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2017. 05. 11  
今年のヘッセンの春は大いに盛り下がっていて、寒いし暗いし雨ばかりで11月のように憂鬱に落ち込んでいたら、やっと昨日から春らしい気温になってきました。ずっと干ばつが続いていたからこの時期の雨は恵みの雨なのだけど、この寒さはいらない。今日いつもの調子でフリースにダウンジャケット、ウールの靴下でもっさりと外に出たら人々は半袖だった。状況が読めない。

今日は身体を通して心の問題に向き合う上で本当は決して避けて通れない大きなテーマについて取り上げてみます。性のこと。

日本では草食系がさらに進化(‥)した絶食系男子というのが出現し、女子はオトメンと美を競うまでになっているようですが、なにか茶化していられないものを感じていました。口説かないと女性に失礼と思っているイタリア人(やバブル時代の男性)を軽薄というより勤勉と称えたくなる昨今。日本人のセックスレス(2014年の統計で44%)は世界に衝撃を与え、理由は長時間労働だとか二次元に走っているからとか言われていますが、何も日本だけに限らず現代人共通のテーマが浮き彫りになっているように思えます。すごく基本的な、触る、触られる、というテーマ。

日本てどんどん触ることから離れていっていますね。日本は先進国のどの国よりも母と子のタッチが長く、昔は私たちはお母さんが背中にこどもをひっつけた状態でテキパキを家事をこなすのを自然に見て育ちました。圧倒的に家事労働の多い日本の母の背中に貼り付けられた子供たちは、お母さんの背中のぬくもりを感じながら、お母さんと同じ目線で世界を学んでいきました。お母さんにたいするアタッチメントがとりわけ強く、社会に出る=デタッチメントの儀式をする日本人の特徴。

西洋だとこれ全然違います。今は意識的に変える人もいますが、基本産んだら即別室、子供部屋を完全に独立させて小さい時から夫婦の寝室とは分けて一人で寝かせます。抱っこ紐などは使わず、出かける時も買い物かごのようなものにいれて持ち運んだり大きなバギーに入れっぱなしで、どういうわけか子供の方も聞き分けがよくほとんど抱っこをねだることもせずおとなしくおしゃぶりを咥えている。

私が西洋人は根源的に不安感が強いなと感じるのはどうもこのあたりと関係がある気がしてしかたなかったのです。人間のもっとも根源的な衝動である触る、触られるという行為が小さい時から制限されている。日本人は社会に出たとたんに人とは距離を置くことを訓練するようになりますが、でも乳幼児時期には家族やら親戚やら(昔は村じゅう)がよってたかってかまってきて、自分はどうやらなにかに所属しているらしいという帰属意識が植え付けられる。西洋だと、アイデンティティの確立というものが基本もっとも大事なので、一人に慣れさせられるのです。ここはもう、泣いて甘えて抱っこをねだるなんて選択はないのでただそれを受け入れるしかない。面白いことに、社会に出ると社交の場では逆にベタベタとスキンシップをするよう教育されるのですが。帰属意識vs個人の確立。日本人と西洋人はもともと子育てに逆のテーマを持っている。

最近はでも日本でもおんぶ紐だけは使いたくないというママが増えて、お腹だと状況が限られるので勢いベビーベッドに寝かせてビデオにお子守させる家庭が増えて、「買い物かご」で持ち運ぶ人も増えてきたので、ベタベタした子育てがずいぶん様変わりしました。そしてコミュニティに入り、そこではいよいよ本当に触らない文化に入っていきます。日本人は本当に触れる、触れられるという経験がどんどん減っていっている気がする。

今の若い男性が二次元の恋人に夢中になるのは、この実際の触る、触られるという経験が圧倒的に少ないからじゃないか、というか、このもうものすごく基本的な衝動が抑圧されているんじゃないかと思えます。子供が興味の対象物に自然に手を伸ばしたり、自然に口に持っていくようなあの一次的な衝動。それは単純な衝動で、単純な快。相手に拒絶される恐怖、自分のパフォーマンスにたいする自信のなさ、こういう思考のブロックの前に、その単純な衝動にスイッチが入らない。

自信のなさからマニュアル(AVなどのメディア)を必死で勉強するものの、このマニュアルがそもそも我々多くをげんなりさせる偏った情報の権化なので、この世界で描かれるものにげんなりして実際の関係を結ぶ前にすでに妄想に疲れ切り諦めて受け身に回った草食系と、その妄想さえ持たない絶食系。

成人男性のことをいうなら、自信のなさは別に日本男性に限らないです。私たちは基本自分の妄想の世界に住んでいて、人間関係というのはそれぞれの妄想の投影。うんと性が進んだように思えるアメリカでも男性の不自由さは変わりなくて、たとえばあの国は男というものは基本ジェームスボンドみたいじゃなきゃいけないと思われている。いつでも、どこでもやれないと男ではない。バイアグラはなにも老齢男性のものではないです。30台男性も利用している。

私は女性の立場でしか言えませんが、女性から言ったら、性の喜びという前提がそもそもマーケットに乗った情報とは全然違うところにある。単に触る、触られる、という一次的な衝動。守られている、一人じゃない、という根源的なアタッチメントへの憧れ。よく友達と話しますが、大きさとかテクニックとか、男性が最も気にするところは本当にまったく気の毒な勘違い。

女性から言ったら、恋人でも夫婦でも、日常生活すべてがすでに性の営みの一部です。特に女性の場合は男性のように溜まったからドレインするみたいな衝動では動かず、感情で動くので。スイッチを入れて急にモードを変えるなんてことはできない。もし女性にモテたかったらこの大きな誤解の呪縛から解き放たれるといいです。もっと自然で、もっと楽しくて素晴らしいものです。風に触れられる、木に触れられる、自然に抱かれる、こういう至高の喜びとまったく同列の感覚。なんだか男性も女性も自然からすごく遠いところに来てしまい、なんだかすごくあさっての粗い世界でがんじがらめになっているように思えます。

あえてこんなことを言ったのは、身体や心のストレスはまあたいてい人間関係からきていて、男性も女性もこの方面の抑圧が甚大だと感じているから。コマーシャルに振り回されないで、自然な情動や楽しさに素直になってみてください。お互いが傷つくのを恐れて、誤った情報に操作されたままコミュニケーションを絶っている、誤解を解かないまますれ違って諦めあっていると感じています。女性はいつまでも美しいと言われたい。男性はいつまでもポテントでいたい。お互いのこのどうしようもない欲求を満たす術は、本当にコマーシャルで言われていること??他の形でのコミュニケーションでは得られないもの?

私はロルフィングでもホメオパシーコンサルティングでもSEでも性のことを直接は聞きません。ただ、この妄想を取り払って自由になった時、いままでこの呪縛に不自由していたな、ああもったいなかったな、としみじみ感じてもらいたい。肉体を持って生まれた私たちの最大の楽しみのはずだから。
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Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
英国スクールオブホメオパシー
アドバンスプラクティショナーコースに在籍し
現在臨床を行っています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー認定施術者

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Takami Kamata

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