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2015. 12. 07  
恒例化したクライアントさんご夫妻(以下R氏)との歴史探訪イベントで、今日はリューデスハイムに連れて行ってもらいました。リューデスハイムといえばリースリングワインで有名なワイン畑と今の時期ならクリスマスマーケット。アルプスから始まったライン・マイン川が最後に合流する河口は風光明媚で見所が多いので、人気の観光スポットです。

まずはゴンドラに乗って
IMG_4320.jpg
Rüdesheim, Blick aus Seilbahn, 20151206_113135 のコピー
Rüdesheim, Blick von Seilbahn auf Burg, P1060573
終点へ。

ここから眺めるかつてナポレオン率いるフランス軍に占拠された川向こうは、天国のよう。
Rudesheim, Blick auf Nahetal, Sonnenstrahlen, P1060579
この一帯はライン・マイン川を挟んで南北に隆起していて、こちら南側の斜面が有名なリースリングワインの産地です。肥沃な土地で土が水を吸い込みやすく、なおかつ南向き斜面が温かい太陽の光に照らされて土が暖かく湿った状態を保ちやすいのがその理由。このライン川というのはプレートが走っているところで、この両側の隆起によって川がどんどんえぐられ、いずれ土地が分断するだろうと言われています。

ニーダーヴァルト記念碑へ。
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この記念碑をみて特別な感慨を持つことは今までなかったのですが、あらためて歴史背景を聞いたら、案内してくれた彼らがこの記念碑を醜い、大嫌いだという理由がわかりました。

この記念碑は、ナポレオンにより征服されていたライン川の向こう岸が、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗れたことによってドイツの元に戻ったことを祝い、憎きナポレオンのフランスを呪いつつ戦争勝利を祝う象徴なのだそうです。ドイツの統一記念というのは間違いではないですが、むしろフランスが敗れたことに対する万歳三唱の戦争勝利記念といったほうが正確。また記念碑を作成するにあたっても、ヴィルヘルム1世の銅像を大々的に真ん中に置きたい、いや市民を前面に置くべきだ、と喧々諤々の論争があり、結局妥協した形で両者を刻むことになりました。

この記念碑に寄せられたドイツ語の詩を読んでもらったのですが、擬態語がたくさん散りばめられた大げさな様子がいかにも軍国主義。面白いことに英語に翻訳したらイギリス人がこれは自分たちのオリジナルだと誤解したほど、そっくりなメンタリティを象徴しているそうです。大日本帝国が第一次世界大戦に勝利した時の詩があったら、これもそっくりなんだろうなと思いました。

日本では徳川幕府末期にあたるこの時代、ヨーロッパではナショナリズムとロマンティシズムが流行していました。狩猟採集の生活をやめて定住するようになってから、人々は自然の克服→所有願望→戦争という道に余儀無く入っていかざるを得なくなった。そしてデカルト的合理主義で大きく道を踏み外し、はたと自分の傲慢な立ち位置を見てしまった。これでいいのか。ふと気付いた根源的美意識。合理主義にうんざりして主観に揺り戻ったロマンティシズム。古代から軍人も宗教家も、心を揺さぶられ美しいと思うものは同じだったのではないか。美の概念を追求すれば、そこに争いは無くなるのではないか。R氏によると現代はこのロマンティシズムをずっと引きずりながら軍国主義を翻し自然回帰を目指している時代なのだそうです。

日本はどうだったろう、と思いました。もともと合理主義やら自然の征服などという概念がなかった日本は、当然自然回帰などという思考もない。そもそもそれまで自己と切り離した自然という概念がなかったのです。維新によって日本が輸入したのは、西欧諸国がうんざりしつつあった合理主義とナショナリズム、それの延長線上にある愛国主義と軍国主義のほうだったのかも。日本でロマンティシズムというとまず与謝野晶子や太宰治をぱっと思い浮かべますが(森鴎外は何か嘘くさい)、R氏のいうロマンティシズムにあたるのは手塚治虫や宮崎駿でしょう。

ラスコーの壁画でもなんでも、古代の人のエネルギーを感じる遺跡などは、美意識という視点で見ると今までと違った側面が見えてくる気がします。後々になって人の心を打つ作品というのは、なにかその人が全存在を捧げて追求した美意識が表現されている。時代の影響は必ず受けるから表現形態は違う。でも表現を駆り立てる動機が権力誇示なのか美意識なのか。これはだいじな指標。

話がそれました。

一般的な過ごし方は、その後ワイン畑を見ながら下って、いくつかのワインセラーを訪れてワインを購入し、つぐみ横丁を通ってクリスマスマーケットで楽しんで帰るというものです。つぐみ横丁は観光客用にとても魅力的なお店が立ち並んでいるのでついふらふら入りたくなる。でも案内してくれた方がこの周辺とクリスマスマーケットで見かけるのは中国人ばかりで、ドイツのオリジナルはほとんどない、と素通り。(有名なクリスマスマーケットなのでチラ見くらいはしたかった・・・。)

観光客に人気のあるレストランを避け、大通りから離れたホテル併設のレストラン(この辺りではむしろホテルレストランが間違いないとのことで、実際すごく美味しかった)で食事をしてから向かったのが、ヒルデガルトフォンビンゲンが晩年をすごしたアイビンゲン大修道院でした。今回最も楽しみにしていたところ。
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どこまで本人に似ているかわからないけれど、ものすごく魅力的。

修道院ツアーもあるそうですが、今回は中に展示してあるあるヒルデガルトの生涯を見るだけで終わりました。この人についてはいずれまとめたいですが、とてもさっと書ききれない。

併設の売店
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これを今回いちばん楽しみにしていたのです!修道院で栽培する完全無農薬の薬草を作った薬草茶や、ヒルデガルトのレシピに基づいた軟膏、お菓子、等々を販売しているお店。

店員さんは修道女なのですが、どなたもとても満ち足りた輝いたような表情をしているのが印象的でした。この人たちは光とつながっている。天と繋がり、地とつながっている。まるで牢獄のような建物のなかに住み、厳しい戒律のもと我が身を完全に神に捧げて人々に労働奉仕している彼女たちのこの佇まい。チベットの修道僧を思い出しました。祈ることが日常化している人間は美しい。

ここで見つけてしまいました。かつてから欲しかった、ヒルデガルトの薬草辞典の英訳版!天にも昇る気持ち。
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Yes!!と購入。

陳列台の一部。このあたりは全部胃腸の不調を改善させるもの
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ドイツでは有名な、足の腫れを取るための軟膏。今後セッションに使います。
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お腹にいいお茶
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そして今回直傳靈氣講習会に参加される方へのお土産。ヒルデガルトのレシピをもとに作ったナツメグのクッキー。神経のためのクッキー、てどういうクッキーと思いましたが、裏の説明にどういう効用があるか書いてあるのを読んだら、靈氣受講者にぴったりじゃないの。
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先ほど買ったPhysicaでさっそくこのレシピを翻訳すると
「ナツメグは人の心を開き、とらわれのない判断を促し、良い心を与える。ナツメグ、シナモン、クローブを同量粉にして、これを小麦粉と水を使ってクッキーを作ってしばしば口にしなさい。そうすると心の苦しさは和らぎ、開かれ、感覚の障害がなくなり、心が快活になる。感覚を浄化し、悪意を取り除く。血が浄化されいい流れが加わり、体質が良くなる。」

全部この修道院の管轄で作ったものです。このお店と専用のウェブサイトでしか買えません。一般のオーガニックショップでも販売されていないので、どうぞお楽しみに。移動中割れてしまったらすみません。。。
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はじめまして!うわーリューデスハイムだーー!と懐かしい気持ちで読ませていただきました。十数年前に行った時と全く変わらないリューデスハイムに感動です。私はFrankfurt am mainに住んでいました。今は日本に帰国しています。
Re: No title
> はじめまして!うわーリューデスハイムだーー!と懐かしい気持ちで読ませていただきました。十数年前に行った時と全く変わらないリューデスハイムに感動です。私はFrankfurt am mainに住んでいました。今は日本に帰国しています。

池永さま はじめまして!コメントありがとうございます。私も本当に久しぶりだったのですが、変わってませんでしたね〜。ただ観光客が変わりました!本当にびっくりするほど中国人ばかりでした!!
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プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

・・・・・・・・
ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

・・・・・・・・

内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

・・・・・・・・

・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
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2017年冬 東京セッション
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内容
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ーミニコンサルテーション
Abby Takarabe, Peggy Bideホメオパスを
聖地スワジランド、オーストラリアから
講師にお招きします。

参加費用:
50ユーロ

タロット講座

10月23日(月)
13:00−16:00

講師:大塚英文さん
受講料:60ユーロ


参加お申し込みを受け付けております。
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Profile:

Takami Kamata

Certified Advanced Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

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