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2016. 04. 15  
先日Hessischen Staatsballettsの公演Kaspar Hauserを観にHessisches Staatsteater Wiesbaden(ヘッセン州立劇場)に行ってきました。フランクフルトからはSバーンで1時間ほどのWiesbadenは、フランクフルトが新宿だとすると青山といった風情で、瀟洒な大通りには遠目でウィンドウショッピングだけで精一杯の高級ブティックや高級食材店が立ち並び、劇場周囲の一帯にある美術館、庭園、大通り散策を入れれば、1日で充実したザ・ヨーロッパ観光ができます。1時間ほど足を伸ばすと別世界の広がるWiesbaden、ぜひお勧めです。

さてこのKaspar Hauserという演目ですが、実話を基にしています。主人公のKasparはある日突然一枚の手紙を手にドイツに現れた生い立ち不明の若者で、地下牢で育ちました。足と言葉が不自由で社会から孤立して育った彼が、社会と関わっていく様子を描いたものです。「君は何者なんだ、カスパー」と問い続けながら社会との適合でもがく一人の若者を描いた作品ですが、作品そのものは前作のシンデレラと同様、全世代の方々に気軽に楽しんでもらえる内容です。思いがけない急展開に唖然としてしまうのですが、これは見てのお楽しみです。

この作品は主役のKasparを演じたTylerがすばらしかったです。もうこれを演じるには統合失調症になるしかないだろうみたいな喜怒哀楽の激しい展開で、肉体的負荷も精神的負荷も半端ない環境下で終始舞台にさらされ続けるって相当なものです。ヨーロッパのダンスの公演は本当に安くて、なんだかこんな金額であの渾身の演技を見せていただくのは申し訳ない気持ちです。

夢のような装飾が施された伝統的なヨーロッパの劇場で繰り広げられる非日常の世界。観客の私たちはここに何を求めているんだろう、と思って周りを眺めていました。明らかに自分の人生とは全然重なるところのない主人公に、それでも胸を打たれるのは、彼が表現しようとしている人類普遍の苦悩や人類普遍の喜怒哀楽なのかなぁ、と。

今回面白かったのは、それぞれの役を演じるダンサーたちのおそらく元の性格や人間関係といったものが舞台にかなり出るんだなとわかったこと。あと意識の置きかたにずいぶん個人差があって、手足を動かしているだけの人とそこに意識を入れている人の差が一目瞭然だということ。意識の置き方に対する差が、舞台での関係性にものすごく反映するので、同じダンサーがつながりを感じられないダンサーと踊ると同じ人間と思えないくらい質が変わってしまうということ。ものすごく感動する動きというのは、どううまく身体を動かしたかというところにはない。動きは結果であって、そこに至るまでのプロセスが動きには全部出てしまうので、私たちはそれを見せていただいているんだなと思いました。フォーサイスの作品はどれも極端で、なんだか個人の性格みたいな部分を剥ぎ取った、分子や電子で勝負みたいなところがあったので、なんだか別のセンサーで見ていた気がします。今まで気づきませんでした。

あと、いつも思うのが舞台の一期一会。この作品は踊りは踊りですごく素敵で楽しめたのですがそれよりも役を演じる要素が強くて、舞台を生で見るのはテレビやネットで見るのと全然受け取るものが違うんだとわかりました。この一期一会の奇跡を知ってしまうと、同じ舞台を何度も見に行く気持ちがわかります。逆にネットの世界にとどまる孤独感と分離感が際立つ。

Tylerを見て感じたのはつくづく、この人ピュアなんだな、ということ。彼の舞台裏の苦悩も、生い立ちも、私は伺い知ることはできませんが、それを差し引いてもなにかこの人人生の捉え方がピュアなんだなと感じさせるところがあって、こういう風に人生を精一杯生きている人が渾身で表現してくれるものには胸を打つものがあります。

印象に残ったダンサーはあとはFamilie Daumerを演じたMiyuki ShimizuさんとLord Stanhopeを演じたDavid.この二人は独特な雰囲気を持っていて華があって、舞台映えするので一瞬で観客を捉える。やっぱりこういう天性のものを持った人は羨ましいです。私は前半がものすごく好きで、とくに関係性を丁寧に表現したTyler, Miyuki,Igliのトリオと、Davidのタバコを吸いながらのソロが強烈に印象に残りました。

実は明日の土曜日もう1度TylerがKasparを演じるようで、たぶんチケットはまだ取れるはずなので是非お時間のある方はお出かけください。たぶん今の彼はものすごくいいはずです。この一期一会はぜひご体験ください。そしてよろしかったら是非感想をシェアしてくださいませ!

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Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

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Takami Kamata

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