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2017. 02. 05  
先日Sebastian Matthiasが博士課程の一環として作ったコンテンポラリーダンスの作品groove spaceがフランクフルトのMousontormで3日間だけ公演されて、そこに行ってきました。10代から海外で活躍する寺山春美さんが出演してらっしゃいます。目が印象的な彼女。踊ると妖精みたい。2012年にローザンヌで優勝した菅井円加さんを連想する、踊るのが大好き、楽しい!というオーラを放っていて、なんだか直視するのが眩しいくらいでした。あれは男性にとっては悩殺の目力。ヨーロッパで活躍する日本人は日本人ぽいところが強みになるのですが、彼女はそうではなくて、日本語話さないかぎり日本人とわからないところが印象的でした。

これは面白かった。いや何を観てもいつも面白いのですが、この作品にはなにかとりわけ個人的な反応をしてしまった・・・。

振付家のセバスティアンのこの作品は、いままでのところスイス、ドイツ、日本で上演されてきたのですが、面白いのはこれが観客とダンサーの間に境界線を設けない、観客参加型の作品だということ。いまこういう形態の作品が多いようで、私たちの共通の関心が照らし出されているよう。おもむろにストリートでパフォーマンスを始めたら、群衆がだんだん集まってなにか大きな盛り上がり方をすることがありますが、それを毎回インプロでやっているみたいな感じです。群集心理、対人間関係での境界線の問題、人とつながり、関わり、離れる、というプロセス、こういった心理的テーマがクリアにあぶり出されていて、みごとだなと思いました。

8時開演のチケットを持ってドアの前に待っていたら、8時を過ぎてもドアが開かない。だんだん時計が気になりだし、腕時計をチラチラみながら、泳ぐ目でまわりを見渡す。以前ダルムシュタットまで2時間かけて行った公演で、入り口がよくわからず間違った入り口の前で待っていてしまい、開演後違ったとわかっても正しい入り口がわからず劇場を走り回った挙句、やっと辿り着いたドアの前で警察官みたいな係員に事情を説明し泣き落としをかけたのに絶対ダメ!と門前払いを食わされ、惨めに帰った悪夢が蘇る。15分経ったところでもう不安がピークに達し、2階から人がだーっと降りてきた時、あっちだったかと人の波に逆らい心拍数危険区域のスピードで階段を駆け上がり、いつまでも階段の中盤でたむろしている人にイライラと目線を送って別の入り口にたどり着くと、中ががらんどう。一体全体どうなっているんだろう????

とぼとぼ階段を下りながら、不安で不安で、ふと隣の目立つ感じの女性にチケットみせながら声をかける。「このチケットの公演を待ってらっしゃいます??」「ええ」「もう時間過ぎてますよね」「ええ、たぶんこれもその舞台の一つなんでしょうね」「はあ?」

観客参加型とは聞いてけれど、ダンサーがいないじゃないの。

他の人たちは連れ立って来ているから楽しそうに団欒していて、私のような浮いた感じがない。ぽつねんと立つわたし。身寄りがない。心細くて惨め。周りをチラチラみていたら、となりに立っていた見栄えのいい男性が笑いかけてきた。その視線が場にそぐわず妙に親密に感じてとっさにガンメで返し、目をそらす。

みると、入り口の前の床に、2人の男性が裏紙を一枚一枚丁寧に並べ始めている。シュレッダーにかける前の、事務的な資料。これ読めってこと?でも裏返しだから読めないし。覗きこみに行って意味がないとわかり、しばらくそのふたりの注意深くてでも無意味な作業をぼーっと眺める。この2人の作業によって床に3m x 4mくらいの白い長方形ができたところでやっとドアがあいて、ホッとして中に入る。

ホッとしてなかに入ったら、暗い部屋に白色蛍光灯が不安な色を灯す無機質な空間。

え、ダンサーは?

展示場なんだろうか。椅子もないし、舞台もない。しかたなくうろうろ歩き回って探索して、私どこに立てばいいの、どこにいればいいの、と自分のコージーコーナーが決めきれずうろうろしていたら、変なぶっぶっという音がするのでふと顔を向けると、なにか座って蛍光灯をいじって音を出している人がいる。ああ、スタッフか。機材の調整?それにしてもいつになったら始まるんだろう。

暗いから自分の最高に不機嫌な顔を人に見られる心配もないのをいいことに、ムッとした顔のままその人をじっと見つめる。片付ける様子もない。なにかだんだん演奏をしているような気がしてきた。定期的なリズム。あ、この人演奏しているのか。それにしても地味で変わった音源。

展示場を見て回る人たちがうろうろと動き回るなか、ある一定の動きをしている人がだんだん目に入ってきた。あ、群衆のなかに紛れていたのね!と今更わかった。

最初トラウマ的記憶や苦手な状況で心理状態マックス悪かった私としては、席もなく、妙にダンサーが近いところに来て笑いかけられたりしてしまったりすると居心地の悪さが増し、身の置き所がなくてもう逃げ出したい衝動にかられました。でも出口が閉まっている。

一見無秩序ななかで、だんだんと揃った動きが起こり始める。観客の私はどこまで参加していいのか途方にくれる。下手に動いたら他の観客の邪魔になるし。同じくダンサーたちにインプロを仕掛けられる観客たちが照れたような笑いとぎこちない動きを返している。ダンサーたちが「西巣鴨」を連呼しながらラップをし始める。え、西巣鴨???明らかに日本語。彼ら日本に何度も行って、日本のものをかなり作品に取り入れている。

地味だと思っていた蛍光灯の音が、いつの間にか大音量になっていて、アフリカの太鼓を彷彿させる地響きのするリズムを刻んでいる。私この音好き!!!五臓六腑に響いて、ガンガンに動き出したい。しかしここで踊っていいのはダンサーだけのはず。本来だったらめちゃくちゃ身体を動かしたいはずのリズムで踊れないくやしさを小刻みな足踏みでがまんして、でもなんだか顔は笑顔になっている。今日は笑わないと決めたのに。

そうこうしているうちに観客も巻き込んだ紙吹雪での雪合戦が始まり、最初は離れて立って紙吹雪をうけないようにしていた私も、後ろからざーっとかけられて鎧を下ろしました。もういっか。

しまっていたドアがあいて、待っているときに失礼な感じで私の足元の床ぶきをしていた掃除夫(いや彼もスタッフ・・)が入ってきて紙吹雪をモップで掃除し出す。それに続いて、たくさんのモップとちりとり参上。え、これで掃除しろって?床を掃除しないと次のステージ始められないわよね。もしこれで終わりだとしても、掃除は必要だろう。

日本人の性で、労働となるといきなり参加を始める私。タスクオリエンテッドなんだなー、居場所がないとき、労働の機会があるのは救い、と自分の性格を分析しつつ勤勉にモップを動かしながらふと横を見ると、器用にちりとりを扱っているのも日本人女性だった。あとで聞いたのですが、日本でこの掃除場面では女性しか参加しなかった回があって、めちゃくちゃダンサーの不評を買ったとのこと。

そうこうしていたら、ダンサーがひとり、またひとりと観客を誘って外に出る。私も仕事を終えてついていったら、私たちを上から写していた映像が、最初に床に作った裏紙のスクリーンに映し出されていた。私が必死に床を掃除している様子もばっちり・・・もう嫌・・・

さらに驚いたのが、入り口で私に笑いかけた人が振付家のセバスティアンで、私が話しかけたのもスタッフだったということ。最後に彼らとのトークがあってそこで知りました。

彼らによると、この着想は渋谷交差点から来たということ。日本人があの一瞬無秩序に見える交差点で、どうやって優雅に身を交わし合って短時間に目的地にたどり着くかをずいぶん研究したとのこと。

思わず返してしまいました。渋谷交差点って、最も人がアグレッシブになる場所の一つだと思うんですけど。日本人てお行儀いいし人に気を使うけれど、匿名になった途端に嫌な人になる民族。駅、電車、渋谷交差点というのは私にとっては匿名の場所。こういう親密な作品の題材に使うなんて全く似つかわしくないから、面白い。

ヨーロッパにいてよく思うのが、レディファーストが徹底しているところ。人と人がかちあった時、かならず譲る動作をするくせがついているところ。ドイツ人の車の運転のマナーの良さとも通じる。日本人は違う。かちあった時、かならず自分が優位な場所をより早く取りに行く。ディフェンスを抜く作業が日本人得意なのは人ごみで練習してきているからかも。


ということで、笑えるくらい見事に短時間で心理操作されました。娘にもよく言われますがばかみたいに簡単に機嫌が変わる。私はどういう状況でアクティベートされ、どうやってグループから疎外され、どうやってグループに入り、どうやって人と繋がり、どうやって離れようとするか。大金を払って何年もアカデミックな形で関わってきたけれど、こうやって一瞬で気づかせてしまう技術がダンスにはある。すごい。

面白かったのは、こうやって観客とダンサーの間に境界がないことで、毎回完全にインプロになるということ。だって観客が毎回どこに立つか全く予想できない。私が行った時はたまたま部屋の真ん中に立つ観客が多く、ダンサーたちが踊る十分なスペースがなかった状態で、いきおいあちこちに分かれて踊る羽目に。こうなると息を合わせるのはこれもインプロの蛍光灯の音と、観客という障害物を越えた、それぞれのコネクトの意識。これはすごいなーと思いました。人間を間に挟んだ状態でのコネクト。こんな風に観客がばりばり障害物になるときや、逆にすべての人が壁にはりついて全くパフォーマンスを傍観しているだけのときもあり、毎回のダイナミズムがダンサーたちにとってもとても面白いものなのだそうです。

ところで、特記事項。あの独特のリズム感で躍動させてもらい、めちゃくちゃファンになったあの蛍光灯(OPTRONという)の人、最後にお話しすることができたのですが、なんと日本人でした!!!!存じ上げなかったのですがこの形態の演奏の生みの親でいまや世界中で活躍中の伊東篤宏さん。勝手にアメリカ人と思いこんでいたので、日本語を喋り出した時には卒倒しそうになりました。地味な操作をしてるなと思ってるうちにいつのまにか観客とダンサーを根こそぎ抱えてもっていくような場を作り出してしまった彼、この音のセンスとリズム感てすごい。しかも彼がまとめているのに本人ご自身は最後まで俺は放っておいてくれ的オーラを醸し出し続けるあの徹底した感じがいい。いや日本人のこういうところ、いいですね。ホームページいただいて拝見させて頂いたら、肩書きはOPTRON プレイヤー、美術家。ってミュージシャンじゃなかったの!

ご本人は、ミュージシャンと呼ばれることに抵抗があり、ダンスとのコラボレーションでしっくりきたのは数回しかないとのこと。じゃああれは本領発揮の舞台ではなかったのか。OPTRONプレイヤーという、一般人にはまずすぐに思い浮かばない肩書きで通し、(でそれで通るようになった)もしそれを説明するとしても自分はミュージシャンではなく美術家である、というなにか頑とした美意識がやっぱり非凡だと思いました。私自身もどこにも収まりきらない自覚があるのですが、こんな風に貫けるか・・・考えさせられました。いまでも十分ご活躍ですが、これからのますますのご活躍をお祈りします。

とても面白い体験だったので思わず微に入り細に渡り描写してしまいました。ネタバレ・・・・?一抹の不安・・・
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プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

・・・・・・・・

<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com
+49(0)6171 279 0088

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2017年冬 東京セッション
12月27日(水)〜1月3日(水)


2017年 直傳靈氣講習会(フランクフルト):

前期10月20日(金)14:30〜18:30
  10月21日(土)9:30〜12:30
       14:00〜17:00 
後期10月20日(日)9:30〜16:00
        
      
直傳靈氣交流会(フランクフルト)
10月23日(月)16:00〜18:00

ホメオパシーについて語る会
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内容
ホメオパシーとの付き合い方:
ーファーストエイド
ーミニコンサルテーション
Abby Takarabe, Peggy Bideホメオパスを
聖地スワジランド、オーストラリアから
講師にお招きします。

参加費用:
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タロット講座

10月23日(月)
13:00−16:00

講師:大塚英文さん
受講料:60ユーロ


参加お申し込みを受け付けております。
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Profile:

Takami Kamata

Certified Advanced Rolfer®
Certified Rolf Movement®Practitioner
Jikiden Reiki® Shihan
Registered Yoga Teacher
SourcePoint Therapy® Practitioner

Contact me at:

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