への領域。もう自分の底の浅さは丸見えです。どうせわかっていないのだからフリをすることもやめて、正直に、このわからなさ加減をさらけ出して、いずれこの続きを公開させていただきます。

これらは膨大な日野身体理論のほんの一部です。これでわかるのは、この理論を頭でわかった気になるのと修得するのは全く別だということで、これは今後寝ても覚めても24時間稽古が必要だろうということです。おそらく先生のおっしゃることを肌で感じて合点するのは来世の課題になるでしょう。「自己否定」を心理学用語と解釈してしまうとまた勘違いしてあさっての方向に迷い込むはず。いつも私が途方にくれる無あるいは空の境地のことを言っているのだと思います。ちなみに神風に代表される決死の姿勢をいうなら、それは得意でいつもやっています。武道に関して全くのど素人の私が礼もわきまえずこういう質問をしまくり、黒帯の方々の間にひとり混ざって道場破りをするのもその一つ。
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プロフィール

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Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
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2017年冬 東京セッション
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講師にお招きします。

参加費用:
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受講料:60ユーロ


参加お申し込みを受け付けております。
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Takami Kamata

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