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2013. 09. 29  
千秋楽の今日もう一度このClouds after Cranachを観に行けることになり、今晩行って参りました。一日にこの激しい舞台を2回も続けてやるダンサー達。(以前は一日4回もやっていたのだとか。)張りつめた糸が頂点に達した最後の最後の舞台を共有させていただけるなんて、なんて嬉しい。

同じ舞台を2度3度観ると、以前とは全然別のものが見える。特に舞台は一期一会なので、それがもっと際立つ。今回はわざと舞台から離れたところに座ったのですが、本当に全く別のものがクローズアップされて、びっくりしました。

私、この間ご紹介したときに、とんでもない大間違いしていたことが分かりました。後半は「劇」などといってしまっていた。後半は、3人の劇ではなくて、別の形態のダンスでした・・。なんて失礼なこと言ってたのかしら(大汗)

後半の3人の登場人物はカンパニーの中のベテラン。この人たちの存在感がどれだけ大きいものだったか、分かってしまった。いつも絶妙なタイミングで人の腰を砕いたり観客を笑わせたりして、「間」とか「隙」をうまく作り出すDavidは、まるで日常の続きみたいになにげなく、舞台を誘導している。そのDavidのあれはたぶん建築家の役。子供が拉致されたお母さん役のJoneとかけあう翻訳家のAmancioとの間に入って、まるで子供が両親の真ん中で積み木で遊んでるようなお気楽さで、切迫したかけあいを続ける2人と全然違う動きをしているのですが、実はちゃんとタイミングを合わせて割って入って、キーワードを2人に渡す。しかもやっていた事は「関係ないこと」じゃなくて、この作品のモチーフであるクラナッハの絵に込められた空間や色彩の広がりや黄金律のようなものを演じていたみたいです。

今日一番驚いたのは、Davidの手から何かが出てる。彼が空間をなぞるとそこには雲が現れて色彩が現れて・・彼本当にそれを見てるんじゃないか。しかもDavidとJoneはデュエットしていたのです。しゃべりながら、離れているのに、二人は息を合わせて踊っている。その繋がった糸が見えて・・・。その踊りがあまりにも素敵で、あまりにも洗練されていて・・人間てこんな風に繋がれるの???Amancioはずっと位置を変えなかったのですが、いつも3人の間には黄金比のようなきれいな幾何学が見えていて。舞台に絵画のモチーフを混ぜ込んだのはこんなこともやっていたのかもしれない。2Dの世界で3Dを表現する絵画を3Dの世界に持って来て、3Dの世界の単純な3Dを違うものにしていたのかもしれない。

また勝手な思い込みかもしれません。この作品、ものすごくしっかりしたコンセプトがあるようなのです。あとできちんと教えていただきたいと思いながら、でも答えを知る前に想像を広げてみたい。

幾何学模様といえば、前半の拉致のダンスシーンも、水曜日よりさらにシャープでした。時間も、半分くらいに思えてしまいました。彼らの動きって、高い位置から観ると幾何学模様に見えるのです。舞台を最も高い位置から見ているフォーサイスはたぶんいつも彼らの作り出す万華鏡を楽しんでいて、演じるダンサーたちもたぶん彼の意図を知っている。観客席、それも前列だと、ダンサーそれぞれの細かい動きは見れますが、全体図が捉えられない。この作品は高い位置から見たほうが面白いかもしれない。

わざと音なしで、日野武道の「つながる」というあれだけで、何人ものダンサーが一斉に動き出して、一斉に止まる。だれもちょっとはみ出たり、ずれたりしない。それを半端なく速く、全然違う方向に動きながらやる。何度見ても、何度思い返しても私には奇跡にしか思えなくて。

水中で一斉に方向転換する魚とか、空中で一斉に方向転換する渡り鳥。あるいは航空ショーの飛行機。あれを人間がやってる。彼らには特殊な音波やら信号があるんでしょ、て思っていたのですが。繋がる、ということが、意識すると確実に人間にもできると見せられました。改めて見せられて、改めてノックアウト。3日間寝込んだ理由の一つはこれなのでもあった・・。

水曜日ノックアウトのもう一つの引き金が、クラナッハの絵画の女性と重なるほとんど巫女がかったJoneの迫真の演技だったのですが・・・今日はクラナッハのあれをみると知ってたので冷静にやりすごせました。

今一生懸命解釈と理由付けをして整理しようとしてます。でも、今日もやっぱり涙がでてどうしようもなかった。この作品の中のおそらくまだ私にも分かっていない何かが引き金になったみたいで、やっぱり今でも私は細胞がひっくり返っている感覚がある。でももう「感染症」症状はおかげさまで奇麗さっぱりなくなっているので、次はセカンドステージの何かが待っているかもしれません。。。

今晩は、プラネタリウムのような星空が広がっていて、目立つ北斗七星の横に、銀河のように星がちりばめられていて、空を見上げていて本当に吸い込まれて行きそうでした。星は2次元に見えるけれど、果てしない3次元の世界。まるで彼らの舞台のよう。まるで別世界。いやこれは、この世界。このリアルな世界でも、私たちはこんなことができて、空はこんなに奇麗。
2013. 09. 26  
昨晩フォーサイスカンパニーのClouds after Cranachを観に行ってきました。スピード、技巧、迫真の演技力。とにかく凄かった・・。今まで見た作品の中でいちばん凄かった・・。身体機能の限界に挑むような超絶技巧で知られるフォーサイスの踊りの魅力が凝縮されたような作品でした。

分かる人は仰天するようなことをやっているのですが一般の私たちにはわかりにくいちょっとひねった作品が多くて、世界的にはどちらかというと玄人向けの集団ですが、ベースのフランクフルトでは一般市民から広く愛されてます。それが今回は観客にいかにも業界っぽいカッコ良くて怖そうな人が多くて、のっけから緊張感が漂い、いつもと違う雰囲気。私は今回一緒にいくはずだった方が急遽来れなくなって一人で行ったのですが、もう開演のうんと前から入り口は人だかりで、私が手放したチケットは瞬時にそれを待っていた人の手に渡りました。チケットはもうソールドアウトですが、それでも当日一か八かで待機していると、30分前くらいに予約チケットをとりにショーアップしなかった人のチケットが買えたりするので、行ってみる価値はありです。この演目は絶対お勧めです。

今回の作品は武道家日野晃先生と出会った直後に作られたそうで、武道の瞬発力とかコネクトの強い影響がたしかに見える。でも最近の作品に較べると表現力より身体能力や技巧の方が前面に出ている印象で、彼らのウルトラE級の技巧を拝ませていただけただけで、もう何も言う事ありません。

1時間のショーの半分は、ある男性が警察に突然拉致されるシーンを描いたもので、息をつく暇もないダンスシーン、後半がそのお母さんが(調書を出す為に?)翻訳を頼むという劇です。後半の登場人物3人はいつもはふだんはおとぼけたキャラで観客をどっと湧かせる役どころなので、後半はコメディなのかとおもいきや・・・。あまりの通じなさと気をそがれるような環境設定に次第に激高してヒステリックに叫びだすお母さん役のヨネの迫真の演技に、最初はくすくす笑っていた観客もある時点から凍り付いてしまいました。私も普段の自分のストレスをえぐって映し出されたみたいでショックをうけて、呆然としてしまいました。私の泣きそうな様子が伝わったみたいで、終わった後に演技した当の本人に慰めてもらって・・・こっちが慰めてもらってどうする、いやすっごく良かった、って言うにはあまりにも混乱していて・・。帰り際、入り口付近に立てかけてあったクラナッハの宗教画を見て、またガーン。題目にもなっているクラナッハ。この宗教画をみるとどうもおかしくなるのです。

とてもその後みんなと話す気分になれなくてそそくさと帰って、その後本当に久しぶりに高熱を出しました。折しも今日は不思議な事に予約のキャンセルが相次いで、思いがけないオフ。これが見込まれてたのか??頭痛発熱のどの痛みリンパの腫れ関節のいたみ、思いつく限り20年ぶりくらい。久しぶりです。まさにBelladonna的症状ですが、なんだかしばらくこの感じを楽しみたいのでわざと手当しないでいます。いやあすごい作品でした。この作品はもう一度観たいなあ。。。
2013. 03. 11  
昨日The Forsythe CompanyのSiderを観に行ってきました。

いつもにも増して圧倒的な緊張感。ダンサーたちの張りつめた舞台を、休憩なしの1時間20分、息を詰めて見続けました。他の観客たちも凍り付いたようになって舞台に吸い付けられていた。相変わらず凄い集団です。

例によって思わせぶりで意味不明な言い回しに攪乱されていると、こちらの不安をかき立てるように照明と効果音が入ってまたビクッとさせられ、その隙をついて弾けるようなダンスシーン。万華鏡のように全員が一斉に止まったり配置を換えたり、動と静が息つく暇もないくらいに入れ替わり、そうこうしているうちに今回の小道具の段ボールカートンで鎌倉ができたり、演奏がはじまったり。よくこう色々思いつくな、と単純に驚きます。

William Forsytheという人はとにかく人の奥底に眠っている言葉にしにくい感覚を揺すぶり起こすことを楽しみにしている人のようで、ダンスの技巧とか美しさ、とかの部分で人の興味を引くことにあまり興味がないみたいに思えます。ご本人は誰よりもこよなくダンスを愛する方のようで、ダンサーも世界中から国を代表するような逸材を集めているのですが。舞台を観るたびに、「ほら、これが君の心の中だよ、みてごらんよ!!」と胸ぐらつかんで揺さぶられてるようで、それが不都合な部分なのでバツが悪くて顔を引きつらせてると、そのうちふざけてかわされ、どぎまぎしているうちに結局やられた、みたいな感じになります。いやこんなにまとまってなくて、とにかくまとまらない状態で放り出されるのだけど、なんだかその収まりの悪さを共有してもらってありがとう、みたいな、変な感覚です。

で、ここまでが単純に観客として彼らを観た印象。後からしかけを聞いて本当にびっくりしました。これ外から見れるのは3割で、7割の面白さは内部にあるらしい。

この作品、シェイクスピアのハムレットがベースなのだそうです。そう、"to be or not to be, that is the question." のあのハムレット。観客には聞こえないのですが(あるいはすごく小さいボリュームで流れていた?)1969年の映画ハムレットのセリフが各ダンサーたちが耳にはめたイヤホンを通してずっと流れていて、彼らはあのElizabethan Englishの変な言い回し(もちろん映画では現代口語になっているけど、独特の節)や効果音を聞きながら踊っていたのです。

しかもそのセリフの合間に演出家William Forsytheの指示が唐突に入る。演目は同じでも同じ作品は2つとしてないらしく、毎日いろんなアドリブが加えられる。昨日はいきなり舞台でダンサーたちが慌てて靴を脱ぎ始め、それらを集めたと思ったら段ボールで挟んでみんなで担ぎ上げて、と思ったらまた次の瞬間バタバタと靴を履き始め、どこまでが演技なのか、どこまでがオフの仕草なのか、わけのわからない不審な行動に???でいたら、あれも突然の指示だったのだそうです。時折見せる彼らの慌てた仕草、あれ、演技じゃなくて本当に慌ててたみたい(笑)。指示系統の混乱で仲間の失敗に笑いをこらえたり、逆に自分が焦りまくったり、といろいろ内輪のドラマがあったそうで、それにしてはよくあれだけ演じきっている!!!さすがプロ!!!!!大びっくり。

昨日は満席でしたが、今後も当日でも早めに行けばチケットは手に入ると思います。いろんな意味で仕掛け満載でめちゃめちゃ面白い。一筋縄でいかない大人の密かな楽しみ。お勧めです。ぜひ一度お出かけください。

2013. 03. 06  
3月に入って、明らかに日差しと匂いは春になりましたね!娘は明日からISST(International Schools Sports Tornament)の水泳大会に出場するために学校を休んでブリュッセルに遠征です。ヨーロッパ全土の強豪12校が集まるこの大きな大会に何の間違いか娘の学校が今年初めて招待され、プールも持たず公共プールで週2回早朝1時間泳ぐだけの弱小チームがおどおど現地入りします。しかもつい先日13歳になってしまったおかげで13歳から16歳の部に入れられてしまった娘は、今までだって頭1つ分小さかったのに、今回に至っては体格のハンデがますます強調され半泣き。何やらオリンピック選手も出場するようなので、せいぜい見物と観光を楽しんでくると言ってます。ところで、西洋人てどうも旬が早く来る気がします。15、6歳で完全に仕上がって、20代後半ですでに老化のきざし。日本人とか韓国人などは30代以降わりと変わらず20年くらい同じ容貌を保ったりするので持続性を羨ましがられるけど、思春期のパワーの瞬間炸裂度で言うと、彼らは私たちの全く持っていないものを持っている。本当にまぶしい。

今日The Forsythe Companyの久しぶりのフランクフルト公演Siderが皮切りになりました。ほぼ一年ぶりの鏡開きになる会場のBockenheimer Depotは、この会場見学だけにでも行く価値あり!です。すばらしい大人の空間。今回の演目はけっこう仕掛けも凝っていてお勧めだそうで、楽しみ!私は10日の日曜日に観に行きます。。チケットの入手はお早めに!


2012. 11. 17  
The Forsythe Companyの久しぶりのフランクフルト公演Study #1に行ってきました。最高に楽しかった!!現代思想や心理学や解剖生理学(今日はダンサーが爬虫類脳の働きについて一説ぶつのをBGMにしてた)が入ったり、見る人を攪乱させ不安に陥らせるトリッキーな演目が多いこのカンパニーにおいて、この作品はかなり単純にゲラゲラ笑えます。過去20年以上に渡る作品群のなかから、いくつかのシーンをピックアップしてオムニバスにしたものがこのStudy #1でした(3まである)。でもフォーサイス自身が以前と内容を相当変えていて、連日内容も変えているそうです。今日はダンサーたちもすごく楽しく踊れたようで、ご本人たちも明るく満足そうにしてらっしゃいました。

コンテンポラリーダンスにおいて世界の3本の指にはいるこの超名門ダンスカンパニーがフランクフルトにある、ということをご存じない方が多いのではないでしょうか。しかも、安藤洋子さんと島地保武さんという日本人ダンサーが、世界の一流ダンサーの中に混ざって大活躍中なのです。

このForsythe Companyは武道家の日野晃先生を特嬪としてほぼ毎年招聘して、武道の動きと精神をダンスに組み込んでいます。日野先生とフォーサイスを結びつけたのが安藤洋子さん。だからこのダンスカンパニーの色は洋子さんの色と言ってもいいくらい、彼女の存在は大きい。超絶技巧で魅せる事のできるダンサーをのきなみ揃えながら、武道、その背後にある禅、そして洋子さんの体現する仏道を追求するといった変わった集団。とにかく一筋縄で行かない。わざと観客の目を一つのシーンや一人のダンサーに惹き付けないように仕掛けをつくり、私たちの心理の裏をかくようなことばかりして、私たちを不安に陥れ、私たちの奥底に眠った感覚を叩き起こしてくれます。

軟体動物のように柔らかく信じられないスピードで回り続けるダンサー、舞台に立っただけで肉体美に釘付けにさせるダンサー、技巧で魅せるダンサーなどが随所で見せ場をつくりつつも、ダンサーたちが万華鏡のようにパッと一瞬に動きを変えるシーンや、空間感覚をフルに使ってデュエットするところは、日野先生の教えの影響を感じて面白く見ました。面白かったのが、洋子さんが入ると、いままであちこちの動きに気を取られて泳いでいた目がperipheral vision (広角)になって、舞台全体をひとまとまりに見れるようになる事。彼女は自分は周りを見てるからだ、というけれども、なにか彼女の指先やつま先から糸が伸びていて、他のダンサーを操り人形みたいに引っ張っているように見える。ご本人曰く、彼女が相手に合わせているそうですが。(まさにこれが、相手に動かされる、という武道の神髄)

そういえば、Forsythe Companyでは音楽使わないのです。なんと出演ダンサーが入れ替わり立ち替わり奇声をあげたりしゃべったりして(しかも意味不明な言語も使って)BGMにします。音響の人は効果音を時たま入れるだけ。ダンサー同士は目配せや呼吸で動くタイミングを計っています。素人には分かりにくいけれど知っている人はどれだけ難しいかわかるテクニックが、目白押しです。もしかして、この無音あるいは雑音(奇声や言葉)をBGMに使うForsytheも、音について何か深いこだわりを持っているのかもしれない。

The Forsythe Companyの次回のフランクフルト公演"Sider"は3月7、8、9、10、13、14、15、16日午後8時から、Frankfurtpremiereで行われます。チケットは金土が32ユーロ、日〜木が27ユーロですが、先行予約やカンパニーカードなどによる各種割引チケットもあります。日本では決して観る事のできない金額。ご興味のある方、予約方法が分からない方はご連絡ください。フランクフルト滞在中に、ぜひ一度は訪れていただきたいところです。
プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
ホメオパス(RSHom)でもあります。

ロルフィング
ホメオパシー
SE(トラウマ解放ワーク)
エネルギーワーク
を複合したセッションで皆様のお手伝いをしています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・英国登録ホメオパス(RSHom)
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー施術者
・ソマティックエクスペリエンス施術者

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<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com


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