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2016. 12. 02  
昨日ベルリンをベースに活躍するダンスオンアンサンブルWater between Three Handsを観にSchauspiel Frankfurtに行ってきました。このダンスオンアンサンブルは40歳以上の男性3人、女性3人からなるダンスカンパニーで、うち3人(クリス、アマンシオ、ヨネ)は元フォーサイスカンパニー出身です。この6人はそれぞれ華麗な経歴とカリスマ性を持ち、現在世界中からワークショップや教師の依頼で引っ張りだこなのですが、特記事項は何と言ってもこの人たちが現役ダンサーとして舞台に立つという実験的試み。

通常40代後半〜50歳を過ぎたダンサーが舞台で踊りっぱなし、ということはしません。どこまで身体的限界を超えられるか。お腹が出て頭の薄くなった同年代の我々が、失った、叶わなかった、あるいはかすりもしなかった人生の向こう側を見るちょっとほろ苦い体験。憧れと同情、親近感を共有する場。今回はEurope cultural daysの一環としてドイツ銀行やヨーロッパ中央銀行がスポンサーに入っていたので、ホテルビュッフェのようなサービスがついて豪華なイベントでした。

11月30日の7Dialoguesは各ダンサーのオムニバスで、すでに人気の定着したプログラム。あれは毎回同じことをしているように見せながらそこは彼ら、観客にはわからないマニアックな試みを何かしらしている。ディレクターのクリスの金髪のカツラに赤いルージュ、ハート模様のパンツで踊るソロは前回ベルリンではセリフと振りをわざとシンクロさせずずらす、という、脳に対する挑戦みたいなことをやっていました。前回ベルリンで2回見たので、今回は見送り。

さてWater..の内容ですが、これは凄かった!!!やっぱり彼らは格が違う。とにかく面白い。そして今更ですが、やっぱりうまい。練習中のダンサーと違う完成された個性があって、それを出す自信があって。落語の達人の噺を聞いてる感じ。とくにクリスはとにかく華があって、他のダンサーも見なきゃと思いながら目はつい彼を追う。一歩足を出すだけで、止まるだけで、こんなに人を感動させる人っているだろうか・・何をやってもとにかく美しい。彼は選ばれた人、舞台で死ぬ人だろうな、とぼんやり思う。

筋は私が云々いう必要ないくらいわかりやすく(そしてありえない)設定でしたが、なんかこのばかばかしさって人生。ゲラゲラ笑った後にホロっとなるのも彼らのお得意。振り付けをやったRabinは本業が振付家というよりアーティストなので、そこはダンサーたちの個性が存分に出たのだと思います。もう思いっきり自分たちのやりたいことをやっているという感じで、練習の時の素顔や本人の持ち味がそのまま舞台に出てる感じでした。でもそのオフ感満載の舞台そのものがやっぱりベテランにしかできない観客の惹きつけ方をしている。何もかもうまい。

男性陣は全員ハゲ(のモデラートな言い方が思いつかない)ですが、首から下は20台のダンサーと全く同じに見える。そして動きの自由さや優雅さも全く年を感じさせない。やっぱりプロってすごい。この年齢で現役でこれだけのことができる・・こんな生き方してみたい。彼らに夢のありかたを見せてもらったようでした。
2016. 11. 26  
これを素通りするわけにはいかない。フォーサイスのあとを引き継いだDresden Frankfurt Dance Company.引き継いで一年が経ち、フランクフルト市民の圧倒的支持を得て、今やフランクフルトでのチケットは完全ソールドアウトが続いています。先日新作品のプレミエがあってその前日のジェネラルリハーサルに行ってきたのですが、すごく豪華で圧巻でした。規模でいえば、コクーンダンスの3倍。

圧巻なのは踊れるダンサーがずらっと揃っているところ。すごいダンサーがずらっといる、というそれだけでお金を払って拝む価値がある。年寄りが多くあまり踊ってくれなかったフォーサイスカンパニーに不満を持っていた市民の声を代弁するかのように、何もかもフォーサイスと真逆を行くヤーコポの作品は、とにかく踊る、踊る、踊る。ずっと踊る。

私がものすごく好きだったのは衣装でした。どうやら衣装もすべてヤーコポがデザインするようで、ものすごく素敵。メッシュの薄い生地で身体の線がよく見れて、でも動きを妨げない。伸縮性のあるメッシュの生地って作るのがすごく難しい衣装なのだそうですが、これがダンスを際立たせる。どんなに作るのが難しかろうが耐久性がなかろうがこれは絶対支持します。

そして特徴としては彼の作品は動きに男女差があまりない。つまり男性も女性も基本的に振りがあまり違わない。どこかヤーコポの刻印を押した彫像が、ヤーコポの息に合わせて動いている感じ。あの指の動きとかポーズは、本当はやってみたい男性たくさんいるだろうなと感じていて、その夢を実現させる場なのかもしれない。

最初の頃と大きく変わったのは音楽。弦楽四重奏の生演奏。あの音楽は踊るの難しいだろうな、と思いますが、そこは彼らプロなのでしっかり踊る。

個人的には中盤のデュエットが一番好きでした。とことん肉体美とテクニックを鑑賞させていただける場。あのパートを男性どうしで踊って欲しいかも・・と思いました。
2016. 11. 26  
先日Cocoon Dance: No Body but Meを観に、フランクフルト郊外のDarmstadtに行ってきました。ここは建築関係で有名な大学のある学術都市で、学生が多く小洒落た街並みの人気の地区です。

とても小さな作品だったのですが、最近観たもののなかで一番好きだった!ありがたいことに今年はお誘いをたくさんいただいて、いろいろな作品を観させていただいているのですがいつも時間がなくこのブログで紹介することができません。全部ご紹介できず本当に残念。

観客はヘッドホンを支給されてそれをつけるように言われるのですが、最初は舞台は無音、ヘッドホンから聴こえてくる音楽だけが音源です。いちばん最初に舞台に現れるのがAlvaro.薄闇のなか吹きさらしの荒野でうごめく謎の生き物みたいな動き・・こういうことさせたら彼は圧巻です。よく見ると全裸。

一人一人と現れるダンサーがそれぞれまた全く個性が違う。このカンパニーもフォーサイスと同様、まったく噛み合わなさそうに見える人たちを集めるのが好きなんだな、と感じる。驚いたのが、彼ら音がないのに、まるでヘッドホンの音楽が全部聞こえているかのように、ヘッドホンの音に合わせて動くのです。なんでこんなことができるの。ヘッドホンをはずして呆然。後から聞いたら、どうやらリズムをそろえるところだけ、本当にかすかに劇場のスピーカーから音が出ていたそうです。私からはわかりませんでした。最後の方になると舞台の音楽の方が大きくなって、ヘッドホンの音が小さくなる細工がしてある。でも実は彼ら、コネクトすることにより、完全無音でも完璧に揃えられるそうなのです。しかもリズムを合わせるところ以外は全員インプロで踊っている。このあたりはフォーサイスカンパニーがさんざん練習していたので、ああこういうことかと改めて感じました。人間の身体って賢い。あるリズムを身体が覚えると、あとはコネクションだけを感じていれば自由に揃っていく。

踊りそのものは何か内側をシェイクする動き。チャクラを下から活性化させるtantraっぽい動きが多く、一種のお祓い作用があったかも。見渡すと観客中高年が多かったのですが、なるほどーこの辺りの年代の方々にいい効果がありそうと感じました。

彼らは残念ながら今回ドイツ公演はこれでおしまいです。世界中を飛び回ってスーツケースだけで生活しているダンサーも多く、次回会えるのはいつかな、という感じですが、今回この機会に見れて本当に良かった。個人的に今年一番好きだった作品!!こんな貴重な機会をいただいて本当に感謝・・
2016. 10. 06  
以前驚愕したエミリーのContinuumの動き、あれは内臓が蛇のようにうねる動きだったのですが、あれにすごくよく似た背中の動きをするダンサーがいました。スペインのダンサーÁlvaro Esteban López。大きな違いはエミリーは動かしていなくて動いてしまう、というものだったのですが、彼は基本一つ一つの筋肉と結合組織を意図して動かしてます。

Antípodas from Álvaro Esteban López on Vimeo.


恐怖の昆虫人間。ホメオパシーのところでも紹介したハエ男の恐怖が頭をよぎる。でもこれはある特定の昆虫に限定されないよういろいろな昆虫を観察した結果のようで、これは分析と意識的動きの賜物。昆虫の意識に入り込む、というより、外部から働きかける動き。すごい身体能力だなと思います。こういう突発的な動きを得意とするのは他にはブレークダンサー。


"entomo" calle from entomo EA&AE on Vimeo.


これは本当に、ため息が出るほど美しい。異性とのデュエットではこういうセクシーさは出せない。これは本当に好きです。

彼この10月11月はドイツで活動していて、いまは近くのドルトムントでリハーサル中です。ドイツでいま見れるチャンスがたくさんあるので、ご興味のおありの方はどうぞお出かけください!
2016. 04. 15  
先日Hessischen Staatsballettsの公演Kaspar Hauserを観にHessisches Staatsteater Wiesbaden(ヘッセン州立劇場)に行ってきました。フランクフルトからはSバーンで1時間ほどのWiesbadenは、フランクフルトが新宿だとすると青山といった風情で、瀟洒な大通りには遠目でウィンドウショッピングだけで精一杯の高級ブティックや高級食材店が立ち並び、劇場周囲の一帯にある美術館、庭園、大通り散策を入れれば、1日で充実したザ・ヨーロッパ観光ができます。1時間ほど足を伸ばすと別世界の広がるWiesbaden、ぜひお勧めです。

さてこのKaspar Hauserという演目ですが、実話を基にしています。主人公のKasparはある日突然一枚の手紙を手にドイツに現れた生い立ち不明の若者で、地下牢で育ちました。足と言葉が不自由で社会から孤立して育った彼が、社会と関わっていく様子を描いたものです。「君は何者なんだ、カスパー」と問い続けながら社会との適合でもがく一人の若者を描いた作品ですが、作品そのものは前作のシンデレラと同様、全世代の方々に気軽に楽しんでもらえる内容です。思いがけない急展開に唖然としてしまうのですが、これは見てのお楽しみです。

この作品は主役のKasparを演じたTylerがすばらしかったです。もうこれを演じるには統合失調症になるしかないだろうみたいな喜怒哀楽の激しい展開で、肉体的負荷も精神的負荷も半端ない環境下で終始舞台にさらされ続けるって相当なものです。ヨーロッパのダンスの公演は本当に安くて、なんだかこんな金額であの渾身の演技を見せていただくのは申し訳ない気持ちです。

夢のような装飾が施された伝統的なヨーロッパの劇場で繰り広げられる非日常の世界。観客の私たちはここに何を求めているんだろう、と思って周りを眺めていました。明らかに自分の人生とは全然重なるところのない主人公に、それでも胸を打たれるのは、彼が表現しようとしている人類普遍の苦悩や人類普遍の喜怒哀楽なのかなぁ、と。

今回面白かったのは、それぞれの役を演じるダンサーたちのおそらく元の性格や人間関係といったものが舞台にかなり出るんだなとわかったこと。あと意識の置きかたにずいぶん個人差があって、手足を動かしているだけの人とそこに意識を入れている人の差が一目瞭然だということ。意識の置き方に対する差が、舞台での関係性にものすごく反映するので、同じダンサーがつながりを感じられないダンサーと踊ると同じ人間と思えないくらい質が変わってしまうということ。ものすごく感動する動きというのは、どううまく身体を動かしたかというところにはない。動きは結果であって、そこに至るまでのプロセスが動きには全部出てしまうので、私たちはそれを見せていただいているんだなと思いました。フォーサイスの作品はどれも極端で、なんだか個人の性格みたいな部分を剥ぎ取った、分子や電子で勝負みたいなところがあったので、なんだか別のセンサーで見ていた気がします。今まで気づきませんでした。

あと、いつも思うのが舞台の一期一会。この作品は踊りは踊りですごく素敵で楽しめたのですがそれよりも役を演じる要素が強くて、舞台を生で見るのはテレビやネットで見るのと全然受け取るものが違うんだとわかりました。この一期一会の奇跡を知ってしまうと、同じ舞台を何度も見に行く気持ちがわかります。逆にネットの世界にとどまる孤独感と分離感が際立つ。

Tylerを見て感じたのはつくづく、この人ピュアなんだな、ということ。彼の舞台裏の苦悩も、生い立ちも、私は伺い知ることはできませんが、それを差し引いてもなにかこの人人生の捉え方がピュアなんだなと感じさせるところがあって、こういう風に人生を精一杯生きている人が渾身で表現してくれるものには胸を打つものがあります。

印象に残ったダンサーはあとはFamilie Daumerを演じたMiyuki ShimizuさんとLord Stanhopeを演じたDavid.この二人は独特な雰囲気を持っていて華があって、舞台映えするので一瞬で観客を捉える。やっぱりこういう天性のものを持った人は羨ましいです。私は前半がものすごく好きで、とくに関係性を丁寧に表現したTyler, Miyuki,Igliのトリオと、Davidのタバコを吸いながらのソロが強烈に印象に残りました。

実は明日の土曜日もう1度TylerがKasparを演じるようで、たぶんチケットはまだ取れるはずなので是非お時間のある方はお出かけください。たぶん今の彼はものすごくいいはずです。この一期一会はぜひご体験ください。そしてよろしかったら是非感想をシェアしてくださいませ!

プロフィール

rolfertakami

Author:rolfertakami
鎌田孝美(Takami Kamata)

http://www.takamirolfing.com

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ヨーロッパロルフィング協会に所属する、
ヨーロッパで第2号の日本人ロルファーです。
ホメオパス(RSHom)でもあります。

ロルフィング
ホメオパシー
SE(トラウマ解放ワーク)
エネルギーワーク
を複合したセッションで皆様のお手伝いをしています。

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内側に深くしまいこんだこだわりを、抱きとめ、見つめ、解放し、
かわりに内側で眠る可能性に光を与える。
身体が目覚め、失ったものを取り戻していく過程を
みなさまと楽しんでいきたいです。

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・ヨーロッパロルフィング協会認定
公式アドバンスロルファー
・同ロルフムーブメントプラクティショナー
・英国登録ホメオパス(RSHom)
・直傳靈氣師範
・全米ヨガアライアンス認定
ヨガインストラクター
・陰ヨガインストラクター
・ソースポイントセラピー施術者
・ソマティックエクスペリエンス施術者

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<セッションのお申し込み&お問い合わせ>

rolfertakami@gmail.com


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