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2016. 02. 19  
日を追うごとに後味の悪い体験の残り香が強くなり、このまま書かずにおきたいという思いが強まる一方、最初の投稿で1と書いてしまったのは2を書きたくなくなるのを見越した神の計らいだったのかもなどと思えてしまい、やっぱり続きを書きます。トレーニングのつけで今週はものすごく忙しくて疲れているし、ホメオパシーの臨床に向けた準備でそれどころではない・・でもこれはたぶん今整理しておく必要があるのかもしれない。


今回のトレーニングの内容は、人生を決定づけるような深刻なテーマについてでした。突発事故、性的虐待、出生前と出生直後の体験など、回避不可能だった出来事によってもたらされたトラウマです。このトラウマは多くの場合、根源的な無力感、自己卑下、恥、罪の意識と結びついていて、顕在意識ではシャットダウン(記憶を封じ込め、なかったこと)にしていますが、潜在部分ではこの感覚が知覚のベースになっていて、すべての経験をこのトラウマと結びつけ(overcoupling)塗り替え、トラウマを増強しています。

たとえば母が苦しい妊婦生活を送り胎児を愛おしく思えなかったとします。生まれた子は絶え間ない分離感や不安感、愛情の欠乏感に苛まれ、体験する出来事をこの分離感や不安感に結びつけて解釈し、やっぱり私は望まれない人間だ、私は愛される価値がない、人生は空虚だ・・、と結論づけるなど。(あくまでも、たとえです。)

このトピックは膨大なので、ここでは受胎時から出生前後期に体内で受けたトラウマ(Pre and Peri-natal=PPN trauma)、それに続く幼少期のトラウマに絞って紹介します。

かなり内容が衝撃的なので、どうしようかためらったのですが、これが救いのないトラウマではない、手当て可能、ということを知っていただきたいから、あえて率直に紹介することにします。胎生学、発達心理学については専門書や専門教育機関が山ほどあるので、ここではその内容の一部をざっとご紹介するだけにとどめます。

胎児での体験が生涯にわたって影響を与えるのは容易に想像出来ます。子宮という密室で、母とのライフラインだけが頼りに命をつなぐ胎児は、このトラウマ体験を通して、人生は自分の力ではどうしようもない、選ぶことができない、逃げることができない、という思いを植え付けられます。これはのちの行動パターンにつながります。

"Children are not born resilient. Children are born malleable." (子供は回復力が強いのではない、順応性が高いのだ。)というのはBruce Perryの言葉ですが、これは私たちの誤解をよく表しています。出生直後、子供はあまり痛みを感じないからと麻酔なしで手術したり、子供はすぐ忘れるから多少のことは大丈夫などと配慮のない扱いをしたり・・多くの引き金がありますが、これらはその後本人に自覚のない深いトラウマになったりする。自覚がないので本人はこれが PPNだとは知らずに苦しみます。

まずはPPNと幼少期の範囲:
  • 受胎
  • 着床
  • 胎生
  • 出産
  • へその緒の切断
  • 最初の絆:おっぱいとの出会い
  • 神経組織の調整
  • 手を延ばす、寝返りをうつ、はいはいする、歩き始める・・


この一連のどこかで何かが妨げられると、それは刷り込みとなって生涯に影響を与えます。

  • 罪の意識
  • ああ、そうか・・・
  • 焦がれ
  • 失望
  • 後悔
  • 憤り
  • インスピレーション
  • 畏れ
  • 興奮
  • 自責
  • 嘆き
  • 不信


こういう馴染みの感覚は、もしかして刷り込みかもしれません。

この感覚は本当に自分のものか?
この感覚は母のものではないか・・?
あるいは私に影響を与えた祖先や世話人のものではないのか・・?


子供は生まれてからものすごい勢いで神経システムを構築していきます。この時期最も大事なのが感情を発達させること。子供は、自分の表現するやる気や喜びというものを見てもらいたい、分かち合いたい、という気持ちがものすごく強く、ここでしっかり両親に見守られると「自己」を構築していきます。ここで自分の価値というものを確立する。これが自律神経の構築に影響を与えます。

子供の見て見て!という絶え間ない要求にその都度応じる、というこのリズミカルな応答によって子供の自律神経、行動パターン、神経組織、内分泌系が発達します。この時期、子供は喜びや興奮を体験する、というのはものすごく大事。ここに必須なのがリズム。

現代社会は、何もかもが早過ぎる。急ぎすぎる。神経組織の構築に必要な時間を待てない。結果として大人になってから、自分と繋がれない、自分の体が感じられない、自分が何なのかよくわからない、といった感覚に陥りやすい。

現代に生きる私たちは、本能、直感を信じ、体の感覚を信頼し体に聞く、ということを封じてしまっています。 SEではこの本能の部分を引き出し再構築を手助けします。

PPNのトラウマだと思える症状:
  • GHIA* (Glova High Intensity Activation)
  • 目の動き
  • 皮膚疾患
  • 喘息
  • 過敏性腸症候群、消化不良
  • コリック
  • 慢性疲労症候群
  • ADHD, OCDほか各種人格障害
  • 統合失調症
  • 免疫疾患、環境に対する過敏さ
  • 関係構築に関する問題
  • 過剰な性的衝動
  • 学習障害、行動障害、運動機能の障害
  • 衝動の抑制がきかない、別のものにあたる
 *GHIAというのは体全体に影響を及ぼす、もう自分ではどうにもならない激しい反応のこと)

胎児は丸い子宮内で丸まり、ゆりかごのように行ったり来たり揺れていますが、再三にわたるエコーや検査による注射針などの侵入により動きが妨げられると(というのは胎児はこういう侵入者に明らかに反応するのは映像で確認されていて、中には凍りつく胎児もいる)のちに脊柱側彎症に繋がることもあるとも言われています。

体内でストレスになるものはまだあって
  • 投薬
  • 喫煙
  • 飲酒
  • 食物アレルギー
  • 妊婦のストレス
  • 血液型不適合
  • 無痛分娩による麻酔
これらは胎児によってサバイバルジレンマです。自分を養ってくれるはずのものが同時に危険で自分の生命を脅かすものでもある、というジレンマ。胎児はここでぎゅーっと体を縮め、流れを妨げて生命力を下げ、迫り来る毒に備え、そしてシャットダウンします。

こういう体験をトラウマとしてもつと、その後その人は自分の体の少しの変化にたいしても過敏になります。(ホルモンの変化、食物、薬、ビタミン、ウィルス、感情の起伏、天候、すべてがストレッサーで、過剰に反応する。)

ホメオパシーでも出生の様子を探るのはかなり重要なキーで、困難な妊娠をしている妊婦さんに処方する重要なレメディはいくつかあり、またそういう妊娠を経て生まれた子供にも同じレメディを処方したりします。大人になっていろいろな精神疾患に見舞われた時、PPNと思われる記憶をたどることが処方の決め手になることも少なくありません。

ホメオパシーでも処方の決め手になるキーワードの中にPPNだなと思えるものは多く、たとえば
  • 頭が体と離れている、自分の体に統一感がない、足が地につかない
  • 消えて無くなってしまいたい
  • 絶え間ない恐怖、特定のものに対する、制御不能な恐ろしさ
  • パニックアタック
  • 分離感
  • 罪の感覚
  • 恥の感覚、etc.


さてここからは実際の手当てです。 SEではトラウマは神経組織がこれを受け取るにはキャパ越えだとしてハイパーになった状態だと定義し、神経組織を調整することで解決を図ります。キーワードを見つけたら、それをすこしずつすこしずつ、受容のキャパ内に収まるように導いていく。施述者は繰り返し繰り返し、いかに安全に導くかということを念頭に置きながら、注意深くそのプロセスに付き添います。

私の場合、トレーニング直後からSEのテクニックはほぼほとんどすべてのロルフィング及びムーブメントセッションに取り入れています。自律神経系の微細な変化をすかさずとらえて調整すると、秩序に導くのがうんと効率的だというのは、このトレーニングを始めてすぐに感じたことでした。私自身が身を持ってトラウマ形成の一部始終を体験してきたから、神経系がハイパーになった時のどうにもならない絶望感や焦り、それに続くトラウマパターンの繰り返しに、なるほどその通りだと実感しました。アプローチの違いこそあれ、着目点はホメオパシーとかぶるところも多く、中にはSEから始めた方が近いとかホメオパシーを併用した方がいいと思える人もいて、こうなるとセッションは今後ますますロルフィングとSEとホメオパシーのフュージョンになっていくと思います。
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プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

・・・・・・・・
ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

・・・・・・・・

内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

・・・・・・・・

・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
+49(0)6171 279 0088

・・・・・・・・・
2017年冬 東京セッション
12月27日(水)〜1月3日(水)


2017年 直傳靈氣講習会(フランクフルト):

前期10月20日(金)14:30〜18:30
  10月21日(土)9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
後期10月20日(日)9:30〜16:00
        
      
直傳靈氣交流会(フランクフルト)
10月23日(月)16:00〜18:00

ホメオパシーについて語る会
10月18日(水)14:00-17:00
内容
ホメオパシーとの付き合い方:
ーファーストエイド
ーミニコンサルテーション
Abby Takarabe, Peggy Bideホメオパスを
聖地スワジランド、オーストラリアから
講師にお招きします。

参加費用:
50ユーロ

タロット講座

10月23日(月)
13:00−16:00

講師:大塚英文さん
受講料:60ユーロ


参加お申し込みを受け付けております。
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Profile:

Takami Kamata

Certified Advanced Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

rolfertakami@gmail.com


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